【書籍化作品】無名の最強魔法師
朝起きたら修羅場が待っていた!(1)
「それは……残念です。とても良い種族名だと思ったのですけど……今度、族長に提案してみますね」
「そ、そうか……ま、まぁ、がんばれよ。ついで俺が言ったということに関しては――」
「はい! きちんとユウマさんが素晴らしい種族名を提案してくれたと族長に、お伝えしておきます!」
「いや、別に言わなくてもいいから……」
それに、エリンフィートとか絶対に許可出さないと思うし。
それにしても、本当にこいつらエルフは人の話を聞かないよな……。
――っていうか、俺の周りに集まってくるやつで、常識ある人間って俺を含めたらイノンとユリカとエメラダくらいじゃないだろうか?
「とにかくだ。今日は、このくらいで宴をしめないか?」
これ以上、宴をしていても時間の浪費にしかならない気がするからな。
「ええー……」
エイフィルが不満そうな顔で俺を見てくる。
アンネや他のエルフ達も、ジッと俺を見て何か言葉を待っているかのよう。
なんだが、俺の一言で宴が静まり返ってしまっていた。
「――あ、その……そ、そうですね。ユウマさんも森の中を戻らないといけないんですよね?」
「そうだな」
俺はサマラの言葉に即、同意する。
どうやらサマラは、場を取り持つことを考えてくれたようだな。
サマラの言葉を聞いたエイフィルやアンネをを含んだエルフ達は、顔を見合わせたあとに、「そうですよね。ユウマさんは森の中を走って戻るんですから、日の暮れてますし……早めに切り上げた方が」と話し始めた。
どうやら、なんとか場をうまく納めて解散させる事が出来るようだな。
「今日は、宴を催してくれたことを感謝する。しばらくはエルフガーデン――リネラスの母親であるリンスタットさんが暮らしている場所の付近で暮らす予定だから、何かあったら頼ってきてくれ」
俺の言葉を聞いたエルフ達は、一瞬何を言われたのか分かってはいないようで、呆けていたが理解すると頷いてくる。
室内から出ると、すでに日は沈んでいた。
エルフが暮らしている場所ということだけあって、街路灯などは存在しておらず辺り一面は暗闇に閉ざされている。
俺は頭の中で事象を構築し上空へ魔法を放つ。
発動した魔法は、上空数百メートルの位置で爆音を響かせると辺り一面を照らし出す。
所謂、【照明弾】の原理に近い魔法。
それらを10発近く上空で展開させていくと。
「ユウマさん、その魔法は……」
振り返るとサマラ達が驚愕の表情をして俺を見てきている。
エルフ達は、木や草についての造形は深いかもしれないが、それでも俺の中に存在している地球の知識には及ばないと思う。
「あれだな……明かりの魔法だ」
「あ、あれが……明かりの魔法ですか?」
「そうだな……」
サマラの問いかけに俺は頷きながらも額から汗を流していた。
俺の照明魔法の音で、休んでいたエルフ達が建物の中から出て来て上空を見上げて指さしているから。
「それじゃ、またな!」
樹上であるエルフガーデンの道から、俺は飛び降りる。
「ユウマさん!?」
サマラは驚いた声で叫んでくるが俺にとっては、樹上から飛び降りても何の問題はない。
「それじゃ、サマラ。あとは任せたぞ!」
――次の日の朝、【移動式冒険者ギルド宿屋】では……。
「ユウマさん、朝ですよー!」
部屋の外――扉の向こう側からイノンの声が聞こえてくる。
イノンは、いつも朝早くから朝食を作ってから各自の部屋に挨拶をして回っている。
各自の部屋を回るのはフィンデイカ村で、宿屋の手伝いをしていた頃からの習慣らしくイノンはずっと繰り返している。
別にやらなくてもいいと思うんだが、イノンにも譲れないことらしい。
昨日の夜に暗闇に閉ざされた森の中を走って、襲ってきた魔物を倒して戻ってきたこともあり少し疲れていた。
その事からイノンの声を聞いて一瞬だけ目を覚ましたが――。
まぁ、今日は何かする事もないしゆっくり眠るとしよう!
「そ、そうか……ま、まぁ、がんばれよ。ついで俺が言ったということに関しては――」
「はい! きちんとユウマさんが素晴らしい種族名を提案してくれたと族長に、お伝えしておきます!」
「いや、別に言わなくてもいいから……」
それに、エリンフィートとか絶対に許可出さないと思うし。
それにしても、本当にこいつらエルフは人の話を聞かないよな……。
――っていうか、俺の周りに集まってくるやつで、常識ある人間って俺を含めたらイノンとユリカとエメラダくらいじゃないだろうか?
「とにかくだ。今日は、このくらいで宴をしめないか?」
これ以上、宴をしていても時間の浪費にしかならない気がするからな。
「ええー……」
エイフィルが不満そうな顔で俺を見てくる。
アンネや他のエルフ達も、ジッと俺を見て何か言葉を待っているかのよう。
なんだが、俺の一言で宴が静まり返ってしまっていた。
「――あ、その……そ、そうですね。ユウマさんも森の中を戻らないといけないんですよね?」
「そうだな」
俺はサマラの言葉に即、同意する。
どうやらサマラは、場を取り持つことを考えてくれたようだな。
サマラの言葉を聞いたエイフィルやアンネをを含んだエルフ達は、顔を見合わせたあとに、「そうですよね。ユウマさんは森の中を走って戻るんですから、日の暮れてますし……早めに切り上げた方が」と話し始めた。
どうやら、なんとか場をうまく納めて解散させる事が出来るようだな。
「今日は、宴を催してくれたことを感謝する。しばらくはエルフガーデン――リネラスの母親であるリンスタットさんが暮らしている場所の付近で暮らす予定だから、何かあったら頼ってきてくれ」
俺の言葉を聞いたエルフ達は、一瞬何を言われたのか分かってはいないようで、呆けていたが理解すると頷いてくる。
室内から出ると、すでに日は沈んでいた。
エルフが暮らしている場所ということだけあって、街路灯などは存在しておらず辺り一面は暗闇に閉ざされている。
俺は頭の中で事象を構築し上空へ魔法を放つ。
発動した魔法は、上空数百メートルの位置で爆音を響かせると辺り一面を照らし出す。
所謂、【照明弾】の原理に近い魔法。
それらを10発近く上空で展開させていくと。
「ユウマさん、その魔法は……」
振り返るとサマラ達が驚愕の表情をして俺を見てきている。
エルフ達は、木や草についての造形は深いかもしれないが、それでも俺の中に存在している地球の知識には及ばないと思う。
「あれだな……明かりの魔法だ」
「あ、あれが……明かりの魔法ですか?」
「そうだな……」
サマラの問いかけに俺は頷きながらも額から汗を流していた。
俺の照明魔法の音で、休んでいたエルフ達が建物の中から出て来て上空を見上げて指さしているから。
「それじゃ、またな!」
樹上であるエルフガーデンの道から、俺は飛び降りる。
「ユウマさん!?」
サマラは驚いた声で叫んでくるが俺にとっては、樹上から飛び降りても何の問題はない。
「それじゃ、サマラ。あとは任せたぞ!」
――次の日の朝、【移動式冒険者ギルド宿屋】では……。
「ユウマさん、朝ですよー!」
部屋の外――扉の向こう側からイノンの声が聞こえてくる。
イノンは、いつも朝早くから朝食を作ってから各自の部屋に挨拶をして回っている。
各自の部屋を回るのはフィンデイカ村で、宿屋の手伝いをしていた頃からの習慣らしくイノンはずっと繰り返している。
別にやらなくてもいいと思うんだが、イノンにも譲れないことらしい。
昨日の夜に暗闇に閉ざされた森の中を走って、襲ってきた魔物を倒して戻ってきたこともあり少し疲れていた。
その事からイノンの声を聞いて一瞬だけ目を覚ましたが――。
まぁ、今日は何かする事もないしゆっくり眠るとしよう!
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