俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第3章 #18「光りの救世主」

 「待って!」

 するとどこからか聞き覚えのある声が聞こえてきた。俺とイーリスちゃんは思わず辺りを見渡した。見渡すと俺の後ろにまた変な空間が出来ていた。だがイーリスちゃんのと違い白い光に包まれていた。

 「ようやく追いついた〜」

 その白い光の空間から梓が飛び出してきた。

 「??」

 「ちっ」

 更に理解が出来ずにいる俺に対しイーリスちゃんは分かりやすく舌打ちした。

 「お兄ちゃん、大丈夫!?」

 「お、おお」

 俺は開いた口が塞がらずマヌケた返事をした。その格好で来たのか?と一瞬思ったが俺の中ではそれどころではなかった。

 「ジャマしないで頂戴!そいつは殺さなくちゃいけない事ぐらいアンタだって分かってるはずでしょ?」

 「それは…」

 (?何の話してるんだ?)

 何やら訳ありのようだがこのままだと本当に俺が殺されかねない事だけは理解出来た。

 「そこを退かないというのならアンタごと殺るだけよ!」

 イーリスちゃんはそう言うと魔法の杖を三度みたび出してきた。

 「ダークネス・ハウンド!」

 イーリスちゃんが詠唱を唱えると魔法の杖から黒紫こくし色の球体が俺達に向かって飛んできた。

 「お兄ちゃん!私に掴まって!」

 「えっ?」

 「いいから早く!」

 訳が分からずにいたが俺は梓にかされとりあえず梓の腰に両手をまわした。

 「これでいいか?」

 「う、うん!それじゃあ、行くよ!」

 何故か顔を赤らめる梓。何かマズかったかな?

 「テレポーション!」

 梓はどこからか真っ青な石のようなものを取り出して呪文を唱えた。すると俺達の体が光りに包まれていった。段々と光りが強くなっていく度に視界がボヤけてきた。

 「うおっ!」

 初めての経験に驚く俺。何とも言えない不思議な感覚を味わった。

 「逃がさないわよ!」

 イーリスちゃんはそう言ったがそれよりも先に俺達の姿がボンヤリとしてきたかと思うと徐々に消えていった。俺達からは光りが強過ぎて何も見えなかったのだが…

 そして俺達の姿が消えると同時にイーリスちゃんが放った魔法は見事に空を切った。

 「ちっ、絶対に殺してやる!」

 そう言ってイーリスちゃんは目の前にまた変な空間を出しその空間へと入っていった。そしてそのまま彼女も姿を消したのだった。

 ---そして強烈な光りに包まれた俺達は気がつくと知らない路地裏に飛ばされていた。

 「ハア〜、助かった〜〜!」

 一気に体中の力が抜け梓から両手が離れそのまま地面についた。

 「ったく、何がどうなったんだよ!?」

 もうどっから整理したらいいのか分からなくなってきた。

 「大丈夫?お兄ちゃん!」

 「あ、ああ!頭がおかしくなりそうだけどな!」

 「それ大丈夫じゃないんじゃ…」

 俺の矛盾する発言にツッコむ梓。そう言えば梓も魔法のようなものを使っていたが、まさか梓もなのか?

 「おっ、いたいた!」

 「んん?」

 俺達の後ろから高い男の声が聞こえてきた。今度は何だろう?と思い後ろを振り返るとまた奇妙なものを目撃することになった。

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