【書籍化作品】無名の最強魔法師
姉妹の思い出(5)
用意された白い陶器に注がれた紅茶の匂いを嗜む。
それは、まるで王侯貴族のように――。
まぁ、俺が座っているのは、何の変哲もない酒場と食堂が兼用されているよう場所に置かれている粗末な椅子なわけだが……
俺は、テーブルの上に置かれている朝食用の硬く焼かれたボソボソな食感のパンをむしって食べる。
口の中が乾いていけない。
いつもの、モフッとしたような心地よい歯ざわりがないのもマイナスポイントだ。
ただ、俺のことを気にかけて作ってくれた食事に文句を言うわけにはいかない。
アライ村でなら、俺が作っていたところだ。
「ふう……」
「どうかしたんですか?」
思わず、小さく溜息が出てしまう。
本当に無意識であった。
どうやらユリカも自分の料理を食べた周りの表情を見て心境としては微妙だったようで――。
「いや、ちょっと朝の事を思い出してな……」
さすがに心を込めて作ってくれたモノを不味いんじゃー! とか言ったら周りから文句を言われてしまう。
心遣いと周りへの心配りが出来る俺としては、そんなことはできない。
俺は乾いた口を潤すために、ユリカが作ってくれた野菜スープを口に含む。
もちろん、味が薄いなと心の中で愚痴を零しつつも、そんなことは口にはしない。
「あ、あの……言いたい事があったらハッキリと言ってくれていいんですよ?」
「何を言っている? ととと、とってもおいしいぞ?」
ユリカは、半眼になり俺の顔をジッと見てくる。
そして、そんな周りではユリカが作った朝食を全員が食べている。
まぁ全員と言うのは多少、誇張があるかもしれないが。
ユリカの視線に居た堪れなくなった俺は、紅茶が注がれていた陶器に手を伸ばし――。
「――む? 紅茶がないぞ? そこのメイド!」
「…………」
ふむ……。
何やら小声で言っているのは分かるが、柱に隠れているおかげで全体像を見ることが出来ない。
やれやれ……。
これではメイド失格だな。
「おい! そこのメイド! いや、駄メイド! ご主人様の紅茶が無くなったぞ! さっさと仕事をしないか?」
「ユ、ユウマ。こ、これは……ちょっと――」
駄メイドは、顔を真っ赤にしたまま、柱に体全体を隠して何やら抗議をしてくるが。
「お前が、どんな罰でも受けるって言ったから、それで手を打ったんだろう? そして、メイド姿ならメイドの仕事をするのが社会というか世界というか俺のルールだ!」
「あんた……とうとうぶっちゃけたわね――」
やれやれ、ああ言えばこう言うやつだな。
理屈ばかり捏ねて、自分は悪くないというのは、まったくもってどうなんだ?
「お前は何も分かってないな!」
「分かってるから! アンタが変態だって事くらいは!」
「おいおい、何を言っているんだ?」
俺を肩を竦めながらメイドの目を真っ直ぐに見る。
その目は、どこか怒りが内包されていてぞくぞくしてしまう。
そして、真っ白な表情が赤く染まっていることも相まって、とってもいいです!
「変態ってのは、万人に受けないから変態なんだろう? つまり、俺の趣味じゃなくて貴族の館にいるようなメイド。それは仕事人であって! 変態ではない! ……と、いうことはだ! 俺の思考は一般的であってお前が、メイドという職に対して偏見を持って、そんな羞恥心あふれるような表情をするのがいい! じゃなくて羞恥心あるような表情をするのが駄目だと俺は思うが、どうだろうか?」
そこまで、正論を言ったあと俺はテーブルの上に置かれている白い陶器、つまりティーカップを人差し指で弾く。
「ほら! 偏見ばかり持たずにさっさと紅茶を注ぎたまえ! 駄メイド! そんなところにいたら、いつまでたってもお仕事は終わらないぞ?」
「うう……いつか、あんた、いつかぶっころ……」
柱から駄メイドが姿を現す。
その服装は、黒の上下ビキニに、白いエプロンドレスを着ただけで、あとは太ももまで白いニーハイを履いただけ――。
とっても眼福だ。
もちろん、妹の服を魔法や魔物や植物を使って、試行錯誤して作ってきた俺にとって、メイド服を作るなんて造作も無いこと。
いくら、胸が! まな板! と言っても、そこは女子。
他の比べればだけだから、普通に胸もそこそこあったりする。
そんなリネラス用にオーダーメイドに作ったのが、黒のビキニメイド服。
さすが俺だ! と自画自賛できるくらい完璧に仕上がってたりする。
そんな格好を見て、俺以外の女性陣は全員俺に白い目を向けてきていたが、まぁ、一度は着てたいという欲求があるのは分かるが、露骨にそこまで見られても困ってしまう。
まぁ、頼まれれば作ってやらんでもないが――。
それは、まるで王侯貴族のように――。
まぁ、俺が座っているのは、何の変哲もない酒場と食堂が兼用されているよう場所に置かれている粗末な椅子なわけだが……
俺は、テーブルの上に置かれている朝食用の硬く焼かれたボソボソな食感のパンをむしって食べる。
口の中が乾いていけない。
いつもの、モフッとしたような心地よい歯ざわりがないのもマイナスポイントだ。
ただ、俺のことを気にかけて作ってくれた食事に文句を言うわけにはいかない。
アライ村でなら、俺が作っていたところだ。
「ふう……」
「どうかしたんですか?」
思わず、小さく溜息が出てしまう。
本当に無意識であった。
どうやらユリカも自分の料理を食べた周りの表情を見て心境としては微妙だったようで――。
「いや、ちょっと朝の事を思い出してな……」
さすがに心を込めて作ってくれたモノを不味いんじゃー! とか言ったら周りから文句を言われてしまう。
心遣いと周りへの心配りが出来る俺としては、そんなことはできない。
俺は乾いた口を潤すために、ユリカが作ってくれた野菜スープを口に含む。
もちろん、味が薄いなと心の中で愚痴を零しつつも、そんなことは口にはしない。
「あ、あの……言いたい事があったらハッキリと言ってくれていいんですよ?」
「何を言っている? ととと、とってもおいしいぞ?」
ユリカは、半眼になり俺の顔をジッと見てくる。
そして、そんな周りではユリカが作った朝食を全員が食べている。
まぁ全員と言うのは多少、誇張があるかもしれないが。
ユリカの視線に居た堪れなくなった俺は、紅茶が注がれていた陶器に手を伸ばし――。
「――む? 紅茶がないぞ? そこのメイド!」
「…………」
ふむ……。
何やら小声で言っているのは分かるが、柱に隠れているおかげで全体像を見ることが出来ない。
やれやれ……。
これではメイド失格だな。
「おい! そこのメイド! いや、駄メイド! ご主人様の紅茶が無くなったぞ! さっさと仕事をしないか?」
「ユ、ユウマ。こ、これは……ちょっと――」
駄メイドは、顔を真っ赤にしたまま、柱に体全体を隠して何やら抗議をしてくるが。
「お前が、どんな罰でも受けるって言ったから、それで手を打ったんだろう? そして、メイド姿ならメイドの仕事をするのが社会というか世界というか俺のルールだ!」
「あんた……とうとうぶっちゃけたわね――」
やれやれ、ああ言えばこう言うやつだな。
理屈ばかり捏ねて、自分は悪くないというのは、まったくもってどうなんだ?
「お前は何も分かってないな!」
「分かってるから! アンタが変態だって事くらいは!」
「おいおい、何を言っているんだ?」
俺を肩を竦めながらメイドの目を真っ直ぐに見る。
その目は、どこか怒りが内包されていてぞくぞくしてしまう。
そして、真っ白な表情が赤く染まっていることも相まって、とってもいいです!
「変態ってのは、万人に受けないから変態なんだろう? つまり、俺の趣味じゃなくて貴族の館にいるようなメイド。それは仕事人であって! 変態ではない! ……と、いうことはだ! 俺の思考は一般的であってお前が、メイドという職に対して偏見を持って、そんな羞恥心あふれるような表情をするのがいい! じゃなくて羞恥心あるような表情をするのが駄目だと俺は思うが、どうだろうか?」
そこまで、正論を言ったあと俺はテーブルの上に置かれている白い陶器、つまりティーカップを人差し指で弾く。
「ほら! 偏見ばかり持たずにさっさと紅茶を注ぎたまえ! 駄メイド! そんなところにいたら、いつまでたってもお仕事は終わらないぞ?」
「うう……いつか、あんた、いつかぶっころ……」
柱から駄メイドが姿を現す。
その服装は、黒の上下ビキニに、白いエプロンドレスを着ただけで、あとは太ももまで白いニーハイを履いただけ――。
とっても眼福だ。
もちろん、妹の服を魔法や魔物や植物を使って、試行錯誤して作ってきた俺にとって、メイド服を作るなんて造作も無いこと。
いくら、胸が! まな板! と言っても、そこは女子。
他の比べればだけだから、普通に胸もそこそこあったりする。
そんなリネラス用にオーダーメイドに作ったのが、黒のビキニメイド服。
さすが俺だ! と自画自賛できるくらい完璧に仕上がってたりする。
そんな格好を見て、俺以外の女性陣は全員俺に白い目を向けてきていたが、まぁ、一度は着てたいという欲求があるのは分かるが、露骨にそこまで見られても困ってしまう。
まぁ、頼まれれば作ってやらんでもないが――。
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