俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第3章番外編 #2「初体験」

 「ことり…さん?」

 「ことりさんじゃなくてバードさんと呼んでくれ!」

 初めて鳥さんが喋るところを目撃して少し驚きはあったものの状況があまり飲み込めず私はただただ困惑しました。それを見据えていたのかバードさんから積極的に話かけてきた。

 「それにしてもそんな大泣きしてなんかあったのか?」

 「…うん、実はね…」

 私はお兄ちゃんの方を指差しバードさんに今起きた事を説明しました。その時の私は小鳥さんだろうとなんであろうと誰でもいいから助けて欲しかったんだと思います。気づくとバードさんのような喋る鳥さんをアッサリと受け入れていました。

 「ん〜なるほど!それは大変だなー」

 バードさんはそう言いながら首を小さく縦に何度も振りました。

 「どうしよう」

 私はまた泣きそうでたまりませんでした。助けを求めようにも周りには人や車は通っておらず家やお店も無く携帯も持っていない為連絡も取れない状況で私とバードさんではどうしようも出来そうにありませんでした。そんな時でした。

 「なら俺に任しとけ!」

 「え?」

 バードさんから驚くべき発言が飛び出ました。驚きのあまり流れ落ちそうになっていた私の涙が引いていくのを感じた。

 「でも誰も来ないし私だけじゃお兄ちゃんを運べないよ?」

 「運ぶ必要なんかないって。まあコッチ来てみ!」

 「う、うん」

 私はバードさんに言われた通りお兄ちゃんの方に向かって行った。お兄ちゃんの元に着くとバードさんは私の頭に乗っかって来ました。

 「一体どうするの?」

 「なあにちょっとお借りさせて貰うぜ!」

 「えっ?」

 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

 そう言うとバードさんはブツブツと何かを唱え始めました。

 「ッ!?」

 すると私の脳裏に何かが入ってくるのが感じました。アレは文字と言ったらいいのでしょうか?見た事のない文字列がズラッと流れてきました。だけど不思議な事に私はその流れてくる文字を解読することが出来ました。

 「さあ、手を前に出してごらん!」

 「…うん」

 私は言われた通り手を前に出しお兄ちゃんの体に拳1つ分ぐらいの間を空けました。

 「よし!それじゃあ今頭の中に流れている文字を読んでごらん!」

 「うん」

 私は頭の中に流れている文字を口に出しました。

 「!?」

 すると私の手から緑色に光るオーラのようなものが出てきました。

 「これは?」

 「これは体を回復させる魔法だよ!」

 「魔法!?」

 私はバードさんの言葉に耳を疑いました。でも確かにバードさんは「魔法だ!」と言っていました。これが私が初めて魔法を使った瞬間でした。

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