引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―
作られた世界?
ゲーム。
もはやそうとしか言いようがない。
そもそも、攻撃力や防御力など、そう単純に数値化できるものではないはずだ。人間、調子の良いときもあれば悪いときもある。(モンスターはどうか知らないが)
そんな人間の単純な生理を、このステータスというシステムは完全に無視する。まさにゲームでしかありえない、作られた世界。
不思議に思わないのだろうか。この世界の住人は。
国王シュンも、そして人界の王セレスティアも、このことに疑問を抱いている様子はなかった。この世界に生まれ育った者にとっては、ステータスとはまさに当然の産物ということか。
違和感がある。なにもかもに。
「はい。このお話で、なにかわからないことがある人ー?」
レイアが笑顔で生徒たちに語りかける。
はい、はい! と生徒たちが次々と手を挙げていく。レイアはうちひとりを指名した。
「剣士になるにはどうしたらいいですか!」
「んー、そうね。いっぱい戦って、いっぱい人を守ること! だから強くならなくちゃ駄目よ?」
「はーい!」
「次、なにか質問ある人ー」
「あ、あの、お姫様になりたいんですけど、ど、どうしたらいいですか?」
「簡単ね。王子様と結婚すればいいの。たとえば、トルフィンくんとかね」
――おいおい。
レイアが余計なことを言ってくれたおかげで、クラスの女子たちが一斉にトルフィンに視線を向けた。そのうち数名、ガチでトルフィンを狙っている目をしている。
隣のリュアが、萎縮したように身を縮ませた。
「は、はうぅ。トルフィンくん、モテモテ……」
「ちっげーよ。これのどこがモテモテだ」
トルフィンはため息をつくと、静かに手を挙げた。
「はいトルフィンくん、質問どうぞ!」
「はい。なぜそのような《ステータス》というシステムがあるのですか?」
「えっ……」
予想外の質問にレイアは目を丸くする。さっきまで騒がしかった教室も一瞬で静かになった。
だがレイアとて一流の教師、不意打ちにもしっかりと返答する。
「一説には、神様がそうとわかりやすいように作られたと語られています。ですがまだ研究が途上なため、真相は未解明です」
「つまりわからないと。……誰も答えに行き着いていない。そういうことですね?」
「ええ。ごめん、ちょっと難しい言葉を使っちゃったかしら」
「とんでもありません。よくわかりましたよ」
「……驚いたわ。さすがはシュン様のご子息」
「へ?」
「な、なんでもありません。さあ、授業を続けますよ」
もはやそうとしか言いようがない。
そもそも、攻撃力や防御力など、そう単純に数値化できるものではないはずだ。人間、調子の良いときもあれば悪いときもある。(モンスターはどうか知らないが)
そんな人間の単純な生理を、このステータスというシステムは完全に無視する。まさにゲームでしかありえない、作られた世界。
不思議に思わないのだろうか。この世界の住人は。
国王シュンも、そして人界の王セレスティアも、このことに疑問を抱いている様子はなかった。この世界に生まれ育った者にとっては、ステータスとはまさに当然の産物ということか。
違和感がある。なにもかもに。
「はい。このお話で、なにかわからないことがある人ー?」
レイアが笑顔で生徒たちに語りかける。
はい、はい! と生徒たちが次々と手を挙げていく。レイアはうちひとりを指名した。
「剣士になるにはどうしたらいいですか!」
「んー、そうね。いっぱい戦って、いっぱい人を守ること! だから強くならなくちゃ駄目よ?」
「はーい!」
「次、なにか質問ある人ー」
「あ、あの、お姫様になりたいんですけど、ど、どうしたらいいですか?」
「簡単ね。王子様と結婚すればいいの。たとえば、トルフィンくんとかね」
――おいおい。
レイアが余計なことを言ってくれたおかげで、クラスの女子たちが一斉にトルフィンに視線を向けた。そのうち数名、ガチでトルフィンを狙っている目をしている。
隣のリュアが、萎縮したように身を縮ませた。
「は、はうぅ。トルフィンくん、モテモテ……」
「ちっげーよ。これのどこがモテモテだ」
トルフィンはため息をつくと、静かに手を挙げた。
「はいトルフィンくん、質問どうぞ!」
「はい。なぜそのような《ステータス》というシステムがあるのですか?」
「えっ……」
予想外の質問にレイアは目を丸くする。さっきまで騒がしかった教室も一瞬で静かになった。
だがレイアとて一流の教師、不意打ちにもしっかりと返答する。
「一説には、神様がそうとわかりやすいように作られたと語られています。ですがまだ研究が途上なため、真相は未解明です」
「つまりわからないと。……誰も答えに行き着いていない。そういうことですね?」
「ええ。ごめん、ちょっと難しい言葉を使っちゃったかしら」
「とんでもありません。よくわかりましたよ」
「……驚いたわ。さすがはシュン様のご子息」
「へ?」
「な、なんでもありません。さあ、授業を続けますよ」
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