アルケニアオンライン~昴のVRMMOゲームライフ。冒険生産なんでも楽しみます。
第2章 第23話 マタンガ集落にて
マタンガの集落に人間の姿をした代表がいることに驚いた。
マタンガはキノコなのになぜ?
「あの、なんでキノコじゃないんですか?」
ボクは思わずゴルドさんにそう尋ねた。
「この姿ですか? マタンガも含めもともと精霊に決まった姿などありません。私のこの姿も、人間種や神種の方々と会話するための便宜上の姿です」
どうやらボク達を気遣って人間タイプの姿になったようだ。
「それで、この集落は一体なんなんです?」
マタンガの集落には木で作られた家が多く立ち並んでいる。
それは人間の村や小さな町のような光景といえる。
「この集落は各地にある精霊達の集う場所の一つなのです。地脈の力の通り道でもあります。我々はこうした場所に隠れ里のようなものを作り、時折やってくる異世界人や神種の人達と腕を磨き交流しています」
この集落は数ある精霊達の住処の一つのようだ。
ということは、契約出来る精霊もいるのかもしれない。
「あの、精霊ということは、召喚術師になれば契約出来るのでしょうか?」
おずおずと手を挙げ、ケラエノがそう尋ねた。
「資格を有していれば可能でしょう。ですが、すぐには打ち解けることはありますまい。誰か精霊の紹介などあれば話は早いのですが……」
ゴルドさんはそこまで言うと、少々難しい顔をした。
おそらく警戒を解くために説得出来る何かが必要なのだ。
「あっ」
そこでボクはミアの言葉を思い出した。
『ある程度マタンガが倒せるようになってきましたら、私を連れてその集落へ向かってください』
ミアはこのことを言っていたんじゃないだろうか?
だとしたら――。
「あの、スライムの精霊と仲良くなったんですけど……」
「なんですって!?」
ボクの一言にゴルドさんが驚いていた。
そんなに驚くことなのだろうか?
「ミアって子で、アルケミアスライムなんですけど」
「まさか……」
まずかったかな? と思いつつもミアのことを打ち明ける。
ゴルドさんの顔は驚いた表情から、難しい表情へと変化した。
「アルケミアスライムはほとんど見つかることのない非常に希少な精霊です。通常のスライムではなかなか到達することの出来ない高みにいる高位の存在なのです。そして、唯一浄化の力を生み出すことが出来る存在でもあります」
「特にその錬金術で作られたものは純度が高く非常に効能が高くなります。闇の汚染もその方なら浄化できるかもしれない……」
ゴルドさんはそこまで言うと口を閉じ、再び難しい顔をして考え込んでしまった。
「スピカ様、よろしければその方をお連れしていただいてもよろしいでしょうか? 本物と確認できれば、精霊契約の件を取り持たせていただきますので」
ゴルドさんは真剣な表情でそう話す。
たぶん重要なことなんだろう。
「わかりました。連れて行ってほしいと事前に言われているので後ほどでも」
「ありがとうございます。これで絆の要塞は救われる」
ほっと胸をなでおろし、ゴルドさんはそう言った。
要塞、浄化、ミア。
この三つの組み合わせで何が起こるんだろう……。
「ところで、あの家々はマタンガの家なんですか?」
ボクは木で作られた家々を指さし、ゴルドさんに尋ねた。
「あの家々は、ここで修行する召喚術師やそのほかの術師達の為に用意したものです。そうですね、ミア様をお連れしてただいた時にでも、一軒差し上げましょう。転送陣も設置してありますので、メルヴェイユの街へも行き来しやすくなります」
なんとゴルドさんは、お礼に一軒くれるというのだ!
なんという太っ腹だろう!
「いいんですか!? それは嬉しいですけど……」
行為は嬉しいけど、いいのだろうか?
「なになに? 家くれるって? すごいじゃない!」
聞きつけてやって来たエレクトラは実に嬉しそうにそう言った。
「いいですね、隠れ家的な家というのは」
ケラエノもなんだか乗り気だ。
「お姉ちゃん、おじさんを落とし込むなんてやるじゃない? もうそんな手練手管覚えたんだ?」
マイアはボクにジト目をしながらそう言ってくる。
完全に誤解を招く発言だった。
「違うってば! ミアのおかげ! ほら、もういくよ!」
マイアのいじりに付き合うと、今日という日がすぐに終わってしまうので、すぐにミアを連れてくるためにメルヴェイユの街へと戻り始める。
「行き来の際、襲われないように指示しておきますので、ご安心ください」
ゴルドさんはボク達にそう言うと、頭を下げて見送ってくれた。
「いってきま~す!」
こうしてボク達はミアを連れていくために、街へと戻った。
マタンガはキノコなのになぜ?
「あの、なんでキノコじゃないんですか?」
ボクは思わずゴルドさんにそう尋ねた。
「この姿ですか? マタンガも含めもともと精霊に決まった姿などありません。私のこの姿も、人間種や神種の方々と会話するための便宜上の姿です」
どうやらボク達を気遣って人間タイプの姿になったようだ。
「それで、この集落は一体なんなんです?」
マタンガの集落には木で作られた家が多く立ち並んでいる。
それは人間の村や小さな町のような光景といえる。
「この集落は各地にある精霊達の集う場所の一つなのです。地脈の力の通り道でもあります。我々はこうした場所に隠れ里のようなものを作り、時折やってくる異世界人や神種の人達と腕を磨き交流しています」
この集落は数ある精霊達の住処の一つのようだ。
ということは、契約出来る精霊もいるのかもしれない。
「あの、精霊ということは、召喚術師になれば契約出来るのでしょうか?」
おずおずと手を挙げ、ケラエノがそう尋ねた。
「資格を有していれば可能でしょう。ですが、すぐには打ち解けることはありますまい。誰か精霊の紹介などあれば話は早いのですが……」
ゴルドさんはそこまで言うと、少々難しい顔をした。
おそらく警戒を解くために説得出来る何かが必要なのだ。
「あっ」
そこでボクはミアの言葉を思い出した。
『ある程度マタンガが倒せるようになってきましたら、私を連れてその集落へ向かってください』
ミアはこのことを言っていたんじゃないだろうか?
だとしたら――。
「あの、スライムの精霊と仲良くなったんですけど……」
「なんですって!?」
ボクの一言にゴルドさんが驚いていた。
そんなに驚くことなのだろうか?
「ミアって子で、アルケミアスライムなんですけど」
「まさか……」
まずかったかな? と思いつつもミアのことを打ち明ける。
ゴルドさんの顔は驚いた表情から、難しい表情へと変化した。
「アルケミアスライムはほとんど見つかることのない非常に希少な精霊です。通常のスライムではなかなか到達することの出来ない高みにいる高位の存在なのです。そして、唯一浄化の力を生み出すことが出来る存在でもあります」
「特にその錬金術で作られたものは純度が高く非常に効能が高くなります。闇の汚染もその方なら浄化できるかもしれない……」
ゴルドさんはそこまで言うと口を閉じ、再び難しい顔をして考え込んでしまった。
「スピカ様、よろしければその方をお連れしていただいてもよろしいでしょうか? 本物と確認できれば、精霊契約の件を取り持たせていただきますので」
ゴルドさんは真剣な表情でそう話す。
たぶん重要なことなんだろう。
「わかりました。連れて行ってほしいと事前に言われているので後ほどでも」
「ありがとうございます。これで絆の要塞は救われる」
ほっと胸をなでおろし、ゴルドさんはそう言った。
要塞、浄化、ミア。
この三つの組み合わせで何が起こるんだろう……。
「ところで、あの家々はマタンガの家なんですか?」
ボクは木で作られた家々を指さし、ゴルドさんに尋ねた。
「あの家々は、ここで修行する召喚術師やそのほかの術師達の為に用意したものです。そうですね、ミア様をお連れしてただいた時にでも、一軒差し上げましょう。転送陣も設置してありますので、メルヴェイユの街へも行き来しやすくなります」
なんとゴルドさんは、お礼に一軒くれるというのだ!
なんという太っ腹だろう!
「いいんですか!? それは嬉しいですけど……」
行為は嬉しいけど、いいのだろうか?
「なになに? 家くれるって? すごいじゃない!」
聞きつけてやって来たエレクトラは実に嬉しそうにそう言った。
「いいですね、隠れ家的な家というのは」
ケラエノもなんだか乗り気だ。
「お姉ちゃん、おじさんを落とし込むなんてやるじゃない? もうそんな手練手管覚えたんだ?」
マイアはボクにジト目をしながらそう言ってくる。
完全に誤解を招く発言だった。
「違うってば! ミアのおかげ! ほら、もういくよ!」
マイアのいじりに付き合うと、今日という日がすぐに終わってしまうので、すぐにミアを連れてくるためにメルヴェイユの街へと戻り始める。
「行き来の際、襲われないように指示しておきますので、ご安心ください」
ゴルドさんはボク達にそう言うと、頭を下げて見送ってくれた。
「いってきま~す!」
こうしてボク達はミアを連れていくために、街へと戻った。
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