【書籍化作品】無名の最強魔法師
物理的な御話合い(後編)
「こ、殺される覚悟だと? 何を馬鹿なことを! たった二人で何が出来るというのだ!」
「いや、戦うのは俺一人だけどな」
俺の言葉に兵士達が殺気立つ。
馬鹿にされたと思ったのだろう。
まぁ、普通なら怒るわな。
俺は、兵士達を挑発している間に頭の中で組み立てた科学魔法式を解放する。
俺が発動させた【風爆】の魔法は、大気の温度を急激に高めることにより気体を膨張させ周囲を破壊する魔法。
もちろん発動先は、弓を構えていた屋根の上の兵士達。
無詠唱、無言で発動させた魔法により周囲の建物の屋根が吹き飛び弓矢を持った兵士達が落下した後に、うめき声を上げて悶え苦しんでいる。
俺は彼らを見た後に弓矢を【風刃】の魔法で破壊していく。
さすがに、遠距離武器を使われればリネラスを守るのは厳しくなるし防戦一方になる。
そのために最優先で遠距離攻撃の兵士を無力化させてもらった。
「な、なにが? 何がおきた? どうして建物が? どうして弓隊が落ちてきたのだ? ま、まさか……き、貴様!?」
「くっくっくっ……」
突然、笑い出した俺を見て兵士達は驚きのあまり数歩距離を取った。。
俺は、そんな兵士達を見ながら髪を掻きあげる。
「よい! よいぞ! その驚き方! まさしく道化のようだ!」
「な!? お、お前は……い、一体……」
兵士達は、俺の一人芝居にすっかり兵士達は魅了されてしまっている。
おそらく兵士達は、心の中でこう考えているはずだ。
5か所の屋根を同時に攻撃できる魔法師5名! 弓矢を即破壊した魔法師5名! 最低でも足して10人は攻撃魔法が使える魔法師がいると! そう思っているのだろう。
だからこそ、彼らは俺の言葉に足を止め突っ込んではこない。
ふふふ、全ては俺のハッタリと一人芝居の成せる技。
さて、ここからが本番だ!
「いいだろう! 貴様達に我の本当の名前を教えてやろうではないか! 我が名は魔王ユウマ! 貴様ら程度の兵士には過ぎた名よ」
「ま……魔王だと!? あ、あの……ネイルド公爵家壊滅の引き金を引いた……あの魔王だと言うのか?」
「分かっているならば、話は早い。我は今はとても気分がいい。貴様らが知っている事情を説明すれば生かしておいてやろう」
俺の言葉に兵士達は狼狽する。
目の前で起きた魔法を見て、どうしたらいいか判断がつかないのだろう。
ならば、彼らが理解できるようにするだけだ。
俺は頭の中で金属結合を解くイメージを固める。・
「まだ逆らうつもりがあるようだな? 我が魔王たる力みせてやろう!」
俺は男達に向けて手を振る。
それだけで男達が所持していたブロードソードやプレートメイルが金属結合を解かれて、ただの砂鉄などに代わり果てる。
すると先ほどまで強気だった兵士達は、逃亡を始めようとするが逃亡を防ぐように俺は地面に手をついて壁を作りあげる。
「さて……お話の時間だな」
俺はコブシを鳴らしながら兵士達に近づいていく。
「お、俺達は! 暴力になんて屈しないぞ! 絶対に! 何も話さないからな!」
一人の兵士が虚勢をあげると全員が頷いている。
なるほど、これは骨が折れる話し合いになりそうだな……。
「作りたての水はうまいか?」
俺は、魔法で地面に穴を掘ったあと水を作り出し深さ20メートル、幅5メートル程の池を作り、兵士全員を池の中に放りこんで、水の動きを制御し洗濯機状態にした。
渦に翻弄されている兵士達は、沈んだり浮かんだりを繰り返しながら、何でも聞いてください! などと言ってくるが俺は信じている。
暴力になんて絶対に屈しないんだからね! という彼らの言葉を。
そして30分後……。
「だいたい理解した。まぁお前の話が本当か嘘かは分からないが助かった」
そこには真っ白に燃え尽きた兵士達が壁に寄りかかっている。
まったくだらしないやつだ。
嘘がどうかを見極めるだけに少しだけ池の中で泳いでもらう時間を延ばしただけだというのに。
それにしても、色々な事がわかったな。
港町カレイドスコープはクルド公爵が納めている土地で、配下には3人の元Sランク冒険者を抱えている。
3人の名前は、超長距離狙撃の弓士アンゼ、魔法破壊のメローゼ、無限の槍を持つ男オルカと言われており、その残虐性から地獄の3魔人と呼ばれていると……。
まぁ、俺にはあまり関係はないと思う。
あとは……この町の冒険者ギルド職員は、ギルドマスターと反抗的な人間は殺され、それ以外は幽閉されているのか、このへんは面倒なことになりそうだな。
「おい、リネラス! いくぞ!」
「……」
リネラスは兵士達から聞いた冒険者ギルドの結末に完全に意気消沈してしまっている。
まったく、どうするんだよ。
女性を慰める方法なんて俺は知らないぞ?
ほんとうに困るよな。
俺は兵士達を放置したまま路地を出る。
「貴様がユウマか! 私の名前は地獄の3魔人の一人、魔法はぐべらぁ」
イラついていた事もあり、ちょっとテンションが高い奴が絡んできたから思わず殴ってしまった。
とんでもなく飛んで言ったが、まぁ不審人物だから問題ないだろうな。
とりあえずは、クルド公爵と敵対するとダルそうだから地獄の3魔人とはあまり関わらない方向で問題を起こさないように大人の対応をしていくとするか
「いや、戦うのは俺一人だけどな」
俺の言葉に兵士達が殺気立つ。
馬鹿にされたと思ったのだろう。
まぁ、普通なら怒るわな。
俺は、兵士達を挑発している間に頭の中で組み立てた科学魔法式を解放する。
俺が発動させた【風爆】の魔法は、大気の温度を急激に高めることにより気体を膨張させ周囲を破壊する魔法。
もちろん発動先は、弓を構えていた屋根の上の兵士達。
無詠唱、無言で発動させた魔法により周囲の建物の屋根が吹き飛び弓矢を持った兵士達が落下した後に、うめき声を上げて悶え苦しんでいる。
俺は彼らを見た後に弓矢を【風刃】の魔法で破壊していく。
さすがに、遠距離武器を使われればリネラスを守るのは厳しくなるし防戦一方になる。
そのために最優先で遠距離攻撃の兵士を無力化させてもらった。
「な、なにが? 何がおきた? どうして建物が? どうして弓隊が落ちてきたのだ? ま、まさか……き、貴様!?」
「くっくっくっ……」
突然、笑い出した俺を見て兵士達は驚きのあまり数歩距離を取った。。
俺は、そんな兵士達を見ながら髪を掻きあげる。
「よい! よいぞ! その驚き方! まさしく道化のようだ!」
「な!? お、お前は……い、一体……」
兵士達は、俺の一人芝居にすっかり兵士達は魅了されてしまっている。
おそらく兵士達は、心の中でこう考えているはずだ。
5か所の屋根を同時に攻撃できる魔法師5名! 弓矢を即破壊した魔法師5名! 最低でも足して10人は攻撃魔法が使える魔法師がいると! そう思っているのだろう。
だからこそ、彼らは俺の言葉に足を止め突っ込んではこない。
ふふふ、全ては俺のハッタリと一人芝居の成せる技。
さて、ここからが本番だ!
「いいだろう! 貴様達に我の本当の名前を教えてやろうではないか! 我が名は魔王ユウマ! 貴様ら程度の兵士には過ぎた名よ」
「ま……魔王だと!? あ、あの……ネイルド公爵家壊滅の引き金を引いた……あの魔王だと言うのか?」
「分かっているならば、話は早い。我は今はとても気分がいい。貴様らが知っている事情を説明すれば生かしておいてやろう」
俺の言葉に兵士達は狼狽する。
目の前で起きた魔法を見て、どうしたらいいか判断がつかないのだろう。
ならば、彼らが理解できるようにするだけだ。
俺は頭の中で金属結合を解くイメージを固める。・
「まだ逆らうつもりがあるようだな? 我が魔王たる力みせてやろう!」
俺は男達に向けて手を振る。
それだけで男達が所持していたブロードソードやプレートメイルが金属結合を解かれて、ただの砂鉄などに代わり果てる。
すると先ほどまで強気だった兵士達は、逃亡を始めようとするが逃亡を防ぐように俺は地面に手をついて壁を作りあげる。
「さて……お話の時間だな」
俺はコブシを鳴らしながら兵士達に近づいていく。
「お、俺達は! 暴力になんて屈しないぞ! 絶対に! 何も話さないからな!」
一人の兵士が虚勢をあげると全員が頷いている。
なるほど、これは骨が折れる話し合いになりそうだな……。
「作りたての水はうまいか?」
俺は、魔法で地面に穴を掘ったあと水を作り出し深さ20メートル、幅5メートル程の池を作り、兵士全員を池の中に放りこんで、水の動きを制御し洗濯機状態にした。
渦に翻弄されている兵士達は、沈んだり浮かんだりを繰り返しながら、何でも聞いてください! などと言ってくるが俺は信じている。
暴力になんて絶対に屈しないんだからね! という彼らの言葉を。
そして30分後……。
「だいたい理解した。まぁお前の話が本当か嘘かは分からないが助かった」
そこには真っ白に燃え尽きた兵士達が壁に寄りかかっている。
まったくだらしないやつだ。
嘘がどうかを見極めるだけに少しだけ池の中で泳いでもらう時間を延ばしただけだというのに。
それにしても、色々な事がわかったな。
港町カレイドスコープはクルド公爵が納めている土地で、配下には3人の元Sランク冒険者を抱えている。
3人の名前は、超長距離狙撃の弓士アンゼ、魔法破壊のメローゼ、無限の槍を持つ男オルカと言われており、その残虐性から地獄の3魔人と呼ばれていると……。
まぁ、俺にはあまり関係はないと思う。
あとは……この町の冒険者ギルド職員は、ギルドマスターと反抗的な人間は殺され、それ以外は幽閉されているのか、このへんは面倒なことになりそうだな。
「おい、リネラス! いくぞ!」
「……」
リネラスは兵士達から聞いた冒険者ギルドの結末に完全に意気消沈してしまっている。
まったく、どうするんだよ。
女性を慰める方法なんて俺は知らないぞ?
ほんとうに困るよな。
俺は兵士達を放置したまま路地を出る。
「貴様がユウマか! 私の名前は地獄の3魔人の一人、魔法はぐべらぁ」
イラついていた事もあり、ちょっとテンションが高い奴が絡んできたから思わず殴ってしまった。
とんでもなく飛んで言ったが、まぁ不審人物だから問題ないだろうな。
とりあえずは、クルド公爵と敵対するとダルそうだから地獄の3魔人とはあまり関わらない方向で問題を起こさないように大人の対応をしていくとするか
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