【書籍化作品】無名の最強魔法師
料理は水から!
俺は昨日、エルスに出された麦粥を食べた後に腹痛でコーク爺さんの診療所に連れて行かれた。
先日は目を閉じていて分からなかったが、コーク爺さんは白衣を着た初老の男性だった。
男の名前は、コークと紹介された。
コーク爺さんの家は代々医者の家系らしく昔の出来事にも詳しいらしい。。
だが、腹の痛みが酷かった俺は、薬を貰った後すぐエルスに家に戻ろうと提案した。
だが、エルスは診療所にしばらく居ると言う事だったので、俺は先に家に戻り魔法で水を出して薬を服用した後に横になった。
そいて……一晩経ったら腹痛は治まっていた。
「朝食を作ったけど食べられる?」
……エルスさんや、貴女は昨日、俺に何をしたのかお忘れですか?
「いや、お腹が空いてな……頂こう」
なんだよ、そんな捨てられた犬みたいな顔をされたら断れないじゃないか。
まぁ昨日は、体が衰弱していただけだ。
だから胃が驚いてしまったのだろう。
だから問題ないはずだ。
とりあえずコーク爺さんに貰った胃薬がまだ残っていたかな?
――20分後
エルスが仕事に行くと家から出た後に、俺も走ってコーク爺さんの所に向かった。
扉を叩き驚いたコークさんに事情を説明し薬を貰って一息ついていると。
「あの子とはうまくやっているようじゃな?」
コークさんが何やら意味深な言葉をかけてきたが俺は頭を振る。
うまくやっているかどうかと言えばどうなんだろう?
俺にはその基準が分からない。
「この村にはコークさんとエルスさんしか住んでいないのですか?」
俺は気になっていた事を口にした。
昨日、診療所を訪れたときは日が暮れていたので気がつかなかったが、朝の時間帯だと言うのに診療所に来るまでに村の中を歩いたが一人の姿も見かけなかった。
村の規模から言うとユウマ村の半分も無いと思うが、それでも戸数から見ても150人前後は住んでないとおかしい。
それなのに誰の姿も見かけなかった。
「今は、仕事に向かっておるから夕方までには皆もどるじゃろ」
ふむ……村の位置を話したがらない事と言い、普通の村ではないことは分かるけど何かあるのだろうか?
まぁどちらにしても俺が関与することではないな。
「そうですか……」
余計な詮索もしないほうがいい。
それよりも……。
「コークさん。エルスより水を汲んできてと言われているのですが川の場所を教えて頂けますか?」
俺の言葉にコークさんは眉を潜めた。
そしてたどり着いた場所は、川ではなく沼地であった。
水は停滞すると淀んで腐ってしまう。
こんな水をあの人たちは飲んでいたのか?
よく病気にならないなと思う。
「仕方ない」
俺は沼地に手を向ける。
頭に描くは事象の変換、組み上げるは分子の調律。
【濾過】の魔法を発動
魔法発動と同時に
沼の水が目に見えて澄んでいき底が見えて来たところで俺は吐いた。
動物の死骸が底に沈殿していた。
こんなのが沈んでいた水をエルスは飲んでいたのか?
よく平気でいられると感心してしまう。
俺にはとてもではないかが耐えられない。
【極大火炎】の魔法を発動。
以前、アライ村で露天風呂を作った要領で、摂氏温度3000度、直径40メートルを越す巨大な炎の塊を操作していき沼をそして死骸を蒸発させ消滅させた。
次に編むのは以前に井戸を作った魔法を応用する術式。
【湧水】の魔法を発動する。
地殻や大地を弄った為、村全体に地鳴りが鳴り響いていく。
そして……沼跡の底に亀裂が入ると同時に澄んだ湧水が噴出す。
それは見る見るうちに沼だった場所を満たしていった。
まだ湧水が沼だった場所を満たすまでには時間がかかりそうだったので瓶の中に魔法で作り出した水を入れて俺はエルスの家に戻った。
エルスの家に戻り台所に瓶を置いたあと、食料をチェックしていく。
どれも品質が悪い。
半分腐りかけの物ばかりだ。
一体、どういう生活をエルスは送っているのだろうか?
仕方ないな……おかしいと思われない範囲で動物でも狩ってくるか。
俺は家を出て山の中に入り鳥を3羽捕り家に戻った。
「まだエルスは戻ってきていないのか?」
俺は一人呟きながら献立を考える。
鳥はウズラに近い品種のようにも見える。
「この鳥に麦飯をつめて蒸すか……」
料理を始めて2時間ほどで料理が完成した。
そしてテーブルの上に並べているとエルスが戻ってきた。
「ただいまー、疲れたー」
エルスはずいぶんと疲れているようだ。
とりあえず居候の身である以上、家事くらいはしてやるか。
「ご飯にするか?」
俺の言葉にエルスがテーブルの上に置かれている料理を見て驚いている。
料理と俺の顔を交互に見てから口を開いた。
「ええ!どうして鳥を捕ってこられるの?」
驚いた表情で俺をみてきているエルスに向けて――。
「元は猟師だからな、このくらいは序の口だ」
――と、説明する。
「ふーん……そうなんだ。それで水は汲んできてくれたの?」
「ああ、そこの瓶に汲んできておいた」
エルスが瓶の中を覗き見る。
「え? 何これ! これ池で汲んできた水なの!?」
「ああ、そうだがそれがどうかしたのか?」
「だって村の池ってもっと汚くなかった?」
「普通の湖だったぞ? エルスは何を言っているんだ?」
あんな沼地の水を飲むなんて正気の沙汰じゃない。
ここは俺が行った時、最初から湖は綺麗だった論を押し通すしかないな。
先日は目を閉じていて分からなかったが、コーク爺さんは白衣を着た初老の男性だった。
男の名前は、コークと紹介された。
コーク爺さんの家は代々医者の家系らしく昔の出来事にも詳しいらしい。。
だが、腹の痛みが酷かった俺は、薬を貰った後すぐエルスに家に戻ろうと提案した。
だが、エルスは診療所にしばらく居ると言う事だったので、俺は先に家に戻り魔法で水を出して薬を服用した後に横になった。
そいて……一晩経ったら腹痛は治まっていた。
「朝食を作ったけど食べられる?」
……エルスさんや、貴女は昨日、俺に何をしたのかお忘れですか?
「いや、お腹が空いてな……頂こう」
なんだよ、そんな捨てられた犬みたいな顔をされたら断れないじゃないか。
まぁ昨日は、体が衰弱していただけだ。
だから胃が驚いてしまったのだろう。
だから問題ないはずだ。
とりあえずコーク爺さんに貰った胃薬がまだ残っていたかな?
――20分後
エルスが仕事に行くと家から出た後に、俺も走ってコーク爺さんの所に向かった。
扉を叩き驚いたコークさんに事情を説明し薬を貰って一息ついていると。
「あの子とはうまくやっているようじゃな?」
コークさんが何やら意味深な言葉をかけてきたが俺は頭を振る。
うまくやっているかどうかと言えばどうなんだろう?
俺にはその基準が分からない。
「この村にはコークさんとエルスさんしか住んでいないのですか?」
俺は気になっていた事を口にした。
昨日、診療所を訪れたときは日が暮れていたので気がつかなかったが、朝の時間帯だと言うのに診療所に来るまでに村の中を歩いたが一人の姿も見かけなかった。
村の規模から言うとユウマ村の半分も無いと思うが、それでも戸数から見ても150人前後は住んでないとおかしい。
それなのに誰の姿も見かけなかった。
「今は、仕事に向かっておるから夕方までには皆もどるじゃろ」
ふむ……村の位置を話したがらない事と言い、普通の村ではないことは分かるけど何かあるのだろうか?
まぁどちらにしても俺が関与することではないな。
「そうですか……」
余計な詮索もしないほうがいい。
それよりも……。
「コークさん。エルスより水を汲んできてと言われているのですが川の場所を教えて頂けますか?」
俺の言葉にコークさんは眉を潜めた。
そしてたどり着いた場所は、川ではなく沼地であった。
水は停滞すると淀んで腐ってしまう。
こんな水をあの人たちは飲んでいたのか?
よく病気にならないなと思う。
「仕方ない」
俺は沼地に手を向ける。
頭に描くは事象の変換、組み上げるは分子の調律。
【濾過】の魔法を発動
魔法発動と同時に
沼の水が目に見えて澄んでいき底が見えて来たところで俺は吐いた。
動物の死骸が底に沈殿していた。
こんなのが沈んでいた水をエルスは飲んでいたのか?
よく平気でいられると感心してしまう。
俺にはとてもではないかが耐えられない。
【極大火炎】の魔法を発動。
以前、アライ村で露天風呂を作った要領で、摂氏温度3000度、直径40メートルを越す巨大な炎の塊を操作していき沼をそして死骸を蒸発させ消滅させた。
次に編むのは以前に井戸を作った魔法を応用する術式。
【湧水】の魔法を発動する。
地殻や大地を弄った為、村全体に地鳴りが鳴り響いていく。
そして……沼跡の底に亀裂が入ると同時に澄んだ湧水が噴出す。
それは見る見るうちに沼だった場所を満たしていった。
まだ湧水が沼だった場所を満たすまでには時間がかかりそうだったので瓶の中に魔法で作り出した水を入れて俺はエルスの家に戻った。
エルスの家に戻り台所に瓶を置いたあと、食料をチェックしていく。
どれも品質が悪い。
半分腐りかけの物ばかりだ。
一体、どういう生活をエルスは送っているのだろうか?
仕方ないな……おかしいと思われない範囲で動物でも狩ってくるか。
俺は家を出て山の中に入り鳥を3羽捕り家に戻った。
「まだエルスは戻ってきていないのか?」
俺は一人呟きながら献立を考える。
鳥はウズラに近い品種のようにも見える。
「この鳥に麦飯をつめて蒸すか……」
料理を始めて2時間ほどで料理が完成した。
そしてテーブルの上に並べているとエルスが戻ってきた。
「ただいまー、疲れたー」
エルスはずいぶんと疲れているようだ。
とりあえず居候の身である以上、家事くらいはしてやるか。
「ご飯にするか?」
俺の言葉にエルスがテーブルの上に置かれている料理を見て驚いている。
料理と俺の顔を交互に見てから口を開いた。
「ええ!どうして鳥を捕ってこられるの?」
驚いた表情で俺をみてきているエルスに向けて――。
「元は猟師だからな、このくらいは序の口だ」
――と、説明する。
「ふーん……そうなんだ。それで水は汲んできてくれたの?」
「ああ、そこの瓶に汲んできておいた」
エルスが瓶の中を覗き見る。
「え? 何これ! これ池で汲んできた水なの!?」
「ああ、そうだがそれがどうかしたのか?」
「だって村の池ってもっと汚くなかった?」
「普通の湖だったぞ? エルスは何を言っているんだ?」
あんな沼地の水を飲むなんて正気の沙汰じゃない。
ここは俺が行った時、最初から湖は綺麗だった論を押し通すしかないな。
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