時代を越えてあの人に。~軍師は後に七人のチート家臣を仲間にします~
夢と希望を持つ、猿と呼ばれる女の子は幼女!?
……義龍は死んだ。
命令によって、大損害を受けながらも斎藤軍は撤退した。
織田軍は義龍を手柄として、尾張国へ戻る。
だが、そんなことよりも俺は人を殺めてしまったと言う、一生に味わえない罪悪感に襲われていた。
……殺してしまったんだ。
確かに、救われる命は増えた。でも、誰かが死んで幸せになれるって言うのは……可笑しい。
「所詮、人の世……何かを守る為には何かを犠牲にせねばならぬのよ」
馬上より、信長が一言。
「これまで人は、沢山の屍の上に立って生きてきた。それが例え盟友でも、共に戦った友でも。好いていた者にも……何かを成し得る為には何かを犠牲にする」
俺の思いに反する言葉だった。それを分かっていて言ったのか、女は、こちらを向いてにっこりと笑う。
「まぁ、わしはこれからの人生を歩む子孫にそのような道は歩んで欲しくない! だから、この戦乱の世を、わしの時代で終わらせてやりたいのじゃ。そうすれば、無意味に人が死ぬこともなくなり、日の本も大いに栄えると踏んだ」
彼女の優しさを、理解できた気がした。戦ばっかりの世の中で、傲慢な人が多いと思っていた戦国時代だったけど、信長みたいに心優しい……神様みたいな人も居るんだな、と実感した。
俺は思った。信長に天下を取らせてやりたい。今語ってくれたような世の中に絶対してほしい。だから、傍で彼女を守りたい!
「信長!」
「なんじゃ?」
信長は馬を止めて此方を向いた。
「俺を、家臣にしてくれ!!」
「えっ!?」
信長の隣にいる馬に乗っていた女の子が俺の言葉に驚いて此方を向いた。
「で……あるか!?」
少しの間、周りが沈黙状態になった。信長は腕を組み、なにか考えている様子。
セミの鳴き声が響く道の真ん中で、数分という時が流れた。
すると信長よりも早く、隣の馬の女の子が話を始めた。
「の、信長様! この男を家臣に入れるのですか!? 流石に、男を家臣に入れるというのは戦国の風潮に反しますぞ!?」
「何を言うか勝家! この男は、織田軍を勝利に導き、さらには儂の命まで救ってくれた恩人なのじゃぞ! それに、欧州の伊達輝宗も男子でありながら君主をしておるじゃろう!」
「し、しかし……それは他所の話です! 私は断固反対致します!! 男など、この戦国の世には不要なのです!!」
どうやら、隣の馬の方は鬼柴田、織田家を長らく支えていく重臣の一人、柴田勝家のようだ。
鬼柴田とは言われているけど、彼女は甲冑を着ていても美人。
胸には、希望を感じられる大きさだ。……ようするに、まだ育ち盛りの女の子と言うわけであって、信長に比べたら小さいわけであって....
おっと、話がそれてしまった。失敬失敬。
彼女は無理強いするように信長に意見した。
「良いだろう、お主を家臣として取り立てる! 今日からお主の士官はわし、織田信長じゃ」
「お、お待ちください!! 信長様、私の話を聞いておりましたか!?」
即決で言い放った信長の言葉に勝家はツッコミを入れていく。
信長は勝家を不満そうな目で見つめる。
「なんじゃ、勝家。私の命令が受け入れると申すか?」
すると、勝家はビクビク震える様に何度も何度も首を振って馬から下りると信長に土下座して頭を下げる。
「いえいえいえいえいえいえいえいえ!!! 滅相もございません!! 信長様は世界一! 私にとって最高の君主にございます!! 信長様の命令が聞けぬわけがございませんよ!!」
勝家は必死で信長を立てる様に言った。
この主従関係、面白いなと思った自分が何処かに居る。
「そうかそうか、勝家! 私を褒めても何も出て来ぬぞ~! とにかく馬に戻れ!」
上機嫌になった信長が、笑みを浮かべて言い放った。
ホッと溜め息を吐いた勝家は安心そうな顔をして馬に乗った。
「と、とにかく誠心誠意で努力していく所存です! 宜しくお願い致します!!」
と、今度はその場で俺が土下座をして信長に頭を下げる。
……信長は、自分の右手を平にし、左手の拳でポンッと叩くと、一番重要な事を質問された。
「…そう言えばお主の…………名前聞いとらんかったわ」
「……え!? あ、そうだけど!! い、一番重要な事忘れてどうすんのさ!?」
「まぁ良いわ!何でも良いから早く名前を言うのじゃ!」
信長はその場を強引に押し切ると、俺に名前を言うようにせがんだ。
「俺の名前は相良裕太。紳士の王道を行く男!」
「すまぬ、何をいっているかさっぱり分からん。しん…し……とはなんじゃ? もしや、新手の頬が溶け落ちる菓子の事か!?」
いやそれは違うと思います!
皆さん!こう言うときは、鉛筆と消しゴム、メモ帳をご用意下さい。質問ラッシュに入ります!
「この近くで相良の言えば……遠江? 遠江にそんな地名があった気がするのだが」
勝家が、何か思い出したように言った。
……その通り、俺は静岡県出身の男であります。
「そう、しずお……遠江出身だよ!」
「と、する今川の情報などは持っていたりするのか...?」
信長が耳を向けて聞いてきた。
今川?地名なのか、人物なのか?何のことだろう?知らない俺は、困惑していた。
「今川………? 今川ってなんだ?」
そう聞き返すと、勝家が疑いをかけるような目で此方を見つめる。
「…今川を知らぬとは、本当に遠江から来たのか?」
「本当だけど....ってうぇ!? なんかくすぐったいんだけど!?」
静岡出身なのは事実なので本当だと押し返した瞬間、腹部にむずむずした刺激が入った。
「こちょこちょこちょこちょ....」
女の子が俺の腹の辺りを擽ってきた。
「はは、はははは!! ちょ、ちょ!! ....や、止めてぇ!!」
「猿、止めてやれ」
今、猿っていったか!?そんな有能なお猿さんが居るの!?一体どんなお猿さんだよ!?
好奇心で後ろを向いてみる。するとそこに居たのは……
ヒョコっと小さい体だが、紫色の着物を組み合わせて可愛く動きやすい服装をしている女の子。
猿と言われるだけあって、肩に小猿を一匹乗せていた。どっちが本体?
「どうも、木下藤吉郎です!貴方が新入りの殿方ですね!確か裕太殿でしたか....宜しくお願いしますよ~!」
ゆる~いけど、野望の秘めた小柄の女の子。信長よりも背は一回りほど小さいが、後の天下人の豊臣秀吉である。現在は木下藤吉郎という名前。
「お、おぉ...よ、宜しく……」
笑わされ過ぎて力の入らない俺は、気力でなんとか挨拶をする。
「なに気の抜けた挨拶をしているのだ、裕太! もうそろそろ清洲じゃぞ!!」
すると、信長は前方に指さして大声で言う。
その先にあったのは、大きなお城。その周りには建物が沢山建てられていた。あれが城下町!?お城だけでも凄い迫力で圧倒されるけど、城下町も揃うと、もう一つの要塞みたいに強固に見える!!
その圧倒される光景で、瞬く間に復活した俺は皆と一緒にそのお城に向かった。
―清洲城
織田信長の初めの拠点であった名古屋城から、城下町を移し、信長が天下を目指した原点とも言えるお城。お城の手前まで近づくと、沢山の農民たちがお出迎えをしてくれている。
「信長様~!」
「おぉ、帰ってきたのぉ~!!」
「えいえい、おー!」
沢山の人に祝福され、手を振りながらの入城である。
命令によって、大損害を受けながらも斎藤軍は撤退した。
織田軍は義龍を手柄として、尾張国へ戻る。
だが、そんなことよりも俺は人を殺めてしまったと言う、一生に味わえない罪悪感に襲われていた。
……殺してしまったんだ。
確かに、救われる命は増えた。でも、誰かが死んで幸せになれるって言うのは……可笑しい。
「所詮、人の世……何かを守る為には何かを犠牲にせねばならぬのよ」
馬上より、信長が一言。
「これまで人は、沢山の屍の上に立って生きてきた。それが例え盟友でも、共に戦った友でも。好いていた者にも……何かを成し得る為には何かを犠牲にする」
俺の思いに反する言葉だった。それを分かっていて言ったのか、女は、こちらを向いてにっこりと笑う。
「まぁ、わしはこれからの人生を歩む子孫にそのような道は歩んで欲しくない! だから、この戦乱の世を、わしの時代で終わらせてやりたいのじゃ。そうすれば、無意味に人が死ぬこともなくなり、日の本も大いに栄えると踏んだ」
彼女の優しさを、理解できた気がした。戦ばっかりの世の中で、傲慢な人が多いと思っていた戦国時代だったけど、信長みたいに心優しい……神様みたいな人も居るんだな、と実感した。
俺は思った。信長に天下を取らせてやりたい。今語ってくれたような世の中に絶対してほしい。だから、傍で彼女を守りたい!
「信長!」
「なんじゃ?」
信長は馬を止めて此方を向いた。
「俺を、家臣にしてくれ!!」
「えっ!?」
信長の隣にいる馬に乗っていた女の子が俺の言葉に驚いて此方を向いた。
「で……あるか!?」
少しの間、周りが沈黙状態になった。信長は腕を組み、なにか考えている様子。
セミの鳴き声が響く道の真ん中で、数分という時が流れた。
すると信長よりも早く、隣の馬の女の子が話を始めた。
「の、信長様! この男を家臣に入れるのですか!? 流石に、男を家臣に入れるというのは戦国の風潮に反しますぞ!?」
「何を言うか勝家! この男は、織田軍を勝利に導き、さらには儂の命まで救ってくれた恩人なのじゃぞ! それに、欧州の伊達輝宗も男子でありながら君主をしておるじゃろう!」
「し、しかし……それは他所の話です! 私は断固反対致します!! 男など、この戦国の世には不要なのです!!」
どうやら、隣の馬の方は鬼柴田、織田家を長らく支えていく重臣の一人、柴田勝家のようだ。
鬼柴田とは言われているけど、彼女は甲冑を着ていても美人。
胸には、希望を感じられる大きさだ。……ようするに、まだ育ち盛りの女の子と言うわけであって、信長に比べたら小さいわけであって....
おっと、話がそれてしまった。失敬失敬。
彼女は無理強いするように信長に意見した。
「良いだろう、お主を家臣として取り立てる! 今日からお主の士官はわし、織田信長じゃ」
「お、お待ちください!! 信長様、私の話を聞いておりましたか!?」
即決で言い放った信長の言葉に勝家はツッコミを入れていく。
信長は勝家を不満そうな目で見つめる。
「なんじゃ、勝家。私の命令が受け入れると申すか?」
すると、勝家はビクビク震える様に何度も何度も首を振って馬から下りると信長に土下座して頭を下げる。
「いえいえいえいえいえいえいえいえ!!! 滅相もございません!! 信長様は世界一! 私にとって最高の君主にございます!! 信長様の命令が聞けぬわけがございませんよ!!」
勝家は必死で信長を立てる様に言った。
この主従関係、面白いなと思った自分が何処かに居る。
「そうかそうか、勝家! 私を褒めても何も出て来ぬぞ~! とにかく馬に戻れ!」
上機嫌になった信長が、笑みを浮かべて言い放った。
ホッと溜め息を吐いた勝家は安心そうな顔をして馬に乗った。
「と、とにかく誠心誠意で努力していく所存です! 宜しくお願い致します!!」
と、今度はその場で俺が土下座をして信長に頭を下げる。
……信長は、自分の右手を平にし、左手の拳でポンッと叩くと、一番重要な事を質問された。
「…そう言えばお主の…………名前聞いとらんかったわ」
「……え!? あ、そうだけど!! い、一番重要な事忘れてどうすんのさ!?」
「まぁ良いわ!何でも良いから早く名前を言うのじゃ!」
信長はその場を強引に押し切ると、俺に名前を言うようにせがんだ。
「俺の名前は相良裕太。紳士の王道を行く男!」
「すまぬ、何をいっているかさっぱり分からん。しん…し……とはなんじゃ? もしや、新手の頬が溶け落ちる菓子の事か!?」
いやそれは違うと思います!
皆さん!こう言うときは、鉛筆と消しゴム、メモ帳をご用意下さい。質問ラッシュに入ります!
「この近くで相良の言えば……遠江? 遠江にそんな地名があった気がするのだが」
勝家が、何か思い出したように言った。
……その通り、俺は静岡県出身の男であります。
「そう、しずお……遠江出身だよ!」
「と、する今川の情報などは持っていたりするのか...?」
信長が耳を向けて聞いてきた。
今川?地名なのか、人物なのか?何のことだろう?知らない俺は、困惑していた。
「今川………? 今川ってなんだ?」
そう聞き返すと、勝家が疑いをかけるような目で此方を見つめる。
「…今川を知らぬとは、本当に遠江から来たのか?」
「本当だけど....ってうぇ!? なんかくすぐったいんだけど!?」
静岡出身なのは事実なので本当だと押し返した瞬間、腹部にむずむずした刺激が入った。
「こちょこちょこちょこちょ....」
女の子が俺の腹の辺りを擽ってきた。
「はは、はははは!! ちょ、ちょ!! ....や、止めてぇ!!」
「猿、止めてやれ」
今、猿っていったか!?そんな有能なお猿さんが居るの!?一体どんなお猿さんだよ!?
好奇心で後ろを向いてみる。するとそこに居たのは……
ヒョコっと小さい体だが、紫色の着物を組み合わせて可愛く動きやすい服装をしている女の子。
猿と言われるだけあって、肩に小猿を一匹乗せていた。どっちが本体?
「どうも、木下藤吉郎です!貴方が新入りの殿方ですね!確か裕太殿でしたか....宜しくお願いしますよ~!」
ゆる~いけど、野望の秘めた小柄の女の子。信長よりも背は一回りほど小さいが、後の天下人の豊臣秀吉である。現在は木下藤吉郎という名前。
「お、おぉ...よ、宜しく……」
笑わされ過ぎて力の入らない俺は、気力でなんとか挨拶をする。
「なに気の抜けた挨拶をしているのだ、裕太! もうそろそろ清洲じゃぞ!!」
すると、信長は前方に指さして大声で言う。
その先にあったのは、大きなお城。その周りには建物が沢山建てられていた。あれが城下町!?お城だけでも凄い迫力で圧倒されるけど、城下町も揃うと、もう一つの要塞みたいに強固に見える!!
その圧倒される光景で、瞬く間に復活した俺は皆と一緒にそのお城に向かった。
―清洲城
織田信長の初めの拠点であった名古屋城から、城下町を移し、信長が天下を目指した原点とも言えるお城。お城の手前まで近づくと、沢山の農民たちがお出迎えをしてくれている。
「信長様~!」
「おぉ、帰ってきたのぉ~!!」
「えいえい、おー!」
沢山の人に祝福され、手を振りながらの入城である。
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