【書籍化作品】無名の最強魔法師
狙われたギルドマスター(後編)
「それでなんだ? カークス達からは話は聞いているんだろう? それに……その騎士風の甲冑はいったい何なんだ?」
俺の言葉にエルスが眉を寄せる。
「カークス達から話は聞いてはいたけど、ユウマは本当にエルンペイア王とは関わり合いが無かったんだね。疑ってわるかったね…
」
俺はエルスの言葉を聞きながら肩を竦める。
「気にする事はないさ。お前らが反乱軍だったんだろう?」
「ああ……」
「なら、突然現れた人間を疑うのは当然だし、俺だってエルスと同じ立場なら疑うさ」
「そうか……それでユウマは今は何をしているんだ? って愚門だったね。エルンペイア王と戦っているんだろう?」
エルスの問いかけに俺は否定的な意味合いを込めて頭を振る。
「いいや、ただの成り行きだな」
俺の言葉にエルスは笑ってくる。
「ユリーシャ様が警戒する訳だ。ところでユウマは、現在は誰かと雇用契約をしているのか?」
「雇用契約か……特にしてないな」
すると、エルスは俺の肩に手を置いて「そうか! それなら反乱軍……いや、正統ユゼウ王国軍に入らないか?」と誘ってくるが俺は頭を振って拒絶の意を示す。
「悪いな、俺は誰かの下に着くつもりはないからな。それにさ……俺はお前達の行動を好ましく思っていない」
「何?」
俺の言葉にエルスが殺気立つ。
だが、俺は話を続ける。
「反乱軍だろうか、正統王国軍だろうが言い方は何でもいい。それよりもだ! お前たちは、200人もの騎士をどのように食わせていた? どのように食料を確保していた?」
俺の言葉に、エルスが視線を逸らす。
粗方予想はつく。
「全員が村からいなくなる。それは、エルンペイアの思想に賛同する貴族を襲撃しているんじゃないのか?」
エルスは、俺の話を聞くと、「山賊じゃない! 民を圧政する者達から奪ってそれを近隣に配っていた!」と言い返してきたが、俺には、その言い分は言い訳にしか聞こえない。
「お前達は、それでいい。だがな、お前達に奪われた食料を市民から奪う為に更なる圧政を敷く可能性だってあるんだぞ? そういう事への増長の引き金になっていたとしてもお前らは自分達の行動に正当性があると主張できるのか?」
「――仕方がないじゃない。他にどうすれば!」
「知らん。安易にそれを選んだお前らに俺が同情するとでも思ったか?お前らのした事は自己満足に過ぎない」
俺は言いきるとそのまま木箱から立ちあがる。
どうせ、こいつらには何を言っても話をしても時間の浪費にしかならない。
何故なら大義があるからだ。
国を取り戻すという大義が。
「悪いがエルス、カークスにも言ったがもう俺に関わるな。今のお前は貴族様の味方なんだろう?」
「違う!ユリーシャ様の騎士だ! 他の貴族連中と同じにしないでほしい」
「俺から見たら、今のエルンペイア王が王になるまで何もしてこなかった王族に全ての咎があると思うがな。圧政が始まってから3年間も国が荒廃していくのを指を咥えて見ていたんだろう?」
「そ、それは違う! 私達は3年間がんばってきたんだ!」
「山賊まがいの事をしてか?」
俺の言葉にエルスが俯く。。
「悪いが――俺は貴族や王族っていうのが嫌いなんだよ。だからつい強い口調になった」
「もう、いいよ、ところでユウマは冒険者ギルドのギルドマスターは見た事があるかい?」
「いいや、ないな」
俺の言葉に落胆した顔を見せてくるとエルスは、しばらく落ち込んでいたがすぐに手を振って俺から離れていった。
そして俺は、一息ついて考える。
どうやら、ユリーシャもリネラスを探してるらしいなと。
俺の言葉にエルスが眉を寄せる。
「カークス達から話は聞いてはいたけど、ユウマは本当にエルンペイア王とは関わり合いが無かったんだね。疑ってわるかったね…
」
俺はエルスの言葉を聞きながら肩を竦める。
「気にする事はないさ。お前らが反乱軍だったんだろう?」
「ああ……」
「なら、突然現れた人間を疑うのは当然だし、俺だってエルスと同じ立場なら疑うさ」
「そうか……それでユウマは今は何をしているんだ? って愚門だったね。エルンペイア王と戦っているんだろう?」
エルスの問いかけに俺は否定的な意味合いを込めて頭を振る。
「いいや、ただの成り行きだな」
俺の言葉にエルスは笑ってくる。
「ユリーシャ様が警戒する訳だ。ところでユウマは、現在は誰かと雇用契約をしているのか?」
「雇用契約か……特にしてないな」
すると、エルスは俺の肩に手を置いて「そうか! それなら反乱軍……いや、正統ユゼウ王国軍に入らないか?」と誘ってくるが俺は頭を振って拒絶の意を示す。
「悪いな、俺は誰かの下に着くつもりはないからな。それにさ……俺はお前達の行動を好ましく思っていない」
「何?」
俺の言葉にエルスが殺気立つ。
だが、俺は話を続ける。
「反乱軍だろうか、正統王国軍だろうが言い方は何でもいい。それよりもだ! お前たちは、200人もの騎士をどのように食わせていた? どのように食料を確保していた?」
俺の言葉に、エルスが視線を逸らす。
粗方予想はつく。
「全員が村からいなくなる。それは、エルンペイアの思想に賛同する貴族を襲撃しているんじゃないのか?」
エルスは、俺の話を聞くと、「山賊じゃない! 民を圧政する者達から奪ってそれを近隣に配っていた!」と言い返してきたが、俺には、その言い分は言い訳にしか聞こえない。
「お前達は、それでいい。だがな、お前達に奪われた食料を市民から奪う為に更なる圧政を敷く可能性だってあるんだぞ? そういう事への増長の引き金になっていたとしてもお前らは自分達の行動に正当性があると主張できるのか?」
「――仕方がないじゃない。他にどうすれば!」
「知らん。安易にそれを選んだお前らに俺が同情するとでも思ったか?お前らのした事は自己満足に過ぎない」
俺は言いきるとそのまま木箱から立ちあがる。
どうせ、こいつらには何を言っても話をしても時間の浪費にしかならない。
何故なら大義があるからだ。
国を取り戻すという大義が。
「悪いがエルス、カークスにも言ったがもう俺に関わるな。今のお前は貴族様の味方なんだろう?」
「違う!ユリーシャ様の騎士だ! 他の貴族連中と同じにしないでほしい」
「俺から見たら、今のエルンペイア王が王になるまで何もしてこなかった王族に全ての咎があると思うがな。圧政が始まってから3年間も国が荒廃していくのを指を咥えて見ていたんだろう?」
「そ、それは違う! 私達は3年間がんばってきたんだ!」
「山賊まがいの事をしてか?」
俺の言葉にエルスが俯く。。
「悪いが――俺は貴族や王族っていうのが嫌いなんだよ。だからつい強い口調になった」
「もう、いいよ、ところでユウマは冒険者ギルドのギルドマスターは見た事があるかい?」
「いいや、ないな」
俺の言葉に落胆した顔を見せてくるとエルスは、しばらく落ち込んでいたがすぐに手を振って俺から離れていった。
そして俺は、一息ついて考える。
どうやら、ユリーシャもリネラスを探してるらしいなと。
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