【書籍化作品】無名の最強魔法師
自分を棚にあげる者達(中編)
ここが総督府でいいの?
リネラスは俺の隣で建物を見上げながら確認をしてくる。
「ああ、たぶん……ここで間違いはないはずだ」
俺は3階建ての建物を見て頷く。
建物の至るところ、窓ガラスが割れていて正面のドアも壊れている。
まるで魔物か何かに襲われてた後のようだ。
俺は、リネラスがセレンから借りてきたイルカリュックに、ダンジョンコアを入れると総督府の建物の中に足を踏み入れる。
すると、そこには一人の男が倒れていた。
「ユウマ殿……リネラス殿……」
苦しそうにアレフが必死に俺の手を掴んできた。
「一体どうしたんですか?」
リネラスがアレフに尋ねる。
すると彼は、「そ、それは……言えない……」と、呟いてきた。
俺とリネラスは、彼は何か重要な事を隠していると直感した。
だからこそ……その思いの強さに。
「あ、そうですか。カレイドスコープの魔物の討伐は終わりました」
答えて、会えて聞かないことにする。
「さて、リネラス。俺達も、そろそろ帰るとするか? 今回のカレイドスコープの事件は、俺達には関係ないからな!」
「ええ、そうね。冒険者ギルドが仕方なく討伐を手伝っただけに過ぎないものね!」
俺のリネラスは絶妙な話し方で、自分達は【カレイドスコープ】には関わっていませんとアピールをする。
そして総督府の建物出口に向かうと。
「待ってくれ!」
アレフの言葉に俺とリネラスは足を止める。
するとアレフは、上目づかいに俺達を見てくると。
「実は、妻が……妻が……浮気者の男達が住む町からは出ていくと……」
「浮気者の男達が住む町?」
リネラスがアレフに問いただすとポツポツと言葉を並べていく。
その内容は――果たして……。
アレフの証言から30分後。
俺達は、町の通りを歩いていた。
町は静かそのものであり、周囲からは。
「実家に帰らせて頂きます!」
「もう、あの人はパパじゃないからね!」
「貴方には愛想がつきました!」
などなど、色々大衆多様な男女間の終わりを告げる声が聞こえてくる。
どうやら、アレフの言うとおり……海の港町カレイドスコープは浮気の町でもあったようだ。
浮気率99.8%。
1000人に998人が浮気している町。
何と言うか……リネラス曰く、「滅んだ方が良かったんじゃない?」と、までリネラスは突っ込みを入れていた。
何はともあれ、リアル充実していた海の港町カレイドスコープの総督府代官アレフは独身になり、海の港町カレイドスコープの男達も、妻や彼女に逃げられるという結果になったらしい。
まぁ、なんというか自業自得だよな。
そしてそんな俺達は、花屋さんにヘイトが向けられるかも知れないと思い向かっているところなのだ。
簡単に言えば、うちのギルドに所属するから守ってあげるよ! だ。
「リネラス、本当に勧誘するのか?冒険者ギルドに所属してくれるような子には見えなかったんだが」
「ユウマ、確かにアナタの言いたい事は分かる、でも人間はそんなに単純な生き物じゃないの」
それだけ言うとリネラスは足を止める。
俺もリネラスにならって立ち止まって前方を見ると、俺達が数日前に【エターナルフィーリング】を購入した店の前には住民が押しかけていた。
なるほど、こうなることをリネラスは予測していた訳か。
まったくリネラスに関わったばかりに……。
「責任者をだせ!」
「【エターナルフィーリング】を扱ってるお店はここしかないんだ!離婚させられたら責任とれるのかー!」
「あんなに【エターナルフィーリング】を配布するなんてひどい!」
「無闇な栽培は禁止されてる知ってるのか?」
「男の人権を蔑ろにする【エターナルフィーリング】の根絶をー」
「おらー責任者だせやー」
俺は、嫉妬と怒りと色々モロモロな感情に支配されている男達を見て溜息をつく。
「全部、言いがかりに近いな。きっと花屋主人のユリカとか困ってそうだ。助けにいくか」
俺の言葉にリネラスは頷く。
そして、花屋に押しかけていた住民の間と、花屋建物の間に割ってはいる。
怒りのあまり頭に血が上った男は叫びながら――。
「なんだお前らは!」
と、一人の男がリネラスに掴みかかろうとした。
俺はとっさにリネラスを掴もうとした腕をとり投げ飛ばすと男達を見る。
リネラスは俺の隣で建物を見上げながら確認をしてくる。
「ああ、たぶん……ここで間違いはないはずだ」
俺は3階建ての建物を見て頷く。
建物の至るところ、窓ガラスが割れていて正面のドアも壊れている。
まるで魔物か何かに襲われてた後のようだ。
俺は、リネラスがセレンから借りてきたイルカリュックに、ダンジョンコアを入れると総督府の建物の中に足を踏み入れる。
すると、そこには一人の男が倒れていた。
「ユウマ殿……リネラス殿……」
苦しそうにアレフが必死に俺の手を掴んできた。
「一体どうしたんですか?」
リネラスがアレフに尋ねる。
すると彼は、「そ、それは……言えない……」と、呟いてきた。
俺とリネラスは、彼は何か重要な事を隠していると直感した。
だからこそ……その思いの強さに。
「あ、そうですか。カレイドスコープの魔物の討伐は終わりました」
答えて、会えて聞かないことにする。
「さて、リネラス。俺達も、そろそろ帰るとするか? 今回のカレイドスコープの事件は、俺達には関係ないからな!」
「ええ、そうね。冒険者ギルドが仕方なく討伐を手伝っただけに過ぎないものね!」
俺のリネラスは絶妙な話し方で、自分達は【カレイドスコープ】には関わっていませんとアピールをする。
そして総督府の建物出口に向かうと。
「待ってくれ!」
アレフの言葉に俺とリネラスは足を止める。
するとアレフは、上目づかいに俺達を見てくると。
「実は、妻が……妻が……浮気者の男達が住む町からは出ていくと……」
「浮気者の男達が住む町?」
リネラスがアレフに問いただすとポツポツと言葉を並べていく。
その内容は――果たして……。
アレフの証言から30分後。
俺達は、町の通りを歩いていた。
町は静かそのものであり、周囲からは。
「実家に帰らせて頂きます!」
「もう、あの人はパパじゃないからね!」
「貴方には愛想がつきました!」
などなど、色々大衆多様な男女間の終わりを告げる声が聞こえてくる。
どうやら、アレフの言うとおり……海の港町カレイドスコープは浮気の町でもあったようだ。
浮気率99.8%。
1000人に998人が浮気している町。
何と言うか……リネラス曰く、「滅んだ方が良かったんじゃない?」と、までリネラスは突っ込みを入れていた。
何はともあれ、リアル充実していた海の港町カレイドスコープの総督府代官アレフは独身になり、海の港町カレイドスコープの男達も、妻や彼女に逃げられるという結果になったらしい。
まぁ、なんというか自業自得だよな。
そしてそんな俺達は、花屋さんにヘイトが向けられるかも知れないと思い向かっているところなのだ。
簡単に言えば、うちのギルドに所属するから守ってあげるよ! だ。
「リネラス、本当に勧誘するのか?冒険者ギルドに所属してくれるような子には見えなかったんだが」
「ユウマ、確かにアナタの言いたい事は分かる、でも人間はそんなに単純な生き物じゃないの」
それだけ言うとリネラスは足を止める。
俺もリネラスにならって立ち止まって前方を見ると、俺達が数日前に【エターナルフィーリング】を購入した店の前には住民が押しかけていた。
なるほど、こうなることをリネラスは予測していた訳か。
まったくリネラスに関わったばかりに……。
「責任者をだせ!」
「【エターナルフィーリング】を扱ってるお店はここしかないんだ!離婚させられたら責任とれるのかー!」
「あんなに【エターナルフィーリング】を配布するなんてひどい!」
「無闇な栽培は禁止されてる知ってるのか?」
「男の人権を蔑ろにする【エターナルフィーリング】の根絶をー」
「おらー責任者だせやー」
俺は、嫉妬と怒りと色々モロモロな感情に支配されている男達を見て溜息をつく。
「全部、言いがかりに近いな。きっと花屋主人のユリカとか困ってそうだ。助けにいくか」
俺の言葉にリネラスは頷く。
そして、花屋に押しかけていた住民の間と、花屋建物の間に割ってはいる。
怒りのあまり頭に血が上った男は叫びながら――。
「なんだお前らは!」
と、一人の男がリネラスに掴みかかろうとした。
俺はとっさにリネラスを掴もうとした腕をとり投げ飛ばすと男達を見る。
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