引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―

魔法少女どま子

引きこもりの力を見せてみな

 ーー待ち伏せ、されてたんだ……

 ロニンは思わず下唇を噛んだ。

 相手とて馬鹿ではない。
 ロニン達の策などお見通しで、その上で対策を練ってきたに違いあるまい。

 さっと三体の敵を見回す。

 全員が魔術師のようだ。

 しかも同じような格好をしている。
 全身に大柄のローブをまとっており、顔がまったく見えない。首から骸骨を模したペンダントをかけているのも、三体共通だ。 
 異なる点があるとすれば、ローブの色か。
 それぞれ、赤、緑、黒とローブの色が分かれている。

 長い長い沈黙を、赤ローブが破った。

「ロニン殿。あなたを手にかけるのは心が痛むが……これも世の定め。世論は確実にセルス様に傾いておられます」

「セルス……」

 シュンがオウム返しに呟いた。

 セルス。
 ロニンと敵対する、もうひとりの後継者の名だ。ロニンとしては二度と聞きたくない言葉だったが。

 黙りこくるロニンに、今度は緑ローブが言った。

「しかし、ロニン殿。これはどういうことですかな。そこにいるのは人間か」

「そうだ。なにか問題あっかよ」

 あくまで毅然と答えるシュン。そこに恐怖のようすなど微塵もない。

「おお……魔王様のお子ともあろう方が、よもや人間などと手を組むとは! ロニン殿。これで心おきなくあなたを葬れるというものだ!」

 その発言を皮切りに。
 三体の四天王が、さっと両手を突き出してきた。魔法を使用する構えである。

 その迫力、気迫。
 さすがは四天王というべきか。

 一般のモンスターとはもはや比べ物にならない。

「ふう……めんどくせぇなあもう」

 事ここに至っても、シュンはかったるそうに後頭部をかくと。
 あろうことか、ロニンを四天王の前に立たせた。

「え……えっ!?」

 さすがにびっくりし、素っ頓狂な声をあげるロニン。二人で戦うんじゃなかったのか。

「おまえひとりで戦ってみな。こいつらごとき、おまえなら簡単に倒せる」

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