チート過ぎてチート(語彙力)な異世界転移

樹(いつき)

第36話 軍団VSスタンピード

 セレナさんの制止を振り切り、俺はスタンピードを止めに行くことにした。そして、空を飛んで街を出ると広大な森を魔物が埋めつくしているのが見えた。

 「それにしても500万とか骨が折れるなぁ…」

 「何を言うとんねん!あんなかっこつけてんからバシッと決めたれ!」

 ベクトがそんなことを言ってきた。

 「確かにそうだな!それでも俺だけだとどこかから魔物が街に入りそうなんだよな…」

 「それは言えとるな…」

 ベクトと悩んでいるとマナがある事を言ってきた。

 『こういう時こそ眷属の出番では無いでしょうか?今まで召喚して強くするだけでほとんど活躍させてませんよ?』

 「あっ…確かにそうかもしれないな。よし、〈召喚サモン〉ハデス、ルカ、フェル!」

 「「「お呼びでしょうか主(ご主人様)(我が主)」」」

 「これから魔物のスタンピードを止める。数は500万でSSランク以上もかなりいるから街に被害が出るかもしれない。そこでハデス達にはそれぞれの固有スキルで軍団を作り街を防衛して欲しい。」

 「「「御意!」」」

 そして、眷属達にそう伝えるとすぐに行動を起こした。

 「我が名はハデス!神悪魔の名のもとに顕著せよ!〈悪魔創造クリエイトデーモン〉!」

 「我が名はルカ!神天使の名のもとに降臨せよ!〈天使創造クリエイトエンジェル〉!」

 「我が名はフェル!神精霊の名のもとに現れよ!〈精霊創造クリエイトスピリッツ〉!」

 眷属3人の詠唱と共に周りに大量の魔法陣が浮かび上がる。数にして30万と魔物より少ない。しかし、そのどれもがSSランクに匹敵する強さを持っているので街の防衛には充分だ。

 「お前らには街の防衛をして貰う。最初から通す気は無いが、街に入りそうな魔物がいたら即刻倒せ。」

 ハデス達を通して軍団にそう伝える。そして俺は魔物達の上空まで飛び、〈超越覇魔神Lv∞〉を発動する。

 「まずは1発デカいの撃ち込むか。〈メテオエクスプロージョン〉!」

 俺はオリジナル魔法を魔物の大軍のド真ん中にぶち込んで半分近くの魔物を消し飛ばした。この〈メテオエクスプロージョン〉は1度辺り一帯を凍らせて冷やした直後、超高温の焔の球を撃ち込みその温度差で大爆発を起こす魔法だ。この魔法によって半分近くの魔物が消し飛び、クレーターができたが気にしないで行こう。

 『後で元に戻さないと呪いの詠唱を呟き続けますよ?』

 (すぐに直させていただきます)

 マナがいよいよ実力行使にではじめた。さすがに頭に直接呪いの詠唱されるのは精神的に来るものがある。俺はすぐに地属性魔法の〈ガイアリアクター〉で元に戻した。

 (さすがに広範囲の殲滅魔法撃つと地形変わっちまうか…。だったら武器と数で攻めるしかねぇな)

 「ハデス、ルカ、フェル、数で攻めるから街の防衛に半分くらい残して他の軍団で魔物をぶっ飛ばす!頼むぞ!」

 「「「御意!」」」

 街の防衛をしていた悪魔や天使達と魔物の大軍がぶつかり合う。数はこっちが圧倒的に不利だが強さの次元が違うのでどんどん魔物を倒していく。そして俺も

 「出番だベクト!二刀流で行くぞ!」

 「やっと出番やな!任せとき!モードチェンジ〈二刀流〉!」

 そう言うとベクトが2本の刀に分かれる。そして、俺はベクトに迅雷魔法を付与し、雷よりも早い速度で魔物を斬り伏せていく。そして、俺達は魔物達に攻撃を仕掛けてからわずか1時間ちょっとで500万の魔物を殲滅した。ハデス達と軍団には俺の亜空間に1度戻ってもらい街に戻るとものすごい歓声が上がっていてビックリした。

 「うぉぉぉぉ!助かったぞぉぉぉ!」

 街の人はみんなお祭り騒ぎだ。だが盛り上がる前にひとつ疑問に思ったことがある。

 「なんでこんなとんでもないスタンピードがここで起こったんだ?」

 そう呟いた瞬間、

 ドカァァァァァァン!!!



 さっきまで大量の魔物が居た場所に大爆発が起きた。
 



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