時代を越えてあの人に。~軍師は後に七人のチート家臣を仲間にします~

芒菫

こう見えて、前田犬千代利家は傾寄者!?


ところで、読者の皆様は前田利家の生い立ちを詳しく知っているだろうか。
彼女の幼名は犬千代。異名は槍の又左で、当時は容赦ない傾寄者で、それは前田慶次にも匹敵するくらいだった。
じかし、まぁそういう奴等に限って本当にイケメンが多い。
嫁には「まつ」という女性がおり、共に良い人生を歩んでいた事だと思う。
....と、言うか、考えてみればこの状況はヤバくない?
何度も強調するようですがヤバくないですか....。同じ部屋に女の子が四人と男は一人....。
と、まぁ紹介が遅れましたが、利家と共にうちの部屋に入ってきたのは、利家のお嫁さん立ち位置である、まつ。
この時代って、同姓同士でも結婚できるんですね......?驚きですね。

·······って、そこじゃねぇ!!俺が強制的にハーレム状態になっているっていう問題なんだよ!!
確かに、女の子には興味があるけどこういう大胆なハーレムとかは初めてだから緊張なんだよ······!
って、重要なところはそこじゃないし言葉的に人間性アウトじゃないか俺·····。
ここは、いつもの雰囲気で頑張ってやり過ごそう。
うん。それが良いと心の中で決意をしていると、朝ご飯の準備が着々と進んでいるようで、そろそろ全員が席に着ける状態だった。とは言っても、椅子は無いが。
まさか、勝手に人の家の釜とか鍋とかを使われてるとは思わなかったけど、食材もない今、食べ物にありつけるというのは嬉しいことだ、と考えた。

「で、犬千代ちゃん。昨日は信長様と普通に話してたけどいつの間に許して貰えたの?」

突然に、藤吉郎が利家に話を振った。

「その件でごじゃるか······。全く進展してないでごじゃるよ。」

利家はそう言うと、ちゃぶ台の上に肘をつけて顔をちゃぶ台に乗っている肘の手の平の上に置いた。

「えー!?まだ許して貰ってないの?どっちも本当に頑固だよね~。大変だね~。」

「それでも、信長様とは傾寄者同士。」

と、二人が話しているまつが話に乱入してくる。

「利家さん、時には謝らなくてはいけない時だってございます。先に謝罪をしておくと言うことは、とても大事な事なのですよ。」

と、まつは言うと利家に右腕の人差し指を指した。

「こらこら、指を指さない。礼儀が悪いぞ。」

俺は立ち上がると、まつの右腕を掴み、下へ下げた。
・・・腕を掴んだ頃にはもう遅いと感じた。まつの顔は赤面しており、背後からは殺気を感じた。

「人の嫁に....無礼なのはお前....!!!」

「ちょ、ちょ、ちょ、まっt」

勢い良く、利家が拳を俺の腹目掛けて振るってきた。
猛烈な激痛が走ると共に、犬千代の殺気がさっきよりも強く感じられた。

「不幸....だ....」

俺は殴られた拍子に、その場に倒れこむ。本当に痛い。

「大丈夫ですか!?····犬千代様も、もう少し手加減して差し上げるか、お話し合いで解決するかにしてもらわないと....」

「それでも、うちの嫁に手を出そうとしたには事実。」

「利家さん....!私のために....。少し怖かったです...」

まつと利家ってこうだったのかなぁ...ぐふっ..やっぱり痛い...というか目の前の光景も痛々しい...。
ねねは少し俺をフォローする形で利家に力に加減と話し合いで解決出来なかったのか、と問いたが利家にとっては嫁に手を出されることは、槍を折られるよりも屈辱的な事だそうだ。
このあと、俺は腹を抑えながら土下座で何度も謝罪した。利家が許すまでずっと謝罪した。
あぁ...腹が痛い。

....さて、ようやく朝食の時間である。
勿論、さっきの騒動のせいで、俺はほうば飯の葉っぱを煮た物しか食べられないという条件で許してもらったにで、俺のお茶碗の上には葉っぱが山盛りに積まれていた。
しかし、これを見てみ、誰もが悪徳だと思わないのが現実である。だって、手を出したのは俺だもんね。
はぁ...面倒なことをしてしまった。これからは押入れの棚の中に隠れてよう。
そう言えば、天使様から貰ったバックの中に変なものが沢山内蔵されていた気がする。
後で見てみよう。

「さて、それではいただきますか。」

全員が席につくと藤吉郎はいただきますの合図をした。

「よし。いただきます」

「いただきます~」

「....いただく。」

「いただきます」

それに続いて俺、ねね、犬千代、まつの順で返事をした。
さて、早速皆は箸に手をつける。
座卓に並んでいるのはほうば飯の入ったお茶碗(極一名だけ葉っぱ)と味噌汁、沢庵という質素な構成で出来ていた。
この時代でも、武士はもう少し裕福な生活をしていると思っていたが、こんなもんなのかな?
俺は、まず味噌汁から手をつけた。箸で少しかき混ぜ、音をたてずに啜る。
割りと俺の好きなな味で旨かった。
さて、次は問題の葉っぱ達。流石に食べたくなくなるくらい盛ってあった。

「こ...これは喰えるかなぁ..」

と、俺は疑問視しながら葉っぱを見つめていたが、横には利家もいるし、なにか適当にやらかしたら、今度こそ斬られ兼ねないので、無意識に葉っぱへかぶりついた。
良く噛んでいると、米の味がする気がした。
ほうば飯と言うのは、米に葉っぱを包んで置いておく、福井県名産品でもあった。
元の時代にいたときは、福井県にいったこともなかったし、食べた時もなかったので不安だったのだがとても美味しい。

「葉っぱ旨いな。もしかして、米よりいい主食なんじゃ....」

「美味しいですか!作ったかいがありましたね!」

「これで、私もねねの作ってくれた料理で力が涌き出て大出世間違いなしですね!」

「有り得ませんけどね!まぁ、これをパワーの源に使ってください!」

なんとなく平然に藤吉郎に言い返してる気がするけど...。

「しかし、これからは食費もかかりますね。一人増えましたし」

と、まつが現実的な話をし始める。

「そうですね...。この方達が出世してくれれば良いのですけど。」

ねねは笑い、そう話した。
出世することも簡単じゃないんだぞ、とそういう顔で見つめる藤吉郎だった。
それにしても、この旨いほうば飯の葉っぱ。
全くお腹にたまらないのだ。
いつの間にか、お茶碗の上に大量に乗っていた葉っぱだったが、お茶碗の中を覗いても入ってはいなかった。
少し悲しい気分になる。
出来る限りの量で作っているようなので、ねねも沢山は作っていないそうだ。なので、俺はここで御馳走様。完食をした。
戦国料理も悪くない。むしろ、これが日常でいいと思うくらいだった。
俺は先にドカ食いして終わったが、女の子の皆がそのペースについてこれる訳がないのでまだ誰も食べ終わってはいなかった。
なので、気分転換に外にでも出てみた。
この武士屋敷、とは言っても小さいが。大通りからは少し離れているものの、人々の沢山は歩いており、至るところで様々な話が行われていた。
しかも、その中でも一際目立った馬に乗り、うちの前を歩いていく団体がいた。
俺はその団体を見つめて、どれだけ続いているのか後ろを見た。
が、しかし、行列にはなっておらず、数人数でのパフォーマンスであった。
俺はさっきからその馬をじーっと見つめていたが、その馬に乗っていた人物は、此方の変な視線に気付くと、馬を止めて降りてきた。すると、此方に向かってきて、俺の目の前で止まった。

「貴方は...誰?」

ショートカットでピン止めを着けている彼女は、俺にそういうと、これから質問攻めしてきそうな瞳で此方を見つめていたような気がした。



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