引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―
二人ではぁはぁ(他意はない)
レイアは良い先生だった。
教え方がうまい。
女王セレスティアが王都から凄腕教師を探し回ったのだから、それも当たり前か。トルフィンはちょっとだけ彼女を見直していた。
しかも美人だし、おっぱいもでかい。好きな人はほんと好きだろうな。こういう人。
「ほら、ちゃんと魔力の流れを感じて! 余計なことを考えちゃ駄目よ!」
「は、はい!」
腰に手を当て、おっぱいを揺らしながら声を張るレイア先生。
レイアが言うには、魔力――すなわちMPは身体中にずっと滞在しているものらしい。それを必要なエネルギー量だけ《取り出して》、外部に放出する。これが魔法の仕組みらしい。
のだが、どうにもうまくいかない。体内の魔力をどうにも動かしづらいのだ。
わかりやすく言えば、体内の血液を意図的に動かせと言われているようなもんだ。無理である。
奇跡的に成功したとしても、ドピュと弱々しく水が出るだけ。実戦にはとても使えない。
前世には魔法なんてなかったからな。こればかりは《転生者》というアドバンテージは効かない。
そうこうしている間にも、剣を持ったリュアが走り寄ってくる。トルフィンは魔法の修行を受けながらも、リュアに剣の稽古もしているのだ。
同時に稽古。
効率が悪いんじゃないかと思ったが、レイアはこれでいいと言う。
どの道、実戦では動きまわる敵と戦わなければならないのだ。いま魔法を使いこなせなければ、大会では使い物にならない。じっくり丁寧に教わっている時間はないのだ。
――剣と魔法の両刀。
シュンやロニンはこれを当たり前のようにやっているのだ。
こればっかりは素直に尊敬する。彼らが強者として称えられる理由がよくわかった。
「うおりゃ!」
トルフィンがやっとこさ発した炎の放射を、
「えいっ」
リュアは軽々と避ける。
大きさもスピードもてんでなっていない。だから避けられた。
「せいやぁぁぁぁぁあ!」
そのまま、リュアは容赦なく剣を振り払ってくる。間一髪、トルフィンは刀身でそれを受けきった。ガキン、と金属のぶつかり合う音が周囲に響きわたる。
「おまえは素直だな。攻撃の軌道が丸見えだぜ」
「む、むぅ……! そ、そんなことないもん!」
なおもリュアは剣戟を浴びせてくるが、トルフィンは赤子の手をひねるようにすべて防いだ。
はぁはぁと息切れしながら、リュアは半笑いを浮かべた。
「ト、トルフィンくん、強い……!」
「そ、そんなこたぁ、ね、ねぇよ……」
対するトルフィンも呼吸が苦しい。剣と魔法を同時に使うのは、いまのトルフィンにはかなりの集中力を要する。
二人ではぁはぁ言っていると、拍手しながらレイアが歩み寄ってきた。
「すごいねトルフィンくん。初日でよく炎の放射なんて出せたよ」
「す、すごいんですかこれ……」
「うんうん。君、やっぱり才能あるかもね。あんなに魔法を使っても、MPは切れないみたいだし」
そりゃ、《引きこもり》のおかげでステータスだけは恵まれているからな。
教え方がうまい。
女王セレスティアが王都から凄腕教師を探し回ったのだから、それも当たり前か。トルフィンはちょっとだけ彼女を見直していた。
しかも美人だし、おっぱいもでかい。好きな人はほんと好きだろうな。こういう人。
「ほら、ちゃんと魔力の流れを感じて! 余計なことを考えちゃ駄目よ!」
「は、はい!」
腰に手を当て、おっぱいを揺らしながら声を張るレイア先生。
レイアが言うには、魔力――すなわちMPは身体中にずっと滞在しているものらしい。それを必要なエネルギー量だけ《取り出して》、外部に放出する。これが魔法の仕組みらしい。
のだが、どうにもうまくいかない。体内の魔力をどうにも動かしづらいのだ。
わかりやすく言えば、体内の血液を意図的に動かせと言われているようなもんだ。無理である。
奇跡的に成功したとしても、ドピュと弱々しく水が出るだけ。実戦にはとても使えない。
前世には魔法なんてなかったからな。こればかりは《転生者》というアドバンテージは効かない。
そうこうしている間にも、剣を持ったリュアが走り寄ってくる。トルフィンは魔法の修行を受けながらも、リュアに剣の稽古もしているのだ。
同時に稽古。
効率が悪いんじゃないかと思ったが、レイアはこれでいいと言う。
どの道、実戦では動きまわる敵と戦わなければならないのだ。いま魔法を使いこなせなければ、大会では使い物にならない。じっくり丁寧に教わっている時間はないのだ。
――剣と魔法の両刀。
シュンやロニンはこれを当たり前のようにやっているのだ。
こればっかりは素直に尊敬する。彼らが強者として称えられる理由がよくわかった。
「うおりゃ!」
トルフィンがやっとこさ発した炎の放射を、
「えいっ」
リュアは軽々と避ける。
大きさもスピードもてんでなっていない。だから避けられた。
「せいやぁぁぁぁぁあ!」
そのまま、リュアは容赦なく剣を振り払ってくる。間一髪、トルフィンは刀身でそれを受けきった。ガキン、と金属のぶつかり合う音が周囲に響きわたる。
「おまえは素直だな。攻撃の軌道が丸見えだぜ」
「む、むぅ……! そ、そんなことないもん!」
なおもリュアは剣戟を浴びせてくるが、トルフィンは赤子の手をひねるようにすべて防いだ。
はぁはぁと息切れしながら、リュアは半笑いを浮かべた。
「ト、トルフィンくん、強い……!」
「そ、そんなこたぁ、ね、ねぇよ……」
対するトルフィンも呼吸が苦しい。剣と魔法を同時に使うのは、いまのトルフィンにはかなりの集中力を要する。
二人ではぁはぁ言っていると、拍手しながらレイアが歩み寄ってきた。
「すごいねトルフィンくん。初日でよく炎の放射なんて出せたよ」
「す、すごいんですかこれ……」
「うんうん。君、やっぱり才能あるかもね。あんなに魔法を使っても、MPは切れないみたいだし」
そりゃ、《引きこもり》のおかげでステータスだけは恵まれているからな。
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