俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第3章番外編 #7「魔法の言葉」

 「梓かー。改めてよろしくな!」

 「あ、はい!」

 自己紹介を終え私とバードさんは強く握手(?)を交わしました。

 「そういえばあの時の返事ちゃんと聞いてなかったなー。あれから心境の変化はないか?」

 「え?んー…」

 正直この1年で色々あって心境の変化というか複雑な気持ちにはなっていました。

 「どうした?急に涙なんか流して」

 「え?」

 バードさんに言われるまで気がつきませんでしたが私の目から涙が溢れていました。1年を振り返ると色々と大変な事がありそれを思い返すと自然と涙が出ていました。

 「…バードさん、聞いてくれる?」

 「ん?どうした?」

 私はバードさんにあの後の事を全て話そうと決めました。きっとどこかでバードさんなら魔法か何かを使って解決してくれるんじゃないかと期待していたのかもしれません。

 「あのね実は、お母さんがいなくなっちゃったの」

 「いなくなった?夜逃げでもしたんか?」

 「ううん違うの!病気で死んじゃったの」

 「そうだったのか。なんかすまん!変な事言って」

 バードさんは気を使ってか私に謝罪の言葉を述べました。けど私は首を横に振り気にしてないという意思表示を示しました。

 「確かにお母さんが死んじゃった事はすっごく悲しかったけど今1番悲しいのはお兄ちゃんとお父さんのことなの」

 「お兄ちゃんとお父さん?どういうことだよ?」

 「元々2人共仲があんまり良くなくてお父さんはお仕事でほとんどお家にいないしお兄ちゃんは家からあんまり出なくなったし、でも私、今だからこそ2人には仲良くなって欲しいの!」

 「なるほど」

 「でも私はどうしたらいいか分かんなくて…」

 涙を溢しながら喋る私の話を時折相槌をうって真面目に聞いてくれるバードさん。

 「よーするに2人を仲直りする方法が分からなくて困ってるってところか?」

 バードさんの返事に私は頷いて返しました。

 「よし!なら俺に任しておけ!」

 「え?」

するとバードさんは自信満々にそう答えた。どこかで期待していた私でしたがその言葉に一瞬耳を疑いました。まさか本当にどうにかしてくれるなんて思わなかったからです。

 「どうするの?」

 「なあに俺の役目は最初から1つさ!」

 そう言ってバードさんは指差すかのように翼を私に向けた。

 「俺と契約して魔法少女になれ!そうすればお前の願いも叶えられるさ!」

 「え?どういうこと?」

 私はバードさんの言う意味がよく理解出来ず聞き返してみました。

 「俺と契約してくれればお前の願いを1つだけ叶えてやることが出来るのさ!」

 「本当!?」

 私は驚きが隠せず後になって恥ずかしいと思ってしまう程大声で反応してしまいました。しかし私にとってその言葉は魔法の言葉のように聞こえていました。

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