転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~

夜州

閑話3 カインの大冒険

 まだグラシア領にカインがいた時のことだ。

 カインは家庭教師がない日に部屋は本を読んでいる日が多かった。
 この前二匹倒しただけでレベル8まで上がり、力強くなった感じがした。
 一人で外には出させてもらえないので、カインは部屋で悩んでいた。

「そうだ! すぐに戻ってこれれば森にも行けるかもしれない」

 その一言で、長距離瞬間移動ロングワープ短距離瞬間移動ショートワープが出来上がったのだ。

 部屋で装備を整えて魔法を唱える。
長距離瞬間移動ロングワープ
 視界は一瞬で変わり、いつもミリィとニーナに訓練をつけてもらった城壁外の草むらにカインは立っていた。

「これで森まではすぐに近くだな」

 カインは剣を構えて、探査サーチを唱える。
 周りに魔力が薄く広く広がっていく。人とは大幅に違う魔力量を持っているおかげなのか一キロ程度まで把握できるようになった。

 そのまま森に入っていく。
 魔物の森は、魔素が濃いため、普通の森に比べると魔物の数も多いし、強いのが多い。
 だからこそグラシア領には冒険者が多くいて賑わっているのだ。冒険者が狩ってきた獲物が流通し王都へと流れていくからだ。

「おっ。反応が……。北の方向か、数はかなりいるな」

 反応があった方向へカインは向かっていく。向かった先はゴブリンの集落だった。
 数は覗いてみたら五十程度集まっていた。革鎧を着て剣を持っている上位種もいた。

 剣に魔力を流す。そして一気に駆け抜けていく。剣を一閃するごとにゴブリンの頭が体から別れていく。中央の大きな建物付近にいる上位種が気づいたようで剣をこちらに向けてくる。
 ゴブリンは大きく振りかぶった剣を振ってくる。体術を駆使し一瞬で体を横にずらし剣を躱す、そしてそのまま剣を振り切る。ゴブリンの右腕が体から離れていく。

「グモォォォォォォォ!」

 叫んで右腕を抑えた瞬間にゴブリンの首を切り離す。
 そのあとも向かってくるゴブリンを切り裂いていく。無我夢中で剣を振り、気がついた時には集落のゴブリンは全滅していた。
 全滅したゴブリンの死体の山を見て少し具合が悪くなった。ゴブリンは子供くらいの人型の魔物なのだ。さすがに内蔵が飛び散っている状態を見ていると吐き気を催す。

気分鎮静化リラックス

 カインは自分に魔法をかけて落ち着きを取り戻す。

「ふぅ。ゴブリンなら特に問題はないか」

 血塗られた剣を振り、血を落としてから鞘に戻す。小さな剣を取り出し、胸から魔石を取り出す。魔物には魔石が胸に埋め込まれている。魔物の強さによって魔石の大きさが違うのだ。ゴブリンの魔石は小指の爪ほどの大きさだ。集めた魔石はそのままアイテムボックスに入れる。
 土魔法で穴を開け、そこにゴブリンを入れてから魔法で燃やした。

「これなら、まだいけるな。もうちょっと奥へ行こう」

 そう言ってカインはさらに奥に進む。

 そのあともオークやオーガの群れを殲滅しながら進んでいく。
 戦う度にカインは力がみなぎるのを感じている。

 森の奥へ進んでいくと、大きな魔力の塊を感じることができた。

「今までとは違った魔力だな。ちょっと見にいこうか」

 大きな魔力に向かって歩きを進めていく。
 そこにいたのは翼のない地竜だった。

「おぉ。ドラゴンだ。翼がないから地竜かぁ~」

 短距離瞬間移動ショートワープを使い一瞬で地竜の上に立つ。そのまま魔力を込めた剣で首を一閃した。

「やっぱり短距離瞬間移動ショートワープ便利だよな。一瞬で隙をつくれるのが大きい」

 カインは首のない地竜をそのままアイテムボックスに入れて、さらに森の奥に進んでいった。
 奥にいくと、岩山がありそこの一部に洞窟があった。周りは木が枯れており暴れたような感じに見える。 
 探査サーチを使い内部の確認をする。
 奥にはかなり強い魔力の反応があった。

「お、奥に何かいるな。さっきの地竜より強そうだ」

 光球ライトを唱え、洞窟の奥へ進んでいく。洞窟の中は何かわからない骨が散らばっており、ここの住民が食い荒らしたような感じだった。
 魔力を感じながら奥へと進む。強い魔物がいるようで他の魔物は何もいない。
 光を頼りに進んでいくと大きな広場に出た。

 そしていた。

 全身が赤く、翼を畳んでいる状態でも八メートル近い大きさだ。
 まさにドラゴンがそこにいたのだ。
 ドラゴンはすぐにカインのほうを見つめた。獲物を見つけた時の鋭い目をする。
 長い首を持ち上げた途端、口を開き圧縮された火球が飛んでくる。

「あぶねっ」

 カインはとっさに躱して、剣を構える。そして一気に短距離瞬間移動ショートワープで詰め寄り剣で首を一閃する。

「やっぱり短距離瞬間移動ショートワープと魔力を込めた剣のコンボ最強だな」

 首がなくなったドラゴンはそのまま倒れる。切り離した首と本体をアイテムボックスに入れ部屋を調べてみる。ドラゴンがいた場所の奥に通路があったのでそこを注意深く進んでいく。
 奥には色とりどりの金銀財宝が置いてあった。

「ドラゴンが光り物が好きとよく言うけど、ほんとだったんだな。僕の将来のためにありがたくもらっていきます」

 そうしてそこにある財宝はカインのアイテムボックスに仕舞われていった。
 ドラゴンがいた洞窟を出ると、日は傾きはじめていた。

「やばい。外に出かけたことがバレる前に帰らないと」

 長距離瞬間移動ロングワープを唱え、一瞬で自分の部屋に戻る。
 鎧を脱いで普段着に着替える。同時に生活魔法を唱えて身体を綺麗にする。

「これでもう平気かな~。それにしても今日は魔物をいっぱい倒せたからレベル上がってるかな。前見たときは8だったよな『ステータス』」

『ステータス』
 【名前】カイン・フォン・シルフォード
 【種族】人間族 【性別】男性 【年齢】五歳
 【称号】伯爵家三男 転生者 神の使徒 魔物の森の天敵 竜殺し
 【レベル】248
 【体力】3,692,240/3,692,240
 【魔力】82,639,240/82,639,240
 【能力】SSS
  ー筋力 SSS
  ー体力 SSS
  ー知力 SSS
  ー敏速 SSS
  ー魔法行使力 SSS

 【魔法】
  創造魔法Lv.10
  火魔法Lv.10
  風魔法Lv.10
  水魔法Lv.10
  土魔法Lv.10
  光魔法Lv.10
  闇魔法Lv.10
  時空魔法Lv.10
  生活魔法
  複合魔法

 【スキル】
  鑑定Lv.10
  アイテムボックスLv.10
  武術Lv.10
  体術Lv.10
  物理耐性Lv.10
  魔法耐性Lv.10

 【加護】
  創造神の加護Lv.10
  生命神の加護Lv.10
  魔法神の加護Lv.10
  大地神の加護Lv.10
  武神の加護Lv.10
  技能神の加護Lv.10
  商業神の加護Lv.10


「……」

「やりすぎたかもしれない。ますます見せられないステータスになったよ!」

 すこし後悔したカインであった。



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コメント

  • にせまんじゅう

    確かまだ陛下とかと会って無い時じゃ

    0
  • 病原菌

    昔の話だからだよ

    3
  • べりあすた

    レベル下がってね?
    前話は298だったよな?

    1
  • ノベルバユーザー210567

    魔力は満タンではないのでは?

    3
  • 蟾蜍

    部屋は本を読んでいる⁉︎

    3
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