俺の高校生活に平和な日常を
第4章番外編 #13「イーリスと梓 -出会い編-」
 「………」
 魔法喰は確かに私の首めがけて振り下ろされた。しかし斬れたのは私の首ではなく地面だけだった。
 「…往生際が悪いぜイーリス」
 それもそのはず。私はすでにそこにはおらずミシェーラの後ろにいるのだから。
 やられる寸前、瞬間移動魔法を使ってギリギリ回避していたからだ。
 「…ヒール・プロテクト」
 そして私は続けざまに回復魔法を使い回復を試みる。幸い、一部の骨が損傷していただけで数秒で全回復できた。もう少しヒドければ回復するのにさらに時間を要しただろう。
 「せっかくお別れの挨拶したのにさ。今のは普通、アンタが死んだ後に私が色々思い出して号泣するっていうオチだろう?空気読めって」
 「空気読んで殺されるなんて死んでもごめんだわ」
 ミシェーラが残念そうに言うと私は皮肉混じりに言い返した。そうだ。こんなところで死ねるものか。
 だが決して事態が好転したわけではない。あの魔剣がある限り私に勝機が見えてこない。
 「はあ…はあ…」
 呼吸を整え考える。アイツに勝つ方法を。だって負けられないのだから。
 「…そうよ。負けるわけにはいかないのよ」
 「?」
 考える最中、私の脳裏に色んな記憶が蘇ってきた。ママとの楽しかった日々、ママが死んだ日、強い魔力を辿ってあちこちと中学を転入と転校を繰り返した時期、そしてあの子と初めて会った日。
 あの子と会ったのはつい最近のこと、3年の春に今の中学に入ってたまたま同じクラスになったのだ。
 その時の私はただ強くなりたくて魔法少女だろうがなんだろうが叩きのめしたかった。要は憂さ晴らしよ。そんな尖っていた私にあの子が声をかけてきた。無論、あの子が魔法少女だってことは魔力を感じてすぐに分かっていたけど。
 「はじめまして!私佐藤梓、よろしくねイーリスちゃん!」
 あの子はフレンドリーに私に話しかけてきた。その時、あの子の顔とミシェーラの顔が重なった気がした。私はもう二度とあんな悲劇を起こさないようにと心に決意し冷たく接した。
 しかしあの子はめげずに私に話しかけてくるものだから一度はっきりさせようと2人っきりで話をした。
 「あなた、私の存在に気づいてるんでしょう?」
 「えっ?うん。なんとなくだけど…」
 はぐらかせる可能性もあったが思いのほか素直な返答だった。
 「ほら、言っただろう!あっちも気づいてる筈だって!」
 するといつのまにかあの子の肩に青い小鳥が乗っかっており呆れたような口調で人語を喋べり始めた。確かアレは契約者とかなんとか呼ばれていたような…
 「仕方ない。今ここで倒すぞ梓!」
 「いや、私そんなつもりないんだけど…」
 「ナニー?!もうお互い素性はバレてんだ!バレたからには戦うしかねーだろ!?」
 「そんなこと言われても…」
 しかしお互い意見が食い違っているようで小鳥の方は好戦的だがあの子はその真逆のようだ。
 だからといって油断はしなかった。どういう経緯であの子が魔法少女になったかは知らないが敵であることに変わりない。
 しかしあの子達の意見はさっきから一致せず口論だけが続いている。というより小鳥の方があの子を説得しているだけに見えるけど。
 「はあ、一度だけ警告しておくわ。これ以上私に付きまとわない方が身の為よ。それじゃ」
 「えっ?」「はぁっ?」
 あの子達の変化のない口論を聞いていて段々興が冷めてきた。だから今回は警告だけして見逃すことにして立ち去ろうとした。
 「まっ、待ってイーリスちゃん!?」
 「?」
 そんな時、あの子は慌てて私を引き止めてきた。やっと覚悟が決まったのかしら?
 「今度、私のお家に来ない?!」
 「…はぁっ?」
 覚悟が決まったと思いきや何を言っているのかしら?さっき付きまとうなと言ったばかりなのに。
 「私、イーリスちゃんとお友達になりたいの!だから今度の休み、私のお家でいっぱいお喋りしていっぱい遊ぼ?!」
 「………」
 やはりあの子を見ているとあの頃のミシェーラを彷彿とさせる。騙されてはいけない。
 「ええ。分かったわ」
 「ッ!?本当?!」
 だが私はあの子の誘いに敢えて乗ることにした。あの子の本性を見てやろうと思い立ったのだ。最悪、あの子を始末してやろうとさえ考えていた。
 こうして私は敢えて口車に乗ったということであの子の家に出向くこととなったのだった。
 魔法喰は確かに私の首めがけて振り下ろされた。しかし斬れたのは私の首ではなく地面だけだった。
 「…往生際が悪いぜイーリス」
 それもそのはず。私はすでにそこにはおらずミシェーラの後ろにいるのだから。
 やられる寸前、瞬間移動魔法を使ってギリギリ回避していたからだ。
 「…ヒール・プロテクト」
 そして私は続けざまに回復魔法を使い回復を試みる。幸い、一部の骨が損傷していただけで数秒で全回復できた。もう少しヒドければ回復するのにさらに時間を要しただろう。
 「せっかくお別れの挨拶したのにさ。今のは普通、アンタが死んだ後に私が色々思い出して号泣するっていうオチだろう?空気読めって」
 「空気読んで殺されるなんて死んでもごめんだわ」
 ミシェーラが残念そうに言うと私は皮肉混じりに言い返した。そうだ。こんなところで死ねるものか。
 だが決して事態が好転したわけではない。あの魔剣がある限り私に勝機が見えてこない。
 「はあ…はあ…」
 呼吸を整え考える。アイツに勝つ方法を。だって負けられないのだから。
 「…そうよ。負けるわけにはいかないのよ」
 「?」
 考える最中、私の脳裏に色んな記憶が蘇ってきた。ママとの楽しかった日々、ママが死んだ日、強い魔力を辿ってあちこちと中学を転入と転校を繰り返した時期、そしてあの子と初めて会った日。
 あの子と会ったのはつい最近のこと、3年の春に今の中学に入ってたまたま同じクラスになったのだ。
 その時の私はただ強くなりたくて魔法少女だろうがなんだろうが叩きのめしたかった。要は憂さ晴らしよ。そんな尖っていた私にあの子が声をかけてきた。無論、あの子が魔法少女だってことは魔力を感じてすぐに分かっていたけど。
 「はじめまして!私佐藤梓、よろしくねイーリスちゃん!」
 あの子はフレンドリーに私に話しかけてきた。その時、あの子の顔とミシェーラの顔が重なった気がした。私はもう二度とあんな悲劇を起こさないようにと心に決意し冷たく接した。
 しかしあの子はめげずに私に話しかけてくるものだから一度はっきりさせようと2人っきりで話をした。
 「あなた、私の存在に気づいてるんでしょう?」
 「えっ?うん。なんとなくだけど…」
 はぐらかせる可能性もあったが思いのほか素直な返答だった。
 「ほら、言っただろう!あっちも気づいてる筈だって!」
 するといつのまにかあの子の肩に青い小鳥が乗っかっており呆れたような口調で人語を喋べり始めた。確かアレは契約者とかなんとか呼ばれていたような…
 「仕方ない。今ここで倒すぞ梓!」
 「いや、私そんなつもりないんだけど…」
 「ナニー?!もうお互い素性はバレてんだ!バレたからには戦うしかねーだろ!?」
 「そんなこと言われても…」
 しかしお互い意見が食い違っているようで小鳥の方は好戦的だがあの子はその真逆のようだ。
 だからといって油断はしなかった。どういう経緯であの子が魔法少女になったかは知らないが敵であることに変わりない。
 しかしあの子達の意見はさっきから一致せず口論だけが続いている。というより小鳥の方があの子を説得しているだけに見えるけど。
 「はあ、一度だけ警告しておくわ。これ以上私に付きまとわない方が身の為よ。それじゃ」
 「えっ?」「はぁっ?」
 あの子達の変化のない口論を聞いていて段々興が冷めてきた。だから今回は警告だけして見逃すことにして立ち去ろうとした。
 「まっ、待ってイーリスちゃん!?」
 「?」
 そんな時、あの子は慌てて私を引き止めてきた。やっと覚悟が決まったのかしら?
 「今度、私のお家に来ない?!」
 「…はぁっ?」
 覚悟が決まったと思いきや何を言っているのかしら?さっき付きまとうなと言ったばかりなのに。
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