俺の高校生活に平和な日常を
第1章 #13「きみに涙は似合わない」
---それから有紗は秘書の冴木さんと共に隠し扉から本社を出て車で空港に向かいそのまま日本に飛び立った。
後に分かったことだが創次郎さんは有紗に知り合いの事を話した後、いつでも日本に行ける様に色々と準備をしていたらしい。ここの高校を選んだのも創次郎さんが決めたそうだ。多分、その知り合いの子供達がこの辺りに住んでいるからだろう。
それから日本に着いたのは今から3週間程前の事である。今はホテルに泊まりながら知り合いを探しているらしい。なにせいきなりの事だったのでその人の情報が少ないので中々見つからずにいる様だ。
しかしそんな中、今から1週間前の事である。夏目財閥本社襲撃事件の首謀者である奥田宗助が日本に来ているらしいとの連絡が入ってきた。まだ詳しい事は分かっていないが最後に奥田が見かけられたのがこの町の空港で奥田とその舎弟数人の姿が目撃されている。目的は不明。
聞いた話では、奥田は夏目財閥襲撃の後、うまい事逃げ切ったらしい。その時に創次郎さんの死体も発見されたそうだ。
その話を聞いて有紗は悲しみと同時に怒りもこみあげてきた。『いずれあいつに復讐してやる!!』と心の中に刻み込んで。
そして今日の朝、つまり俺と出会う直前の事である。学校に行く途中、誰かに見られている様な気がしたそうだ。そこでうまい事おびき出そうとした時にちょうど俺とぶつかり今に至る。
 ---彼女のここまでの経緯を聞いていて複雑な気持ちである。大切な家族を殺されて復讐しようとしている彼女に俺に何かしてあげられるだろうか?そんな事を思っていた。
「全く、なんでアンタなんかに話しちゃったんだろうね!?」
そう言うと有紗の目から涙が流れ落ちた。有紗の顔はどこか切なそうにしていた。俺はそんな有紗の顔に見とれてしまっていた。こう言うと失礼かも知れないが今の有紗がどことなく大人っぽいというか綺麗に見えた。
「あれ?なんだか急にアンタの顔がぼやけてきちゃった!」
そう言って涙を手で拭おうとしようとしていたので俺は何も言わずにハンカチをそっと有紗に渡した。
「んっ、ありがとう…」
有紗は俺からハンカチをとり涙を拭う。普段こんな事をしたことなかったけど、どうしても俺は有紗の事がほっとけなくなってしまっていた。
「なんか色々あったみたいだけども、もし困った事あったら俺も出来る限りの事なら手助けするからさそ、そのなんていうか…」
そこから言葉が詰まってしまった。流石にこれ以上先を言うのは気恥ずかしかった。それ以上言うかどうか迷っていると昼休みの終わりのチャイムが鳴ってしまった。
「あっ」
思わず声がこぼれてしまった。すると、涙を拭っていた有紗が、
「ふふっ」
と笑った。
「ふふっ、ごめん、でもありがとう。話を聞いてくれただけで十分よ。なんだか話してたら少しだけ気持ちが楽になったわ。ホントにありがとう!」
そう言って有紗は笑顔で答えてくれた。
怒った顔も泣いた顔も良かったがやっぱり笑ってる顔が一番いいな。
「さあ、もう昼休み終わっちゃたし教室に帰りましょう!」
そう言うと有紗は教室に向かっていたので俺も一緒に教室に帰って行った。
あ、そういえば昼飯食うの忘れてた。
後に分かったことだが創次郎さんは有紗に知り合いの事を話した後、いつでも日本に行ける様に色々と準備をしていたらしい。ここの高校を選んだのも創次郎さんが決めたそうだ。多分、その知り合いの子供達がこの辺りに住んでいるからだろう。
それから日本に着いたのは今から3週間程前の事である。今はホテルに泊まりながら知り合いを探しているらしい。なにせいきなりの事だったのでその人の情報が少ないので中々見つからずにいる様だ。
しかしそんな中、今から1週間前の事である。夏目財閥本社襲撃事件の首謀者である奥田宗助が日本に来ているらしいとの連絡が入ってきた。まだ詳しい事は分かっていないが最後に奥田が見かけられたのがこの町の空港で奥田とその舎弟数人の姿が目撃されている。目的は不明。
聞いた話では、奥田は夏目財閥襲撃の後、うまい事逃げ切ったらしい。その時に創次郎さんの死体も発見されたそうだ。
その話を聞いて有紗は悲しみと同時に怒りもこみあげてきた。『いずれあいつに復讐してやる!!』と心の中に刻み込んで。
そして今日の朝、つまり俺と出会う直前の事である。学校に行く途中、誰かに見られている様な気がしたそうだ。そこでうまい事おびき出そうとした時にちょうど俺とぶつかり今に至る。
 ---彼女のここまでの経緯を聞いていて複雑な気持ちである。大切な家族を殺されて復讐しようとしている彼女に俺に何かしてあげられるだろうか?そんな事を思っていた。
「全く、なんでアンタなんかに話しちゃったんだろうね!?」
そう言うと有紗の目から涙が流れ落ちた。有紗の顔はどこか切なそうにしていた。俺はそんな有紗の顔に見とれてしまっていた。こう言うと失礼かも知れないが今の有紗がどことなく大人っぽいというか綺麗に見えた。
「あれ?なんだか急にアンタの顔がぼやけてきちゃった!」
そう言って涙を手で拭おうとしようとしていたので俺は何も言わずにハンカチをそっと有紗に渡した。
「んっ、ありがとう…」
有紗は俺からハンカチをとり涙を拭う。普段こんな事をしたことなかったけど、どうしても俺は有紗の事がほっとけなくなってしまっていた。
「なんか色々あったみたいだけども、もし困った事あったら俺も出来る限りの事なら手助けするからさそ、そのなんていうか…」
そこから言葉が詰まってしまった。流石にこれ以上先を言うのは気恥ずかしかった。それ以上言うかどうか迷っていると昼休みの終わりのチャイムが鳴ってしまった。
「あっ」
思わず声がこぼれてしまった。すると、涙を拭っていた有紗が、
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「ふふっ、ごめん、でもありがとう。話を聞いてくれただけで十分よ。なんだか話してたら少しだけ気持ちが楽になったわ。ホントにありがとう!」
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怒った顔も泣いた顔も良かったがやっぱり笑ってる顔が一番いいな。
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