【書籍化作品】無名の最強魔法師
花屋ユリカさん、ギルドメンバーに加わる(前編)
「ユリカ! よかったらうちのギルドに来ない?」
「え?……で、でも……私……」
俺はリネラスとユリカを一目見た後に、周囲に視線を向ける。
先ほど演説して帰っていった男達はいい。
問題は、俺の演説を聞いていなかった男達だ。
さて、どうしたものか……。
リネラスに、「ユウマ、だまっててね!」と言われた以上、下手に話さない方がいいだろうし……そうすると男達の間接を外してその悲鳴で足踏みさせたりも……良くないよな……。
「良く聞いて! ユリカ! このままこの町にいたらどうなると思う?」
「どうなる……ん……ですか?」
リネラスの問いかけにユリカが疑問で返している。
どうやら、ユリカはずいぶんと混乱していて思考が停止に近いらしい。
ユリカの状態に気がついたリネラスは、口角をわずかに上げて唇を舐めている。
獲物を狩る顔! そんな顔をリネラスはしている。
まったく……人の不幸は蜜の味とかどう見てもリネラスとか考えてそうだな。
「周りを見てみなさい。たくさんの男達が【エターナルフィーリング】のせいで不幸になったと思っているわ! ユリカ! あなたは間違いなく彼らの慰み物になってしまうの!」
「えええええええええー」
男達はリネラスの声に「そんな事しねーよ!」と言っているが、そんなのはリネラスには届かない。
そして、ユリカにも届かない。
あまりにも非常なリネラス論理を聞かされた事で両耳を塞いでいるから……。
「うう……私、どうすればいいんでしょうか?」
ユリカがリネラスに弱弱しく語りかけている。
そんなリネラスは聖母のように微笑むと。
「大丈夫よ、仕事は私が用意してあげるから……だから、この契約書にサインしてくれれば今日からユリカも冒険者ギルドの一員だからね! この契約書に契約して冒険者ギルド職員になりましょう! そうすれば周りを囲んでる男達からSランク冒険者のユウマが助けてくれるからね!」
「は……はい……」
カレイドスコープの町の男達は、文句言いにきただけだしと言っているが、リネラスに説得させられてしまったユリカを説得する事は不可能だろう。
なにせ、店の前で抗議していたからな……。
あれが無ければ、ユリカがリネラスの冒険者ギルドに入る事は無かったはずなのに。
まったく世の中ってのが分からないものだな。
どうやら2人とも、契約書をつくるために店の中に入るようだな。
リネラスが俺の方へ一瞬視線を向けてきたのも店の前でガードしてろって意味だろう。
俺は、二人が花屋の中に入っていくのを確認するとすぐに花屋の扉を閉めると、扉の前に立ち男達へ視線を向けた。
それからしばらくすると日差しが強くなってきたこともありフードをかぶる。
さらに時間は経過する。
「ふむ……暇だな……」
「貴殿がSランク冒険者ということで、お間違いないでしょうか?」
突然、聞き覚えのある声で話しかけられた。
視線を動かすとそこには、赤い髪を紐でまとめて背中に流しているエルスが立っていた。
今の姿は頭からフードを被っておりエルスには俺だと言う事が分からないのだろう。
「エルスか? どうかしたのか?」
俺はフードを脱ぐ。
すると……。
「……ユ、ユウマ? どうしてここにいるんだ?」
「どうして、ここに居ると聞かれてもな……」
さて何と答えたらいいものか……。
エルスは、冒険者ギルドマスターを探しているからな。
Sランク冒険者が居る所には冒険者ギルドマスターはいるものだし。
「花を購入しにきたんだ」
「なるほど。そういえば、ユウマ。【エターナルフィーリング】が町中に繁殖して大変だったと、先ほカレイドスコープに戻ってきてから聞いたが、何か知らないか?」
俺はエルスの言葉に肩を竦める。
「俺も町にきたばかりだからな……全然知らないな」
「え?……で、でも……私……」
俺はリネラスとユリカを一目見た後に、周囲に視線を向ける。
先ほど演説して帰っていった男達はいい。
問題は、俺の演説を聞いていなかった男達だ。
さて、どうしたものか……。
リネラスに、「ユウマ、だまっててね!」と言われた以上、下手に話さない方がいいだろうし……そうすると男達の間接を外してその悲鳴で足踏みさせたりも……良くないよな……。
「良く聞いて! ユリカ! このままこの町にいたらどうなると思う?」
「どうなる……ん……ですか?」
リネラスの問いかけにユリカが疑問で返している。
どうやら、ユリカはずいぶんと混乱していて思考が停止に近いらしい。
ユリカの状態に気がついたリネラスは、口角をわずかに上げて唇を舐めている。
獲物を狩る顔! そんな顔をリネラスはしている。
まったく……人の不幸は蜜の味とかどう見てもリネラスとか考えてそうだな。
「周りを見てみなさい。たくさんの男達が【エターナルフィーリング】のせいで不幸になったと思っているわ! ユリカ! あなたは間違いなく彼らの慰み物になってしまうの!」
「えええええええええー」
男達はリネラスの声に「そんな事しねーよ!」と言っているが、そんなのはリネラスには届かない。
そして、ユリカにも届かない。
あまりにも非常なリネラス論理を聞かされた事で両耳を塞いでいるから……。
「うう……私、どうすればいいんでしょうか?」
ユリカがリネラスに弱弱しく語りかけている。
そんなリネラスは聖母のように微笑むと。
「大丈夫よ、仕事は私が用意してあげるから……だから、この契約書にサインしてくれれば今日からユリカも冒険者ギルドの一員だからね! この契約書に契約して冒険者ギルド職員になりましょう! そうすれば周りを囲んでる男達からSランク冒険者のユウマが助けてくれるからね!」
「は……はい……」
カレイドスコープの町の男達は、文句言いにきただけだしと言っているが、リネラスに説得させられてしまったユリカを説得する事は不可能だろう。
なにせ、店の前で抗議していたからな……。
あれが無ければ、ユリカがリネラスの冒険者ギルドに入る事は無かったはずなのに。
まったく世の中ってのが分からないものだな。
どうやら2人とも、契約書をつくるために店の中に入るようだな。
リネラスが俺の方へ一瞬視線を向けてきたのも店の前でガードしてろって意味だろう。
俺は、二人が花屋の中に入っていくのを確認するとすぐに花屋の扉を閉めると、扉の前に立ち男達へ視線を向けた。
それからしばらくすると日差しが強くなってきたこともありフードをかぶる。
さらに時間は経過する。
「ふむ……暇だな……」
「貴殿がSランク冒険者ということで、お間違いないでしょうか?」
突然、聞き覚えのある声で話しかけられた。
視線を動かすとそこには、赤い髪を紐でまとめて背中に流しているエルスが立っていた。
今の姿は頭からフードを被っておりエルスには俺だと言う事が分からないのだろう。
「エルスか? どうかしたのか?」
俺はフードを脱ぐ。
すると……。
「……ユ、ユウマ? どうしてここにいるんだ?」
「どうして、ここに居ると聞かれてもな……」
さて何と答えたらいいものか……。
エルスは、冒険者ギルドマスターを探しているからな。
Sランク冒険者が居る所には冒険者ギルドマスターはいるものだし。
「花を購入しにきたんだ」
「なるほど。そういえば、ユウマ。【エターナルフィーリング】が町中に繁殖して大変だったと、先ほカレイドスコープに戻ってきてから聞いたが、何か知らないか?」
俺はエルスの言葉に肩を竦める。
「俺も町にきたばかりだからな……全然知らないな」
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