俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第4章 #30「担任教師は超能力者!?」

 ---「……ハイ?」

 俺と有紗は再び目を丸くした。今度のは衝撃というより呆気にとられていた。正直『何言ってんのこの人?』と思ってしまった。

 「私の一族は生まれながら特殊な体質持ちで物を浮かしたり人の心が読めたり、まあよく言われる超能力が使えるの」

 先生が真剣に説明してくれているが人の心を読めるのは超能力者じゃなくても使えるんだということを思わず有紗の方をチラ見して心の中でツッコンでしまっていた。

 「でも私今でも上手く制御とか出来なくってそこで身内の知人に制御出来るようになるコンタクトレンズを作ってもらったの」

 話が淡々と進んでいるが正直言うとこの手の話は聞き飽きたというか『またか』という落胆するような気分だった。

 ここ2、3ヶ月で何度こういう非日常的な目に遭っているだろうか?何度死にかけただろうか?

 確かに俺はマンガ・アニメのような非日常的な展開を期待してたさ。学園ハーレムものとか異世界転生ものとか。俺の現状をジャンルで学園ハーレムといったところだろうか。

 妹以外の女の子とろくに会話したことのない俺が美少女達と親しくなっているのたから間違ってはいないだろう。ただ俺の中の記憶を思い起こしてみるとなかなかにヒドいものだ。

 なぜなら俺は女の子と出会う度に死にそうな思いをしているのだ。アメとムチで表すならアメは女の子でムチは俺の寿命といったところか。なぜ女の子と出会う為に我が身を削らなければいけないのか。流石にそこまでモテたいなんて思っていないのだが。

 「佐藤君?聞いてます?」

 「え?あ、はい!?」

 そんなことを考えていると先生の声で我に返った。気づくと棒立ちで呆然と立ち尽くしていた。声をかけられ思わずビクついてしまった。ここが教室なら後ろの方からクスクス笑われているだろうが今は俺を含め3人しかいない。

 「もー、人が真剣な話をしてるんだからちゃんと聞きなさい!」

 「はい、すいません」

 先生は怒った顔で説教してきたがその怒った顔があんまり怖くないというかクスッと笑ってしまいたくなるほど愛くるしかった為、あんまり苦には感じなかった。

 「先生、それで続きは?」

 「えっ!?あっ、ごめんなさい。そうですね。話を戻しますね」

 先生の説教がなかば終わると有紗が割って入ってくるように話の続きをうながした。先生は有紗に促され咳払いを一つすると話を戻した。

 「それで私はそのコンタクトレンズを付けることで私は制御することが出来ました。ですが今そのコンタクトレンズの片方が無くなってるんです!」

 なるほど。何となく今回の件分かってきたぞ。本来制御する役目を果たしているコンタクトレンズを失くして制御が利かず暴発した超能力により何海かも分からないような場所に車ごと飛ばされて現在に至るわけか。

 つまり、現在進行形でピンチを迎えているということか。

 なるほどなるほど………誰か助けてください(泣)

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