妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~

創伽夢勾

50:二つ名

 俺はご飯を食べ終わった後、ギルドに向かっていた。ティナとフロンも一緒に来ている。
 いろいろ確かめた後は迷宮に潜るつもりだからだ。

 俺がギルドの中に入ると真っ先にフェルが反応した。

「あっ! ユウさん! 無事だったんですね、もう四日も来ないので、心配で心配で」

 そしてフェリが俺に話しかけるのを見て、周りのざわめきが大きくなる。

「おい、赤目に黒髪って」
「黒いマフラーに、黒いコートだ」
「しかも女を二人連れてて、フェルちゃんに心配されてるってことは?」
「「「あれが黒妖鬼コクヨウキ?」」」

 は? 明らかにあいつらが言っている人物は俺のことだが、黒妖鬼ってなんだよ。

「フェル、あいつらが言ってるのってまさか……」
「はい、ユウさんの二つ名です!」

 それを少しどや顔で言い張るフェル。
 俺の嫌な予想はどうやら当たってしまったようだ。フェル曰く、角を生やして、黒くて禍々しい魔力を放出してたのが原因らしい。

(つまり全部ヨリヒメのせいか)
“なんでボク!?”
(だって、纏ってたのヨリヒメだし?)

 少し不満そうなヨリヒメの声が聞こえるが無視だ。 まぁ、今はそれはいい。それよりも聞きたいことがあるのだ。

「ティンケルたちは何者だ?」
「周りには言わないでください。一応、秘密事項なので」

 そう言って、フェルは俺の顔の横まで口を持ってくると、俺の知っている名前を口にした。
 その行動を見て、周りからの怒号が飛んでくるが、これも無視だ。
 そして俺がフェルから聞いた名前は、聖神教だった。
 フェルがつかんだ情報によると、もうすでに聖神教はこの迷宮都市にはいないそうだ。
 俺の目的が一つ減った。だが、俺は聖神教を要注意グループとして見ることに決めた。

「じゃあ、俺はこのまま、迷宮に潜るから、また精算と解体を頼むってテクルに伝えといてくれ」
「わかりました。くれぐれも気を付けて、無事に帰ってきてくださいね」

 そんなことを言うフェルに俺はこう返した。

「お前は俺の恋人かよ」と

 俺がそういうと、フェルは顔を赤くして俯いた。そしてフェルはこう対応する。

「あ、あくまであなたの受付担当としての言葉です」

 その言葉に俺は「そうか」と短く返して、少し不機嫌な、ティナとフロンと共にダンジョンへと向かった。

《これを天然でやってるんだから本当にすごいですよね、私のますたーは》

 そんな俺の頭の中にエルのため息交じりの声が響いていた。


 俺たちは今ダンジョンの6階層に来ていた。ノワールはしっかりと付いてきていて,いつの間にか俺の頭の上に乗っていた。
 役割はこの前と変わらない。俺が天星ノ瞳ラノスで、敵及びマップの散策、ノワールが敵を引き寄せ、ティナとフロンが敵をたたく。実にシンプルな作戦だ。
 この前のティンクル戦から4日、俺の戦いを見て感化されたのか、ティナもフロンも戦い方の練習をいつも以上にこなしたようだ。ティナはレイピアの速度も精度も上がっているし、フロンは2本の短剣をうまく使いこなして、壁や天井を利用した動きも早くなっている。
 俺は、はっきり言ってひまだ。罠解除もフロンがそつなくこなしてしまうし、魔物相手でもこの二人が後れを取ることもなかった。大量に出てきたときは、ノワールのブレスによって、最低限除去される。
 これ、俺いなくてもいいんじゃね?

 そんなこんなで、今は10階層。俺を見るたび「黒妖鬼だ」と言ってくる冒険者にイライラしながら進んだ。
 確か、10階層ごとにボスがいるって言ってたよな。
 俺はさっさとボス部屋を見つけそこへと向かった。
 目的の場所につくとそこには大きめの門があった。
 その扉を開けると、中にはミノタウロス(大きめ)がいた。はっきし言ってがっかりだ。
 視影ノ瞳ミカゲで、覗いてもティナとフロン、下手したらフロンだけでも勝てる相手だ。
 俺はそっと、ミノタウロスの持っていた斧術だけをこっそり解析してもらった。
 そんなミノタウロスが俺を見つけた瞬間、「ぶもぉぉぉぉ」と声をあげながらこちらに向かって突進してくる。

「あれは俺がもらうぞ?」

 俺の問いに二人は頷き返す。全く心配はしていない。
 俺はムラクモの柄に手をかけ、腰を落とす。そして、向かってくるミノタウロスに対して、居合を放った。

『炎刀:飛炎』

 間合いに入り切っていなかったミノタウロスに対して、炎の斬撃が飛んでいく。 
 ミノタウロスはそれをかろうじて斧で受け止めた。斧の刃には切れ目が入っていた。
 そして、その衝撃に足を止めたミノタウロスの隙を俺は逃さない。

『縮地』

 ティンケルの持っていたスキル:縮地は相手との距離を詰めるための技と言ってもいい。短距離を一瞬で詰めることができる。
 俺はそのままミノタウロスの懐に入ると、ムラクモを横に薙いだ。
 ミノタウロスの胴体は足から抵抗もなく離れた。
 俺はミノタウロスの死体を棺に回収した。宝箱の出現はなかったが。これで10層攻略だ。
 いいところまで来たし、そろそろ、日が暮れる時間だ。
 俺はそのまま、転移門を抜けて地上へと向かった。

 

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コメント

  • ノーベル

    主人公の勘違い的なセリフが気持ち悪い。
    誤字が多い。
    コミカライズ見てここに来ましたが
    誤字の多さにガッカリです。
    誤字を指摘されても無視していますし、

    1
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