妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~

創伽夢勾

52:叶わないは敵わない。

 俺は腰に二振りの刀をぶら下げ、宿へと帰ってきた。
 俺がドアを開け中に入ると、丁度ご飯が出来上がったところだった。
 もう日が暮れ、いつものように3人でテーブルを囲む。
 ティナはチラチラと俺のもう一振りの刀を見ている。フロンは気にせずにご飯を食べていた。
 そして何やら後ろから視線を感じ、振り向くとそこにはフィリアがいた。俺と目が合うと顔を真っ赤にして台所へと戻る。
 そんな様子を見て、リナとレナは笑う。そしてそれを見たティナとフロンは機嫌を悪くする。
 俺はご飯を食べ終わり、部屋へと戻った。

 部屋に戻ってすること、それは解析だ。もちろんするのはエルだけどな・

(てことで、解析を頼む)
《了解しました》

 とりあえず、解析を任せて、ティナたちに説明だ。
 俺はこの刀をどこで手に入れたのか、ミノタウロスの出来事と何が関係があるのか、あの後どこで何をしていたのかを説明した。
 二人は納得したように頷き、そしてティナは俺に「あまり、危ないことはしないでください」と言った。
 俺は頷き、ティナの頭を撫でる。すると顔を赤らめ、嬉しそうにしていた。

《ますたー解析が完了しました》

 その時、エルからの声が聞こえた。
 姿霧氷雨シギリヒサメの解析が終わったみたいだ。


妖刀ヨウトウ 姿霧氷雨シギリヒサメ
 属性 :氷・水
 ランク:S+
 練度 :32
 状態 :妖刀化
 スキル:刀術 氷魔法 水魔法 殺気
 ユニーク:雹璃化
 耐性 :物理耐性 呪い耐性』

 ムラクモと違う点は属性が二つああること、ランクが違うこと、そして人化や意思疎通のスキルがないことだ。エル曰く、俺は妖刀のすべてをまだ使いこなせてるわけではないらしい。妖刀を使いこなすことは人をやめることに近いらしい。
 自分自身もう人とは思えないぐらいにはなっていると思う。まぁ、鬼になったりしてるしな。

《それでは、解析結果を。スキル:水魔法・雷魔法・氷魔法を取得》

 進めていたフロンの雷属性も解析が終わり、その特異属性と言われる氷属性の解析も終わったのだろう。そして、あと一つは雹璃化だ。

雹璃化ヒョウリカ:刀身に触れたものを凍らせる。(範囲に対してそれ相応の魔力消費)刀身と柄の分離及び拡散が可能。刀身がなくなった場合水に柄をつけ、魔力を流すことで、刀身の回収が可能。刀身を水に変化させることも可能。(変化させた水は操作可能)

 というものだった。つまり遠距離攻撃も出来て、柄さえあれば刀身が折れても大丈夫な刀ということだ。
 それで、試しに人化のスキルのペーストを試みる。やはり、ムラクモたち同様。コピーはできるがペーストはできないようだ。
 俺は明日迷宮で姿霧氷雨シギリヒサメの性能を試そうと思う。森の参上を見た後で、なんだがそれでも使い心地などはわからないからな。
 俺はまだ早いが、日本の刀を壁に立てかけベットに潜った。



 俺は今ギルドに来ている。朝起きて、今日は二人には自由に過ごすよう言った。
 姿霧氷雨の性能を確かめるにあたって、ティナたちに危険が及ばないとは限らないからだ。
 危ないことはするなと言われてすぐだが、それでも巻き込みたくはない。
 俺は早速フェルのところまで向かう。すると俺の前には冒険者が並んでいた。

「ねぇーフェルちゃん。この後ご飯でもどう?」

 と、明らかに下心ありでフェルを誘っていた。
 フェルが明らかに迷惑そうにしていたので、止めに入ることにする。何気世話になってるからな。

「きちんとした用がないなら退け。邪魔だ」

 俺がそういうと、男が振り返る。

「あぁ? てめぇはだ、れ、に…………まさか、黒妖鬼?」
「不本意ながらそう呼ばれてるな」

 俺の言葉が真実だと分かると、男はそそくさとギルドを出て行った。
 するとフェルから声がかけられる。

「助けてもらってありがとうございます」
「用があったからな、あいつが邪魔だっただけだ」

 俺がそういうとフェルはにっこりとした笑顔を俺に向ける。そして俺に対する嫉妬の目線の数が増える。

「で? 今日はどういった御用で? ティナさんたちはいないので、ダンジョンとは別のようですか?
「いや、ダンジョンで合ってる。今日は一人だ」

 今は11階層まで転移で自由に行ける。ミノタウロスがあれだったので、たぶんここら辺じゃ物足りない。
 だからこそ一人で来たのだ。姿霧氷雨のお試しもあるが、天星ノ瞳ラノスがある俺からしたら、一人の方が断然早い。先に潜って転移できるようになれば、ティナたちにいい練習がさせられる。そう思っての行動だ。

「10階層より先はそれなりの難易度もあるので、気を付けて、無事に帰ってきてくださいね! 絶対ですよ」
「だから、お前は俺の恋人かよ、二度目だぞ!」

 俺がそういうと、フェルは前みたいに顔を真っ赤にはせず、少し染めるぐらいでにっこりと笑い、こう言った。

「それぐらい大切なんですよ」と

 あくまで、一冒険者としてだろうが、そういわれた俺はドキッとしながらも「そうか」と短答を返し、ダンジョンへと向かった。



「なに? もしかしてフェルって年下趣味?」

 そう私に話しかけてくるのは、同僚のアイナだ。

「そうかもね」

 と返すと、アイナは私にぐいぐいと迫ってきて、目をキラキラさせながら聞いてきた。

「あの、男性を近寄らせることもなかったフェルがねぇ~ 本気?」
「そうね。この思いはそれに違いないと思うけど、それでもわない恋だよ」

 私はアイナにそう言い切って、ダンジョンに向かうユウの背中を見送った。

 

コメント

  • 如月 時雨

    フィリアも、その内 仲間に なりそう

    1
  • Kまる

    精神今日?

    0
  • ノベルバユーザー226294

    "日本の刀"じゃなくて二本の刀じゃないすか?まぁ前者でも意味が通らなくもないすけど。

    4
  • ノベルバユーザー220518

    聖神教かー

    0
  • うぃっふぃー

    多分「森の参上」じゃなくて「惨状」だと思います。間違ってたらすいません。

    1
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