俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第3章番外編 #3「契約者」

 「それをそこに当ててみ!」

 「うん!」

 私はバードさんに言われた通り緑色のオーラを纏った私の手をお兄ちゃんの体に触れるぐらいまで近づけました。

 「これでいい?」

 「ああ。後は少しの間この状態を維持してくれ」

 私はバードさんに言われその状態を維持しました。それを5分くらい維持していると、

 「あっ!」

 不思議な事にお兄ちゃんの体の傷がみるみる消えていきました。血が出ていた箇所も嘘のように消えていました。

 「スゴイ!」

 私は思わず思っていたことが口に出ていました。バードさんは私の驚く顔を見て自慢気な顔をして胸を大きく張りました。

 「どうだ!!これが魔法の力ってもんだ!」

 どこか嬉しそうに喋るバードさん。私も初めて魔法というものを目の当たりにして驚きと高揚感が高ぶっていました。

 「よかったー!」

 それと同時にお兄ちゃんを助けられてホッとしました。体の傷が完全に消えるのを確認すると手に纏っていた緑色のオーラはいつの間にか消えていました。

 「あ、いつの間に…」

 「あんまり出し過ぎると魔力切れを起こすから俺が強制的に止めさせたから」

 「魔力?」

 「今の魔法は君の体内に眠ってた魔力を俺が無理矢理引っ張り出してそれをさっきの回復魔法に変えたんだ」

 「私の体内に!?」

 バードさんの話に私は驚きが隠せませんでした。バードさんは話を続けました。

 「実はな人間にはみな生まれつき体内に魔力を宿しているんだ。だが人間はそんなことにも気づかず一切使われずに一生を終えるんだ」

 「それってなんか勿体無いね」

 「そう!だからこそ俺等、契約者コントラクターが創られたんだ!」

 「コントラクター?」

 そこから30分程バードさんから魔法のこととか魔法少女のこととか色んな事を教えて貰いました。

 「スゴ〜い!」

 話を聞いていて小さい頃の私は感動を受けました。いつも日曜の朝にやっている女の子向けアニメ見ていた私には興奮気味で聞いていました。アニメのような話が実在するなんて思ってもいませんでした。

 「だろう?」

 バードさんも胸を張りながら嬉しそうに話をしていました。

 「そうだ、面白い話があるんだけど」

 「え?何々?」

 私はバードさんの話に前のめりになって聞いていました。そんな中お兄ちゃんは体の傷は治ったもののまだ目は覚めてはいなかった。バードさん曰く怪我をした痛みから解放されたが体力的に疲れが溜まっており気絶した状態になっているそうです。話は変わり興奮気味で私はバードさんの話を聞こうとしました。

 「俺と契約して魔法少女にならないかい?」

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