引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―
国王からの頼み
「あれ?」
シュンを出迎えたロニンは、来客たちの姿を見て一瞬だけきょとんとしたが、すぐに笑顔を浮かべた。
「珍しい……。お兄ちゃんが人を連れてくるなんて……」
「なに言ってんだおまえ」
あきれたように肩をすくめる国王。
「んなことより、どうだ、メシはできてっか」
「うん。もうすぐメイドさんたちが持ってきてくれると思う」
シュンは頷くと、来客たちに身体を向けた。
「そういうことだから、もうちょい待っててくれ。好きなところに座っていい」
普段はシュン一家が団欒する広大なリビングルーム。三人家族ではあるが、見栄を張って巨大なダイニングテーブルを用意してある。リュアとレイアが座ってもなお、椅子が余ってしまうほどに。
リュアはどこに腰を下ろせばいいか迷っていたようだった。
だが、トルフィンが適当な席に座るのを見かけるや、
「隣、いい……?」
とおそるおそる聞いてくる。
「お、おう。わざわざ許可取る必要なんかねえだろ」
「だって。王様の家なんて初めてだし、緊張しちゃって……」
――そうなのか。
騎士長の娘だから何かしらの用事で来ていそうなものだが、初めてということなら無理もない。
そんな二人のようすを、ロニンは微笑ましそうに見つめていた。ちなみに彼女は、シュンの隣に座ろうとしたレイアをさりげなくブロックしている。レイアは仕方ないとばかりに、むくれた様子でロニンの隣に座っている。
女って怖い――
そんなことを考えているうちに、メイドたちが料理を持ってきた。
トルフィン一家には食べ慣れた食事だが、来客たちはいたく感動したようだ。彼女たちは別に貧困しているわけではないが、やはり王族ほど豪華な食事を毎日食べているわけではない。ことにリュアは、一品一品を口に運ぶたび、「んー」と黄色い声をあげていた。
そうして皆がひとしきり夕飯を堪能したあと、シュンがおもむろに話を切りだした。
「リュア。たしか武術大会に出るんだっけか」
「えっ? あ、はい」
「口。クリームついってっぞ」
「あ、あっあっ、ごめんなさい」
慌てて口を拭き取りながら、リュアは緊張した面持ちで答える。
そんな幼女にシュンは苦笑すると、再び表情を引き締めて言った。
「ゴルムの娘さんだし、実力はたしかだと思うが……。この大会が終わっても、修行は欠かさないでほしい」
「は、はあ……」
首をかしげるリュア。
代わりに返答したのはレイア先生だった。
「国王様。唐突に大会を開かれたのは、やはり理由がおありなのですか?」
「ん……まあな」
「私たち一般国民には言えないこと……なんですね」
「言えないわけじゃない。ただ、確証もないのに国民を混乱させるわけにもいかねえからな」
そこでシュンはわずらわしそうに後頭部を掻いた。
「レイア。おまえも出来る限り、生徒たちを鍛えてほしい。無理にとは言わないが」
「いえ。私はシュン様に忠誠を誓った身。ご用命とあれば、喜んで従いますよ」
「……そうか。感謝する」
「シュン様は世界に平和をもたらしたのです。これくらいは当然なのですよ」
シュンを出迎えたロニンは、来客たちの姿を見て一瞬だけきょとんとしたが、すぐに笑顔を浮かべた。
「珍しい……。お兄ちゃんが人を連れてくるなんて……」
「なに言ってんだおまえ」
あきれたように肩をすくめる国王。
「んなことより、どうだ、メシはできてっか」
「うん。もうすぐメイドさんたちが持ってきてくれると思う」
シュンは頷くと、来客たちに身体を向けた。
「そういうことだから、もうちょい待っててくれ。好きなところに座っていい」
普段はシュン一家が団欒する広大なリビングルーム。三人家族ではあるが、見栄を張って巨大なダイニングテーブルを用意してある。リュアとレイアが座ってもなお、椅子が余ってしまうほどに。
リュアはどこに腰を下ろせばいいか迷っていたようだった。
だが、トルフィンが適当な席に座るのを見かけるや、
「隣、いい……?」
とおそるおそる聞いてくる。
「お、おう。わざわざ許可取る必要なんかねえだろ」
「だって。王様の家なんて初めてだし、緊張しちゃって……」
――そうなのか。
騎士長の娘だから何かしらの用事で来ていそうなものだが、初めてということなら無理もない。
そんな二人のようすを、ロニンは微笑ましそうに見つめていた。ちなみに彼女は、シュンの隣に座ろうとしたレイアをさりげなくブロックしている。レイアは仕方ないとばかりに、むくれた様子でロニンの隣に座っている。
女って怖い――
そんなことを考えているうちに、メイドたちが料理を持ってきた。
トルフィン一家には食べ慣れた食事だが、来客たちはいたく感動したようだ。彼女たちは別に貧困しているわけではないが、やはり王族ほど豪華な食事を毎日食べているわけではない。ことにリュアは、一品一品を口に運ぶたび、「んー」と黄色い声をあげていた。
そうして皆がひとしきり夕飯を堪能したあと、シュンがおもむろに話を切りだした。
「リュア。たしか武術大会に出るんだっけか」
「えっ? あ、はい」
「口。クリームついってっぞ」
「あ、あっあっ、ごめんなさい」
慌てて口を拭き取りながら、リュアは緊張した面持ちで答える。
そんな幼女にシュンは苦笑すると、再び表情を引き締めて言った。
「ゴルムの娘さんだし、実力はたしかだと思うが……。この大会が終わっても、修行は欠かさないでほしい」
「は、はあ……」
首をかしげるリュア。
代わりに返答したのはレイア先生だった。
「国王様。唐突に大会を開かれたのは、やはり理由がおありなのですか?」
「ん……まあな」
「私たち一般国民には言えないこと……なんですね」
「言えないわけじゃない。ただ、確証もないのに国民を混乱させるわけにもいかねえからな」
そこでシュンはわずらわしそうに後頭部を掻いた。
「レイア。おまえも出来る限り、生徒たちを鍛えてほしい。無理にとは言わないが」
「いえ。私はシュン様に忠誠を誓った身。ご用命とあれば、喜んで従いますよ」
「……そうか。感謝する」
「シュン様は世界に平和をもたらしたのです。これくらいは当然なのですよ」
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