俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第4章 #35「年下の女の子に舐められている」

 ---「…ん?」

 意識が戻る度に嫌な気持ちになるのは何故だろうか?こうなるぐらいならいっそのこと記憶を消して欲しいものだ。っていうかなんか頭に血が上って気分が悪いのだが。

 「ようやく起きたようね」

 「…ああ?」

 気分が悪過ぎて態度の悪い返事を返す。イヤ、気分が悪くなくてもこの状況は許し難しことだ。なぜなら俺は今、逆さに吊るされているのだから。

 「さて、何から聞いた方がいいかしら?」

 「それよりも下ろしてくれねーか?今喋れる気分じゃねーんだ」

 「あらそう。はい」

 「ぐぶぅ!?」

 俺の要求に飲んでくれたイーリスちゃんだが下ろし方があまりにも雑過ぎる。魔法で俺を吊るしていた縄を解いただけ。そして解放された俺はそのまま頭から床に落下。下手したら首折れて死ぬとこだったぞ!?

 「さあ下ろしたわよ。それじゃあ話して貰おうかしら?」

 さっきまで気を失ってた人に急に話せとは何と横暴な子だこと。

 「その前にこっちも聞きたい事あるんだけ…」

 俺も聞きたいことは山ほどある。なぜ2人がここに居るのか?ここはどこなのか?しかし俺が質問しようとした瞬間、イーリスちゃんの指先から雷のようなものが俺目掛けて飛んで来た。

 「まずは私が聞いてるの?記憶が曖昧になってきているのならショック療法で記憶を蘇らせてあげるけど?」

 「…いえ、大丈夫です…」

 飛んで来た雷魔法は俺の耳を掠めながら後ろの壁に命中した。破壊の衝撃音が鳴ると破壊された壁の破片が俺の後頭部や背中に軽く当たった。痛くはないが身と心が縮こまったよ。

 「あらそう。じゃあどうやってこの場所に来たのか説明して貰おうかしら?」

 ---それから一方的な尋問を受けながら俺は正直に答え事情を説明していった。

 「超能力者なんて馬鹿馬鹿しい話しね」

 「俺からしたら魔女の方が馬鹿馬鹿しい話しに聞こえるけどな」

 俺は皮肉っぽく言ってみるがイーリスちゃんはふんと鼻を鳴らしてそっぽを向くだけだった。

 「…超能力ね…」

 「?」

 だがそっぽを向いていたイーリスちゃんはアゴを触りながら何やら考え込み始めた。どうしたというのだろうか?

 「っていうか、こっちは全部話したんだから今度はこっちも聞きたいことがあるだけど?」

 それよりもこっちだけしか事情を説明していないのはおかしな話だ。そう思い俺はイーリスちゃんから話しを聞こうとした。

 「そんな約束した覚えがあったかしら?」

 何と理不尽な返しだ。せめてここがどこなのかぐらいの情報は貰わなければ割りに合わない。イヤ、いっそのことそちらも全部説明して欲しいものだ。

 「ここはどこなんだ?そもそも何で2人がここに居るんだ?」

 「人の話聞いてたかしら?…仕方ないわね。その質問にだけなら答えてあげる」

 年下の女の子にここまで舐められるとか情けないな俺。イーリスちゃんは相当俺のことが嫌いなようだ。まあ上から目線ではあるが質問には答えてくれるようなのでいきどおりのないこの気持ちをおしとどめておくとするか。

 「この島は、私の家よ」

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