【書籍化作品】無名の最強魔法師
世紀末エルフチーム(2)
まったく、ひどい言い方だ。
まるで、俺が非常識な人間の塊のようではないか? と思わず突っ込まずはいられない。
「分かった、そしたらエルフでも簡単にレッドドラゴンを倒せる方法を伝授するから」
俺の言葉に「レッドドラゴンと戦わせるように聞こえるんですけど……」と聞こえてくるが、俺はもちろんと頷く。
「まぁ、最初は初心者コースってことでワイバーンから倒せるようにならないとな!」
「し、しょ、初心者でワイバーンですか? そのウサギでも狩るような言い方をされても……」
アンネが体を震わせながら聞いてくる。
「大丈夫だ! 今回は、俺がずっと着いていてやるし、即死しない限り肉体を蘇生してやるから! だから、安心して戦うといい。さて――」
俺はアンネの問いかけに答えながらも【探索】の魔法を発動させる。
「近くに何匹かワイバーンがいるな。よし、みんなついてこい!」
「……」
誰も返事をよこしてこない。
やれやれ……どうしたものやら――。
やはり、ここは少しショック療法を与えたほうが良いかも知れないな。
俺は近くの壁を叩き砕けた10センチほどの石を10個ほど腕に抱え込む。
そして、探索の魔法に反応があった方向へと投げる。
まっすぐに石は飛んでいく。
そして、しばらくしてから探索の魔法に反応があった。
どうやら、ワイバーンは動いている。
しかも、円形状に動いているということは、飛んできた石が、どの方向から飛んできたか分からないから探している可能性が高い。
「さて、上手くかかってくれよ!」
俺はエルフ達が見てる前で、石を投擲する。
もちろん、身体強化の魔法は使っていないが、海の迷宮リヴァルアで十分過ぎるほど超人的な肉体を手に入れてる俺から放たれた石は音を置き去りにして、ワイバーンのほうへと飛んでいき……。
探索の魔法からワイバーンの存在が消失した。
「……ふむ……思ったよりワイバーンが弱すぎるな。投擲した石だけで死ぬとか、一応はドラゴンの種族なのに困ったものだ」
俺は溜息をつきながら、もう一つの反応があった方角へと石を投げる。
今度は石で仕留めないように優しく投擲。
5個目の石を投げた時点で、ワイバーンの姿が視界に入った。
「――さて、こういう風にワイバーンを見つけたとしよう!」
ここからは、実践の練習だ。
「サマラ、お前の弓を貸してくれ」
「はい――」
サマラから矢筒と弓を受け取る。
弓の構成は、原始的な形をしていて、弦の部分には植物繊維が使われているのが分かる。
「ふむ……これでは、威力が出ないな――」
頭の中で、魔法式を組み立てていく。
それと同時に魔法を発動。
手に持っている弓の原子構成を組み替えていき、金属結合を行うと同時に弓の構成を組み替える。
そして、手に持っていた弓の生成が完了する。
弓の名は、合成弓と言う。
俺の知識の中にあった弓であり、カーボンチューブと鋼を使い作り出したこともあり、とても軽い。
ただ、その威力と射程は普通の弓よりも遥かに上である。
矢を弦に合わせゆっくりと引いていく。
それと同時に、弓に軽く風の魔法を纏わせる。
威力と貫通力そして飛距離を伸ばすための魔法。
そして、矢を放つ。
射った矢は、鋭い音と共に一瞬でワイバーンの眉間に突き刺さると、鏃に纏わせていた風の魔法が開放され頭が吹き飛ぶ。
俺は一息つくと、合成弓をサマラに渡しながら、もう一度ワイバーンを小石で呼ぶ。
「サマラ! 打ってみろ! 風の魔法を鏃に纏わせるのを忘れずにな!」
「――は、はい」
サマラは慌てて、合成弓を構える。
そして飛翔してくるワイバーンの眉間に向けて風の魔法が掛かっている矢を放ち一撃でワイバーンの頭部を破壊した。
俺のように粉々になるということはないが、一撃で仕留めることが出来たのだ。
上々と言えるだろう。
「さて、サマラでも出来たんだ! お前らでもワイバーン程度なら、すぐに狩れる!」
「え? サマラごとき? え? それって……」
とりあえず、サマラが落ち込んでしまったが、そのへんは理解してもらいたい。
ハードルを下げるように言えば、誰でも自分なら出来るかも知れないと錯覚するものだからな。
まるで、俺が非常識な人間の塊のようではないか? と思わず突っ込まずはいられない。
「分かった、そしたらエルフでも簡単にレッドドラゴンを倒せる方法を伝授するから」
俺の言葉に「レッドドラゴンと戦わせるように聞こえるんですけど……」と聞こえてくるが、俺はもちろんと頷く。
「まぁ、最初は初心者コースってことでワイバーンから倒せるようにならないとな!」
「し、しょ、初心者でワイバーンですか? そのウサギでも狩るような言い方をされても……」
アンネが体を震わせながら聞いてくる。
「大丈夫だ! 今回は、俺がずっと着いていてやるし、即死しない限り肉体を蘇生してやるから! だから、安心して戦うといい。さて――」
俺はアンネの問いかけに答えながらも【探索】の魔法を発動させる。
「近くに何匹かワイバーンがいるな。よし、みんなついてこい!」
「……」
誰も返事をよこしてこない。
やれやれ……どうしたものやら――。
やはり、ここは少しショック療法を与えたほうが良いかも知れないな。
俺は近くの壁を叩き砕けた10センチほどの石を10個ほど腕に抱え込む。
そして、探索の魔法に反応があった方向へと投げる。
まっすぐに石は飛んでいく。
そして、しばらくしてから探索の魔法に反応があった。
どうやら、ワイバーンは動いている。
しかも、円形状に動いているということは、飛んできた石が、どの方向から飛んできたか分からないから探している可能性が高い。
「さて、上手くかかってくれよ!」
俺はエルフ達が見てる前で、石を投擲する。
もちろん、身体強化の魔法は使っていないが、海の迷宮リヴァルアで十分過ぎるほど超人的な肉体を手に入れてる俺から放たれた石は音を置き去りにして、ワイバーンのほうへと飛んでいき……。
探索の魔法からワイバーンの存在が消失した。
「……ふむ……思ったよりワイバーンが弱すぎるな。投擲した石だけで死ぬとか、一応はドラゴンの種族なのに困ったものだ」
俺は溜息をつきながら、もう一つの反応があった方角へと石を投げる。
今度は石で仕留めないように優しく投擲。
5個目の石を投げた時点で、ワイバーンの姿が視界に入った。
「――さて、こういう風にワイバーンを見つけたとしよう!」
ここからは、実践の練習だ。
「サマラ、お前の弓を貸してくれ」
「はい――」
サマラから矢筒と弓を受け取る。
弓の構成は、原始的な形をしていて、弦の部分には植物繊維が使われているのが分かる。
「ふむ……これでは、威力が出ないな――」
頭の中で、魔法式を組み立てていく。
それと同時に魔法を発動。
手に持っている弓の原子構成を組み替えていき、金属結合を行うと同時に弓の構成を組み替える。
そして、手に持っていた弓の生成が完了する。
弓の名は、合成弓と言う。
俺の知識の中にあった弓であり、カーボンチューブと鋼を使い作り出したこともあり、とても軽い。
ただ、その威力と射程は普通の弓よりも遥かに上である。
矢を弦に合わせゆっくりと引いていく。
それと同時に、弓に軽く風の魔法を纏わせる。
威力と貫通力そして飛距離を伸ばすための魔法。
そして、矢を放つ。
射った矢は、鋭い音と共に一瞬でワイバーンの眉間に突き刺さると、鏃に纏わせていた風の魔法が開放され頭が吹き飛ぶ。
俺は一息つくと、合成弓をサマラに渡しながら、もう一度ワイバーンを小石で呼ぶ。
「サマラ! 打ってみろ! 風の魔法を鏃に纏わせるのを忘れずにな!」
「――は、はい」
サマラは慌てて、合成弓を構える。
そして飛翔してくるワイバーンの眉間に向けて風の魔法が掛かっている矢を放ち一撃でワイバーンの頭部を破壊した。
俺のように粉々になるということはないが、一撃で仕留めることが出来たのだ。
上々と言えるだろう。
「さて、サマラでも出来たんだ! お前らでもワイバーン程度なら、すぐに狩れる!」
「え? サマラごとき? え? それって……」
とりあえず、サマラが落ち込んでしまったが、そのへんは理解してもらいたい。
ハードルを下げるように言えば、誰でも自分なら出来るかも知れないと錯覚するものだからな。
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