【書籍化作品】無名の最強魔法師
従属神襲撃(8)
「体が――体がうごかな……」
「知っているか? 大気を圧縮して相手を上空から押さえつける方法を――」
「何を言って……」
俺は、どこまでも静まり返った声色で話す。
「お前に細かく説明するつもりも、する気もない――」
ゆっくりと視線をラミアと姿形が似ているアルグージャへと視線を向ける。
目が合った瞬間、目の前の魔物は恐怖の顔色を浮かべた。
「何を怯えている? 何を恐れている? 何を思い浮かべた?」
言葉を――。
自分の中から浮かんでくる思いを――。
ゆっくりと口から……。
吐き出すように。
自分を納得させるかのように。
相手へ自分の怒りをぶつけるように。
俺は口を開き――話す。
「ユウマさん? それは……」
俺に声をかけてきたエリンフィートの方を振り返る。
そこには、悲痛な表情をしているエリンフィートが立っており、何かを話そうとしてきたが、エリンフィートに向けて「俺に、話しかけるな」と、小さく呟いたあとに、アルグージャの方へ視線を向ける。
「ヒイイイイ。なんだ……何なのだ? どうして――世界が、人間に……人間ごときに力を貸すのだ! どうして――!?」
「お前が! 俺に! 問いかけてくるな!」
瞬時に、アルグージャに近づくと抵抗すら許さずに左手を捻り千切る。
「ギャアアアアアア」
「うるさい!」
痛みでのたうち回る顔を踏みつける。
化け物のアゴが砕け、痛みか知らないが長い蛇のような尾で何度も地面を叩いている様子が視界に入った。
目障りだな――。
とても目障りだ。
「【風刃】」
ごく自然に俺は、真空の刃を飛ばしてラミアたる尾を斬り飛ばす。
「これで――静かになっただろ?」
「なんなんだ? お前は一体……何なのだ? 魔王と聞いていたが……これは魔王なんかではない。こんな化け物をウラヌス神様は、倒そうと……ッ!?」
殴る。
アルグージャの体を。
髪の毛を掴んで持ち上げて顔を殴る。
掴んでいた髪の毛が引き千切れ――アルグージャの体が、何度も地面の上を撥ねながら転がっていく。
「こんなものか――」
苛立ちが治まらない。
怒りが押さえきれない。
憎しみが――。
誰かに、この怒りを憎しみをぶつけたい。
「こんなものなのか? お前たち、ウラヌス教は――」
地面の上で横たわっていたアルグージャの体、その腹部を踏みつける。
浅い呼吸が聞こえてくる。
それは痛みに耐えているからだろう。
不快だ――。
どこまでも不快で苛立ちが募って許しがたい。
「どうして……どうして……どうして、お前たちは、自分たちの為に誰がを害するくせに、誰かを傷つけるくせに、どうして――」
そんな顔をして――命乞いをするような表情を見せてくるんだ!
「ユウマさん――」
気が付けばエリンフィートが俺の右手を両手で掴んでいた。
そうか――。
俺は……。
紫色の血で濡れた拳を見て俺はようやく気が付く。
「ユウマさん、それ以上はいけません。命乞いをしてるような者を殺すのは――」
「分かってる。分かっているからこそ……」
俺は、エリンフィートの両手を振りほどく。
そう、全ては俺の危機管理が足りなかったから。
きちんとしていれば、アルグージャが襲撃しに来たのも気が付くことが出来ただろう。
なのに――。
俺は……俺は……。
妹の為にアライ村を出てきたというのに。
ウラヌス教と敵対していたというのに。
その事を忘れて。
「これは、俺の罪だ――」
そう、全ては俺が敵対していたウラヌス教を軽視していたからこそ起きた事に他らない。
だから――。
「だから殺すんだ。俺のこの手で――」
「命乞いをしてる者をですか? その手で殺すというのですか?」
「ああ……」
俺の言葉を聞いたエリンフィートは。
「知っているか? 大気を圧縮して相手を上空から押さえつける方法を――」
「何を言って……」
俺は、どこまでも静まり返った声色で話す。
「お前に細かく説明するつもりも、する気もない――」
ゆっくりと視線をラミアと姿形が似ているアルグージャへと視線を向ける。
目が合った瞬間、目の前の魔物は恐怖の顔色を浮かべた。
「何を怯えている? 何を恐れている? 何を思い浮かべた?」
言葉を――。
自分の中から浮かんでくる思いを――。
ゆっくりと口から……。
吐き出すように。
自分を納得させるかのように。
相手へ自分の怒りをぶつけるように。
俺は口を開き――話す。
「ユウマさん? それは……」
俺に声をかけてきたエリンフィートの方を振り返る。
そこには、悲痛な表情をしているエリンフィートが立っており、何かを話そうとしてきたが、エリンフィートに向けて「俺に、話しかけるな」と、小さく呟いたあとに、アルグージャの方へ視線を向ける。
「ヒイイイイ。なんだ……何なのだ? どうして――世界が、人間に……人間ごときに力を貸すのだ! どうして――!?」
「お前が! 俺に! 問いかけてくるな!」
瞬時に、アルグージャに近づくと抵抗すら許さずに左手を捻り千切る。
「ギャアアアアアア」
「うるさい!」
痛みでのたうち回る顔を踏みつける。
化け物のアゴが砕け、痛みか知らないが長い蛇のような尾で何度も地面を叩いている様子が視界に入った。
目障りだな――。
とても目障りだ。
「【風刃】」
ごく自然に俺は、真空の刃を飛ばしてラミアたる尾を斬り飛ばす。
「これで――静かになっただろ?」
「なんなんだ? お前は一体……何なのだ? 魔王と聞いていたが……これは魔王なんかではない。こんな化け物をウラヌス神様は、倒そうと……ッ!?」
殴る。
アルグージャの体を。
髪の毛を掴んで持ち上げて顔を殴る。
掴んでいた髪の毛が引き千切れ――アルグージャの体が、何度も地面の上を撥ねながら転がっていく。
「こんなものか――」
苛立ちが治まらない。
怒りが押さえきれない。
憎しみが――。
誰かに、この怒りを憎しみをぶつけたい。
「こんなものなのか? お前たち、ウラヌス教は――」
地面の上で横たわっていたアルグージャの体、その腹部を踏みつける。
浅い呼吸が聞こえてくる。
それは痛みに耐えているからだろう。
不快だ――。
どこまでも不快で苛立ちが募って許しがたい。
「どうして……どうして……どうして、お前たちは、自分たちの為に誰がを害するくせに、誰かを傷つけるくせに、どうして――」
そんな顔をして――命乞いをするような表情を見せてくるんだ!
「ユウマさん――」
気が付けばエリンフィートが俺の右手を両手で掴んでいた。
そうか――。
俺は……。
紫色の血で濡れた拳を見て俺はようやく気が付く。
「ユウマさん、それ以上はいけません。命乞いをしてるような者を殺すのは――」
「分かってる。分かっているからこそ……」
俺は、エリンフィートの両手を振りほどく。
そう、全ては俺の危機管理が足りなかったから。
きちんとしていれば、アルグージャが襲撃しに来たのも気が付くことが出来ただろう。
なのに――。
俺は……俺は……。
妹の為にアライ村を出てきたというのに。
ウラヌス教と敵対していたというのに。
その事を忘れて。
「これは、俺の罪だ――」
そう、全ては俺が敵対していたウラヌス教を軽視していたからこそ起きた事に他らない。
だから――。
「だから殺すんだ。俺のこの手で――」
「命乞いをしてる者をですか? その手で殺すというのですか?」
「ああ……」
俺の言葉を聞いたエリンフィートは。
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