引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―
ハーレム国づくり
翌朝。
孤児院。
シュンはセレスティアとともに、王都に出かける準備をしていた。出かけるといっても、ただ《ワープ》で行き来するだけなのだが。
「おい、これでいいのか?」
シュンは自身の服装を見回しながら、皇女に問いかけた。
黒スーツに紫のネクタイ。胸元に赤い花が添えられている。生まれてこの方、ここまで洒落た服など着たことがない。学園の制服も大概動きづらかったが、このスーツはそれどころではない。
「なあ。めんどくせぇから寝間着で行ったらダメかね?」
「いいわけないでしょ! 友達に会いにいくわけじゃないんだか……」
言いながら、セレスティアが振り向いてくる。そしてシュンの正装を見るなり、なぜか黙り込んでしまった。口をぱくぱくさせている。
「……おい、どうしたよ」
「いや、あの、その」
目を逸らしながらツンと顔を背ける皇女。
「まあ、似合ってなくもないんじゃない? 及第点よ」
「あーはいはい、そうですか」
軽く受け流しながら、シュンも皇女の格好を眺める。
さすがというべきか、セレスティアの正装はさまになっていた。
純白のドレスの、腰のあたりに蝶々を模した黒い柄がある。彼女のスタイルの良さも相俟ってかなりの見栄えのよさだ。まるで人形でも眺めているような。
願わくは、もう少し胸が大きければーーと思わなくもないが、これはこれで悪くない。
……っと、妻子持ちなのになに考えてんだ俺は。
シュンはぶんぶん首を振ると、気分を切り替えて、両拳をがつんと打ち合わせた。
「うし! 行くか!」
「……でもさ、あの」
「ん?」
「何気に二人で出歩くの初めてだなーと思って」
「確かにな。で、それが?」
「な、なんでもありません!」
セレスティアは怒ったように、ぷくーっと頬を膨らませる。
すると。
シュンたちのそばで、突如、幾何学模様が発生した。
「きゃっ」
可愛らしい悲鳴をあげるセレスティア。
シュンとセレスティアが目を細める間もなく、ロニンがその姿を現した。
「お、おいロニン、なんでおまえがここに……!」
目を見開くシュン。
「人間の王に会いにいくんでしょ? そこはシュンさんの『妻』として、私も行かなきゃいけないと思って」
なぜか妻の部分をやたら強調するロニン。
「だ、だが、体調は……?」
「一日寝たら元気になったし。トルフィンにはまだ会えないし。……あと、妙な予感がしたし」
「妙な予感だって?」
「なんでもありませんっ」
二人の女性が頬を膨らませるので、シュンにはもう、わけがわからなかった。
孤児院。
シュンはセレスティアとともに、王都に出かける準備をしていた。出かけるといっても、ただ《ワープ》で行き来するだけなのだが。
「おい、これでいいのか?」
シュンは自身の服装を見回しながら、皇女に問いかけた。
黒スーツに紫のネクタイ。胸元に赤い花が添えられている。生まれてこの方、ここまで洒落た服など着たことがない。学園の制服も大概動きづらかったが、このスーツはそれどころではない。
「なあ。めんどくせぇから寝間着で行ったらダメかね?」
「いいわけないでしょ! 友達に会いにいくわけじゃないんだか……」
言いながら、セレスティアが振り向いてくる。そしてシュンの正装を見るなり、なぜか黙り込んでしまった。口をぱくぱくさせている。
「……おい、どうしたよ」
「いや、あの、その」
目を逸らしながらツンと顔を背ける皇女。
「まあ、似合ってなくもないんじゃない? 及第点よ」
「あーはいはい、そうですか」
軽く受け流しながら、シュンも皇女の格好を眺める。
さすがというべきか、セレスティアの正装はさまになっていた。
純白のドレスの、腰のあたりに蝶々を模した黒い柄がある。彼女のスタイルの良さも相俟ってかなりの見栄えのよさだ。まるで人形でも眺めているような。
願わくは、もう少し胸が大きければーーと思わなくもないが、これはこれで悪くない。
……っと、妻子持ちなのになに考えてんだ俺は。
シュンはぶんぶん首を振ると、気分を切り替えて、両拳をがつんと打ち合わせた。
「うし! 行くか!」
「……でもさ、あの」
「ん?」
「何気に二人で出歩くの初めてだなーと思って」
「確かにな。で、それが?」
「な、なんでもありません!」
セレスティアは怒ったように、ぷくーっと頬を膨らませる。
すると。
シュンたちのそばで、突如、幾何学模様が発生した。
「きゃっ」
可愛らしい悲鳴をあげるセレスティア。
シュンとセレスティアが目を細める間もなく、ロニンがその姿を現した。
「お、おいロニン、なんでおまえがここに……!」
目を見開くシュン。
「人間の王に会いにいくんでしょ? そこはシュンさんの『妻』として、私も行かなきゃいけないと思って」
なぜか妻の部分をやたら強調するロニン。
「だ、だが、体調は……?」
「一日寝たら元気になったし。トルフィンにはまだ会えないし。……あと、妙な予感がしたし」
「妙な予感だって?」
「なんでもありませんっ」
二人の女性が頬を膨らませるので、シュンにはもう、わけがわからなかった。
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