やはり、創造神の加護はチートでした

弥音 雪

52話 報酬と依頼




  翌日

  レオンはいつも通りの時間よりだいぶ早く出て行った。行先は冒険者ギルドだ。

  昨日のことを話に行くわけでは無い。ギルドに黒龍の報酬を貰いに行くのだ。そのお金でフィリアに何かプレゼントでもあげれたら良いなと思っていたりする。

  ギルドに行くと朝早いからか冒険者の姿はあまり見られなかった。

  真っ直ぐ受付に行き前の時にもお世話になった人の元へ向かう。

「お久しぶりですサーシャさん。今日は報酬をもらいに来ました。」

「レオンさん、お久しぶりです。報酬ですね?でしたらこちらへお願いします。私個人ではあの量の金額は渡せないので。」

  そう言われサーシャさんの後ろをついて行く。すると前と同じ部屋の前に着いた。

「サーシャです。レオン様をお連れ致しました。」

「入ってくれ。」

  中に入るとこの前にあった時より少しやつれているギルドマスターがいた。

「お久しぶりです、ギルドマスター。疲れているようですけどどうかしました?」

「はぁ。お前の黒龍を討伐者を一切漏らさずに国や大貴族に売るのが疲れないわけないだろ。」

  確かに黒龍なんてそう簡単にやり取りされない。しかも今回はレオンの要望で名前を明かしてはならない。相当神経を使っただろう。

「それは……すみません。」

「まぁいい。討伐したこと自体はギルドに利益をもたらすからな。それで今日は報酬をもらいに来たんだろ?」

「はい。」

  そうしてギルドマスターは金庫から大きめの麻袋を取り出した。

「これがお前の報酬だ。」

  麻袋の中を覗くと大量の白金貨があった。

「あのこれって……。」

「黒龍討伐による報酬、白金貨200枚だ。」

  まさかそんな金額になるとは思ってもみなかったレオンは珍しく固まった。

「……多すぎません?」

  やっと再起動したレオンは何故こんな金額になったのか疑問だった。

「まぁな。黒龍は国内だけじゃなく冒険者ギルド経由で他国にも行ったからな。その国は資源は多いものの、こういう上等な魔物がなかなかいなくてな。その分値が着いたってことだ。」

「納得しました。」

「そうか。それじゃ次の話に行こう。」

  レオンは報酬を貰うだけだと思っていたので少し疑問に思う。

「えっ?何かあるんですか?」

  そうしてさっきの雰囲気とは変わって真剣な表情になったギルドマスターを見て少し身構える。

「あぁ。国から俺の元に依頼が入ったんだが、その内容は新しく発見されたダンジョンを攻略して欲しいってことだ。」

  ダンジョンの攻略自体は進んでやりたいがいくつか疑問が残る。

「何故それを僕に?別に依頼が貼ってるところに同じように貼ればいいんじゃないんですか?」

  するとギルドマスターは少し深刻そうな顔をしてこの依頼の全容を話した。

「それもそうなんだが。少しこの話は毛色が違う。そもそもダンジョンの攻略ってのは国が見つけた場合は国がやることになっている。今回はそのパターンだ。だがその国が冒険者ギルドを頼ってきた。つまり国じゃ出来なかったってことだ。俺の聞いた話だと騎士団の何人かはやられたっていうことも言っておく。」

  国が手をつけれないほどの強力なダンジョン。そのダンジョンのモンスターが溢れかえったらそれこそ一大事だろう。だから冒険者ギルドに頼って早急に手を打ってもらいたかったのだろう。

「理由の1つは分かりました。ですが何故僕なのかがよく分かってません。」

  すると何を今更と言わんばかりの様子で言った。

「ん?それはお前の腕を俺は信じてるからな。何せあの黒龍を倒す程だからな。あとはそいつを売り捌くのが重労働だったからフェアじゃねぇなと思ったからだな。」

  どちらかと言えば後者が本音の気がするが確かに大変だっただろうから出かけた言葉を飲む。

「はぁ、分かりました。ダンジョンに行きます。」

「そりゃ良かったよ。詳細についてはこいつを見といてくれ。王家からの依頼だから報酬もなかなかだぞ。」

  そう言って依頼書を渡された。確かに白金貨15枚に戦利品などの別報酬は確かに魅力的だ。

「それじゃそれに記載されている期間までに1度ダンジョンに潜って来てくれ。お前なら大丈夫だと思うが気をつけてくれ。」

「分かりました。それでは失礼しますね。」

  そう言ってレオンは部屋を出てそのままギルドも出た。

(少し面倒な依頼を受けちゃったなぁ。早めに終わらせたいし今日か明日あたりに行くか。)

  昨日の今日なので少々納得行かない部分もあったが迷惑をかけた分はしっかりとやり、フィリアとの時間をなるべく多く作りたいと思った。

《チセ、少しいい?》

《なんでしょうマスター。》

《聞きたいことがあるんだけど。》

《はい!なんでしょう?》

《ここの王都から南に50km行った所にあるダンジョンについて教えてくれない?》

《分かりました。そのダンジョンは50階層からなり、1つ1つの階層はそこまで広くありません。ただしそこのダンジョンは魔の森のように魔力が通常よりも多くあり強力な魔物が多く存在します。》

《なるほどね。それなら騎士団が攻略出来きなかったのも頷ける。ありがとねチセ。》

《お役に立てたなら良かったです。》

  50階層で魔の森の魔物程度の強さなら問題なく行けるだろうと判断したレオンは今日の放課後に行くことにした。

「とりあえず学園へ行こうか。」

  そうしていつも通りの時間に学校に着いた。

コメント

  • ノベルバユーザー412699

    チセと話す内容すくな

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  • ノベルバユーザー329772

    チセ忘れてた笑笑

    0
  • ノベルバユーザー295269

    ん?黒龍討伐の報酬の話してるのになんで他国行ったから高くなったとか話してるんだろ。

    黒龍の素材の報酬なら

    国家予算が動く程の物の売値 < 侯爵家全財産の半分

    になるね。おかしくね。

    1
  • ノベルバユーザー301280

    ランキング1位おめでとうございます!

    1
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