【書籍化作品】無名の最強魔法師
俺の魔法はやはりおかしかった件について
「それで聞きたい事はなんでしょうか?」
両手を摺り合わせて敬語を使いながら上目遣いで俺を見てくるひげを生やした中年。
その姿を見て俺は内心、冷や汗を流していた。
女性が上目遣いをしてくる威力はすごい。
だが、中年がしてくる上目遣いもまた違う意味ですごかった。
「まず、俺の口からはエメラダ様には何も言いません。ですから安心してください」
ただし、俺以外の口について責任はもてない。
人間はおしゃべりが好きな生き物だからな。
「分かった」
俺の説得に納得してくれたのようやくブルームは、普通の態度を取ってくれた。
「ユウマ君。それで何を聞ききたいのだ?」
まずは、、とりあえず聞けるだけ聞くとしよう。
俺は自分が作った壁や堀を指差す。
「――実は、……あの壁と堀ですが俺が作ったんですが……「は?作った?」……はい。何か問題とかありますか?」
俺の言葉にブルームは、うろたえ始めた、。
「ちょっと待ってくれ!このアライ村を覆っている壁と堀をユウマ君が村長として指揮をとって村人と一緒に作ったものなのか?」
エメラダ様と同じ反応をしているブルームを見ながら
「違います。俺一人で魔法を使って作りました」
と説明する。
すると――。
「少し魔法を見せてもらってもいいかな?」
――と言いながら俺を見てくる。
「別にいいですけど?」
俺は、【風刃】の魔法を発動。
森の木を3本まとめて切り倒した。
さらに【風刃】は、近くを通りかかった2メートルほどのイノシシも両断した。
そして俺は、毛皮が高く売れないなと落ち込んだ。
「どうですか?」
振り返ると、そこには困惑した表情のブルームが居た。
「ユウマ君。結論から言おう。壁と堀は問題ない――ただ……」
そこで困惑した表情から真剣味を帯びた表情で俺の瞳を見てくる。
「問題は君だよ……これだけの魔法を触媒もなし、魔法陣もなし、詠唱もなしで仕える魔法師なんて見た事がない。こんな非常識な物を見せられたら、村の壁や堀なんてどうでもいい話しだ。」
ブルームの言葉に、やはりと頷く。
「実感はあるようだな……ふう。とりあえず村の壁と堀については、私の方からイルスーカ侯爵様へ上伸しておこう」
俺はブルームの言葉を聞きながら「ありがとうございます」と話すと――。
「感謝しないでくれ。君の事は、イルスーカ侯爵様へ最優先で報告をあげないといけないんだ。だから間違いなく君はイルスーカ侯爵様から招集を受ける立場になる。そこは覚悟しておいてくれ」
ブルームの言葉を聞きながらも俺は溜息をつく。
俺の溜息を見ていたブルームも右手でひげを触っている。
「どちらにしても、これだけの事をしでかしたんだ。こうなる事は、分かっていたんだろう?」
いえ、ここまで大事になるなんて思っていませんでした。
と言いたいな……。
全部、ウカル様に任せられれば一番、楽だったんだが……。
「ところでユウマ君は、魔法師育成学校を出たのか?」
「いえ、通っていないどころかエメラダ様から、この前はじめてその名前を教えて頂きました」
「だからか……厄介だな」
「だだ、魔法は全部、アース教会のウカル様に教えてもらったので……」
俺の言葉に、
「それはないだろう?あいつとの事は良く知ってるが、そこまでの魔法師の力もないはずだ。それに、攻撃魔法が寿命を縮めるという事も、君は知らないようだからな。冒険者には教えていないが教会と騎士団では常識だ。そして攻撃魔法を君は何のためらいもなく使って見せた。どんな魔法かは知らないがな……。そこから見るだけで君はウカルの野郎から魔法を正式に教わってないのが分かる。あまり詮索はしないが、他人と違う魔法の使い方をしてれば、注目の的になる。気をつけたほうがいいぞ?まあもう遅いがな。、俺の憶測になってしまうがこの規模の壁と堀を作ろうとしたら並の魔法師では、5年近くかかる計算になるな」
「……」
そんなに時間がかかるのか……。
どうりでエメラダ様も驚いてはずだよな。
黙り込む俺を、ブルームは見て口を開く。
「分かったか?問題になるって意味が……1週間後には、領主様は自分の領地に上級を超える魔法師が生まれたと大喜びするはずだ。せいぜい頑張って働くんだな」
ブルームさんは話が終わったとばかりに騎乗すると手を差し出してきた。
差し出された手を取った後、ブルームさんと一緒に馬に乗りながら村に戻ったのだが……。
村で唯一の門から入った所でアリアとリリナと出会った。
俺は、村の入り口でおろしてもらった後、アリアやリリナと話をする。
どうやらリリナの父親も俺の親父もすでに釈放されており、どこにも怪我は無かったようだ。
それを聞いて安心した。
家に戻ると親父と母親が部屋の中で座っていた。
雰囲気がとても重々しい。
親父が、テーブルを挟んだ場所へ座れと指差ししてくる。
俺が座ると……。
「ユウマ、お前に聞きたい事がある。一体、いつから魔法が使えるようになっていたんだ?」
親父は、ずっと考えていたのだろう。
俺に疑問を投げかけてきた。
「いつからですか……」
もう隠しているではないし素直に答えるとしよう。
両手を摺り合わせて敬語を使いながら上目遣いで俺を見てくるひげを生やした中年。
その姿を見て俺は内心、冷や汗を流していた。
女性が上目遣いをしてくる威力はすごい。
だが、中年がしてくる上目遣いもまた違う意味ですごかった。
「まず、俺の口からはエメラダ様には何も言いません。ですから安心してください」
ただし、俺以外の口について責任はもてない。
人間はおしゃべりが好きな生き物だからな。
「分かった」
俺の説得に納得してくれたのようやくブルームは、普通の態度を取ってくれた。
「ユウマ君。それで何を聞ききたいのだ?」
まずは、、とりあえず聞けるだけ聞くとしよう。
俺は自分が作った壁や堀を指差す。
「――実は、……あの壁と堀ですが俺が作ったんですが……「は?作った?」……はい。何か問題とかありますか?」
俺の言葉にブルームは、うろたえ始めた、。
「ちょっと待ってくれ!このアライ村を覆っている壁と堀をユウマ君が村長として指揮をとって村人と一緒に作ったものなのか?」
エメラダ様と同じ反応をしているブルームを見ながら
「違います。俺一人で魔法を使って作りました」
と説明する。
すると――。
「少し魔法を見せてもらってもいいかな?」
――と言いながら俺を見てくる。
「別にいいですけど?」
俺は、【風刃】の魔法を発動。
森の木を3本まとめて切り倒した。
さらに【風刃】は、近くを通りかかった2メートルほどのイノシシも両断した。
そして俺は、毛皮が高く売れないなと落ち込んだ。
「どうですか?」
振り返ると、そこには困惑した表情のブルームが居た。
「ユウマ君。結論から言おう。壁と堀は問題ない――ただ……」
そこで困惑した表情から真剣味を帯びた表情で俺の瞳を見てくる。
「問題は君だよ……これだけの魔法を触媒もなし、魔法陣もなし、詠唱もなしで仕える魔法師なんて見た事がない。こんな非常識な物を見せられたら、村の壁や堀なんてどうでもいい話しだ。」
ブルームの言葉に、やはりと頷く。
「実感はあるようだな……ふう。とりあえず村の壁と堀については、私の方からイルスーカ侯爵様へ上伸しておこう」
俺はブルームの言葉を聞きながら「ありがとうございます」と話すと――。
「感謝しないでくれ。君の事は、イルスーカ侯爵様へ最優先で報告をあげないといけないんだ。だから間違いなく君はイルスーカ侯爵様から招集を受ける立場になる。そこは覚悟しておいてくれ」
ブルームの言葉を聞きながらも俺は溜息をつく。
俺の溜息を見ていたブルームも右手でひげを触っている。
「どちらにしても、これだけの事をしでかしたんだ。こうなる事は、分かっていたんだろう?」
いえ、ここまで大事になるなんて思っていませんでした。
と言いたいな……。
全部、ウカル様に任せられれば一番、楽だったんだが……。
「ところでユウマ君は、魔法師育成学校を出たのか?」
「いえ、通っていないどころかエメラダ様から、この前はじめてその名前を教えて頂きました」
「だからか……厄介だな」
「だだ、魔法は全部、アース教会のウカル様に教えてもらったので……」
俺の言葉に、
「それはないだろう?あいつとの事は良く知ってるが、そこまでの魔法師の力もないはずだ。それに、攻撃魔法が寿命を縮めるという事も、君は知らないようだからな。冒険者には教えていないが教会と騎士団では常識だ。そして攻撃魔法を君は何のためらいもなく使って見せた。どんな魔法かは知らないがな……。そこから見るだけで君はウカルの野郎から魔法を正式に教わってないのが分かる。あまり詮索はしないが、他人と違う魔法の使い方をしてれば、注目の的になる。気をつけたほうがいいぞ?まあもう遅いがな。、俺の憶測になってしまうがこの規模の壁と堀を作ろうとしたら並の魔法師では、5年近くかかる計算になるな」
「……」
そんなに時間がかかるのか……。
どうりでエメラダ様も驚いてはずだよな。
黙り込む俺を、ブルームは見て口を開く。
「分かったか?問題になるって意味が……1週間後には、領主様は自分の領地に上級を超える魔法師が生まれたと大喜びするはずだ。せいぜい頑張って働くんだな」
ブルームさんは話が終わったとばかりに騎乗すると手を差し出してきた。
差し出された手を取った後、ブルームさんと一緒に馬に乗りながら村に戻ったのだが……。
村で唯一の門から入った所でアリアとリリナと出会った。
俺は、村の入り口でおろしてもらった後、アリアやリリナと話をする。
どうやらリリナの父親も俺の親父もすでに釈放されており、どこにも怪我は無かったようだ。
それを聞いて安心した。
家に戻ると親父と母親が部屋の中で座っていた。
雰囲気がとても重々しい。
親父が、テーブルを挟んだ場所へ座れと指差ししてくる。
俺が座ると……。
「ユウマ、お前に聞きたい事がある。一体、いつから魔法が使えるようになっていたんだ?」
親父は、ずっと考えていたのだろう。
俺に疑問を投げかけてきた。
「いつからですか……」
もう隠しているではないし素直に答えるとしよう。
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コメント
スザク
69968へ、他の生物に危害を加える魔法は世界の意思的な何かで罰せられる的な?
ノベルバユーザー69968
魔法についてよく分からないんですが、何で攻撃魔法を使ったら寿命が縮むんですか?攻撃魔法か他の魔法かはどう判断するんですか?