妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~
34:女は強し
武器屋まではそこまで遠くでもなく、すぐに着いた。
中に入ると、そこには、たくさんの武器があった。人影は見当たらず、見渡しても、武器だらけ、防具も少しはあるが、本当に少しだ。
俺は奥へと進み、目的の短剣を探す。お金はあるし、これからのことも考えて、少しいい物を買おう。
俺が短剣を探していると、後ろから声をかけられた。
「おう、餓鬼がいっちょ前に武器探しか?」
そんな煽るような声が聞こえた。振り返ると、そこには案の定おっさんがいた。
「まぁ、俺のじゃないんだが、短剣を探してる」
「短剣か、ちょっと待ってろ」
そういうと、おっさんは数ある武器の中から、一振りの短剣を取り出した。
「これは、ミスリルでできた短剣だ。おすすめなんだが、お前にはちょっと高すぎたか」
なんかイライラする。人のことを餓鬼っていいやがって
「いくらだ?」
「は?」
「だから! いくらだって聞いている!」
「き、金貨1枚だ」
俺はおっさんに向かって、金貨一枚を指ではじいて渡す。軽い仕返しのつもりだ。
おっさんは、驚きながらも、鞘に短剣を収め、俺に渡してくる。
「お前なにもんだよ、どこかの貴族か?」
「俺の名前はユウだ。で、俺は冒険者だ」
そう言って、俺はおっさんにギルドカードを見せた。もちろんそこにはCランクと書かれているわけで。
「はぁ~? Cランク?」
「そうだ。おっさん、名前は?」
俺も名乗ったんだ。教えてもらうぐらいはいいだろう。
「あ? 俺か、俺はアルレルト。気軽にアルでいいぜ」
「じゃあ、おっさん」
「おい、名前聞いといてそれはないだろ」
おっさんは、肩を落としていた。さっきいじられたお返しだ。
俺はそのまま入口の方へと歩き出す。
「また来る。いい武器置いといてくれよ」
「じゃあ、明日もっかい来い、いい物見せてやる」
俺は頷き、そのまま宿へと向かった。
宿につくと、丁度レナが俺たちの部屋にご飯ができた知らせに行くところだった。
「あっユウさん。おかえりなさい」
俺に気が付いたレナがテトテトと俺に向かって走ってくる。
その、小動物を思わせるレナの頭を俺はまた撫でてしまった。
「はわわ」
おどおどするレナだがどこか嬉しそうだった。
「そうでした。ご飯ができたので、ティナさんたちを呼んでもらってもいいですか?」
達っていうことは、フロンのことも含んでいるのだろう。二人であそこに入れて、俺が別の部屋に行くか?
まぁ、それはあいつらとも相談だな。
「わかった今呼んでくるよ」
俺は二階へと上がり、部屋へと向かう。一応ノックをしてから部屋に入る。
「お前らご飯だぞ、ムラクモはすまんが、刀に戻るか、ここでノワールと遊んでてくれ」
「キュイ」
俺の遊ぶという言葉に反応したのか、ノワールが嬉しそうな声をあげる。
「しょうがない、ノワールと遊んでる」
「またおいしいもの食べに行こうな、ノワールもな」
「ん、楽しみにしてる」
俺とティナ、フロンは下へと降り、ご飯を済ませた。リナさんに、フロンの分のお金は払い、あのままの部屋で過ごすことになった。
「じゃあお前らが、そこの二つのベット使『だめです!』……」
ティナとフロンが俺の言葉に被せるように否定した。そしてその顔は不満に満ちていた。
「なんでそう自分を犠牲にするんですか!」
とティナが、
「ご主人様? 奴隷の私にそんな優しくしなくていいんですよ?」
とフロンが言う。
「じゃあ俺がほかの部『それもダメです』……」
なぜだ、俺が一応主だよな? どうして俺はこの女子たちに勝てない……
「わかったけど、どうするんだ?」
じゃあと言わんばかりに、フロンが手をあげる。
「私が床で「却下」」
そんなこと許すわけがない。俺は奴隷扱いしないと決めたからな。一度決めたことは曲げない。
そしてじゃあ次は私と言わんばかりに、ティナが手をあげる。
「じゃあ、私がユウ様と『却下です』」
それを、俺とフロンが否定する。最近、ティナが俺に遠慮しなくなっている気がする。まぁうれしいが、こう積極的に来られると困るな
「お前ら二人が、一緒に寝ればいいだろ」
『あっ……』
おい、一番まともな提案で一番浮かびやすい提案だぞ、なんだその、本当に忘れていた顔は……。
「じゃあ私がユウと寝る」
さっきまで、ノワールと遊んでいたムラクモが、俺の腰に抱き着いた。
「ムラクモ、朝言ったこと忘れたのか?」
「あっ……」
おい、お前もか……
「とりあえず、お前ら二人は一緒のベットで寝ろ。ムラクモはすまんが刀の姿で寝てくれ」
俺がそういうと、3人ともしぶしぶ頷いた。
「で、もうすっかり、奴隷であることに馴染んでるけど、いいのか?」
「はい、そこは大丈夫です。こんな扱いを受ければほとんど奴隷だなんて思えないですよ、死ぬ予定だった私を買ってくれたのが、ご主人様で良かったです。良ければ、私の話を聞いていただけませんか?」
「分かってる。辛い話かもしれんが」
「いえ、大丈夫です」
そして俺たちはフロンの事情を聴くことにした。
  
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