時代を越えてあの人に。~軍師は後に七人のチート家臣を仲間にします~
家臣団との合流の最中でも、やはり藤吉郎と俺は同意見を兼ね備えていました。
信長と一益。
それは周りからすれば単なる臣従関係にしか見えないであろう。
しかし、誰が何と言おうと、この二人には友情と言う心が芽生えていた。
いや、それ以上のものであるのだと思う。
それは、織田家の者しか知らぬ話。周りから見ればただの言い草れなのだが・・・。
二人の再開の涙のルートを通り、喜びに吹かれる家中であったが、藤吉郎と俺の利害は一つとして折れてはいなかった。
ー織田家で出世すること。
さて、この状況下で何故そのような事が未だに言えるのか。
読者の皆様方、お忘れではあるまいか。この戦そのものの、戦国史での名戦として今も語り継がれているこの戦いを!
そう、これは「桶狭間の戦い」だ。
今の状況が史実通りかは分からない。しかし、信長が何処かで参拝したという話は聞いた事がある。
それに、今この状況下で酷い大雨が降り始めたということ。
もう一つは、藤吉郎があらかじめ今川義元の居場所を探り、それを突き止めているということ。
しかも、それが桶狭間と来た。
しかし、ここまで来ても本当に史実通りにいかないという点も否定できない。
例えとしては、俺が病死で亡くなったはずの斉藤義龍を斬ってしまっていること、織田信勝が信長の手によって斬首にされていないことだ。
(となると・・・。むぅ。今のは全て矛盾してしまうのではないだろうか。)
そんなことを考えているうちに、いつの間にか俺だけがずぶ濡れになっていることに気付く。
あ、全員本殿の中に入っとる・・・。
「・・・。まさか、相良殿が一益様と同行してるとは思いませんでしたよ~。」
本殿の中に入り、神主が用意していた布で体を拭いていると、藤吉郎が中より現れる。
「藤吉郎も、よくここまで信長を連れて来られたな。」
「いいえ。信長様自身が此方に向かって来たのですよ。私も、出陣すると言われただけで・・・。必死に追いかけて来たのです。」
彼女は手首を左右に振ると、そう話した。
ってことは....。まさか、勝手に出てきてるってこと!?
それ考えたら、清洲の兵とかどうするんだよ!?当てずっぽうじゃ勝てるわけない!
「それってまさか....清洲からの兵って....」
俺は苦笑いしながら藤吉郎に尋ねる。
勿論、予感は的中した。
「はい。その通りです。援軍は居ません。しかしまぁ、信長様のことですから追いかけてくるとでもお思いなのでしょうね~。ただ、聞きましたよ。那古野より援軍が来てるそうじゃないですか。となれば、清洲にも情報が入り、清洲からの兵も....お。」
藤吉郎はそのように話したが、後ろを向くとさっきとは違い、驚きの顔を浮かべた。
「噂をすれば、ですね」
彼女の言っていることが分からなかったので、後ろの方を向く。
むむ...?何やら此方に向かっているような...。
よくわからないので、一益より拝借した(とはいっても勝手に持っていると言うのが正しい)アンティーク望遠鏡を覗いて見てみる。
すると....。
・・・奇跡的過ぎるのではあるまいか。或いはこれが信長の武運なのか。
見えるのは木瓜紋。なんと、ここで清洲の兵と那古野の兵が熱田神宮にて合流したのだ。
率直な意見とすれば、展開が早い。
でも、こういう展開も嫌いじゃない。織田家の総率力がこれ程までに高いのだと、実感する。
勝家達が、必死になって此方に向かってきている様子が伺えた。
「信長様ー!」
熱田神宮に入ると、勝家が大声で信長の名前を呼ぶ。
何事かと、信長が外へ出てきた。
「おぉ、勝家。よく来たな。」
信長は微笑んで喜んだ。
しかし、勝家達にとってはそれどころの問題ではない。
勝家は馬を止めて降りると、信長の元へ急いで向かう。
「よく来たな。ではありませんよ!お体は大丈夫なのですか!?」
「あら、相良殿。貴方も此方に要らしているというのは、まさか信長様との密会?」
と、その後ろの馬より長秀の声がする。彼女も、馬を降りると信長よりも先に熱田神宮の中を見渡す。
「一益がいると言うことは、相良殿は一益に連れてこられたのね。」
「密会ってなんだよ...あぁ、その通り。一益に駆り出された後にここにたどり着いたって訳さ。」
長秀さん、正直言うと密会って何ですか怖いですよ。
長秀は、本殿に上がるとお得意の扇子を取り出して、いつもの状態になっていた。
また、心配性の勝家の話も決着がつき、本殿に入る。
「そして、森と佐々じゃが・・・。」
信長は那古野の援軍を知らない。
何故此処に居るのか戸惑っていた様だ。
「あぁ、那古野からの援軍だよ。一益が頼んだんだ。それで、今こう言う状況になっているって訳。」
「お主!また・・・。信長様に・・・。無礼だぞ!」
勝家は俺に指を指すと大声で言い放った。
まさに、鬼柴田の威圧である。
「勝家。わしが構わぬと言っておるのじゃ。気にする必要は無いぞ。」
信長はキョトンとした顔で勝家に言う。
流石の勝家も、信長に言われるとなると、頭が上がらない。
「はっ・・・。ご無礼を。」
なんだよこれ。デジャヴかな。前もこんなやり取りあった気がするよ。
そのまま彼女は本殿の中に入っていった。
そして俺も、外に居る各将達にこのように声掛けをした。
「織田家家臣の奴に告ぐ。これから軍評を開く。一旦中に入って貰えるか?」
すると、森と佐々と思われる人物がそのまま本殿の中に入る。また信長も本殿へ戻って来た。
しとしとレベルでは済まない雨が降り注ぐ中、軍評は開かれる。
それは周りからすれば単なる臣従関係にしか見えないであろう。
しかし、誰が何と言おうと、この二人には友情と言う心が芽生えていた。
いや、それ以上のものであるのだと思う。
それは、織田家の者しか知らぬ話。周りから見ればただの言い草れなのだが・・・。
二人の再開の涙のルートを通り、喜びに吹かれる家中であったが、藤吉郎と俺の利害は一つとして折れてはいなかった。
ー織田家で出世すること。
さて、この状況下で何故そのような事が未だに言えるのか。
読者の皆様方、お忘れではあるまいか。この戦そのものの、戦国史での名戦として今も語り継がれているこの戦いを!
そう、これは「桶狭間の戦い」だ。
今の状況が史実通りかは分からない。しかし、信長が何処かで参拝したという話は聞いた事がある。
それに、今この状況下で酷い大雨が降り始めたということ。
もう一つは、藤吉郎があらかじめ今川義元の居場所を探り、それを突き止めているということ。
しかも、それが桶狭間と来た。
しかし、ここまで来ても本当に史実通りにいかないという点も否定できない。
例えとしては、俺が病死で亡くなったはずの斉藤義龍を斬ってしまっていること、織田信勝が信長の手によって斬首にされていないことだ。
(となると・・・。むぅ。今のは全て矛盾してしまうのではないだろうか。)
そんなことを考えているうちに、いつの間にか俺だけがずぶ濡れになっていることに気付く。
あ、全員本殿の中に入っとる・・・。
「・・・。まさか、相良殿が一益様と同行してるとは思いませんでしたよ~。」
本殿の中に入り、神主が用意していた布で体を拭いていると、藤吉郎が中より現れる。
「藤吉郎も、よくここまで信長を連れて来られたな。」
「いいえ。信長様自身が此方に向かって来たのですよ。私も、出陣すると言われただけで・・・。必死に追いかけて来たのです。」
彼女は手首を左右に振ると、そう話した。
ってことは....。まさか、勝手に出てきてるってこと!?
それ考えたら、清洲の兵とかどうするんだよ!?当てずっぽうじゃ勝てるわけない!
「それってまさか....清洲からの兵って....」
俺は苦笑いしながら藤吉郎に尋ねる。
勿論、予感は的中した。
「はい。その通りです。援軍は居ません。しかしまぁ、信長様のことですから追いかけてくるとでもお思いなのでしょうね~。ただ、聞きましたよ。那古野より援軍が来てるそうじゃないですか。となれば、清洲にも情報が入り、清洲からの兵も....お。」
藤吉郎はそのように話したが、後ろを向くとさっきとは違い、驚きの顔を浮かべた。
「噂をすれば、ですね」
彼女の言っていることが分からなかったので、後ろの方を向く。
むむ...?何やら此方に向かっているような...。
よくわからないので、一益より拝借した(とはいっても勝手に持っていると言うのが正しい)アンティーク望遠鏡を覗いて見てみる。
すると....。
・・・奇跡的過ぎるのではあるまいか。或いはこれが信長の武運なのか。
見えるのは木瓜紋。なんと、ここで清洲の兵と那古野の兵が熱田神宮にて合流したのだ。
率直な意見とすれば、展開が早い。
でも、こういう展開も嫌いじゃない。織田家の総率力がこれ程までに高いのだと、実感する。
勝家達が、必死になって此方に向かってきている様子が伺えた。
「信長様ー!」
熱田神宮に入ると、勝家が大声で信長の名前を呼ぶ。
何事かと、信長が外へ出てきた。
「おぉ、勝家。よく来たな。」
信長は微笑んで喜んだ。
しかし、勝家達にとってはそれどころの問題ではない。
勝家は馬を止めて降りると、信長の元へ急いで向かう。
「よく来たな。ではありませんよ!お体は大丈夫なのですか!?」
「あら、相良殿。貴方も此方に要らしているというのは、まさか信長様との密会?」
と、その後ろの馬より長秀の声がする。彼女も、馬を降りると信長よりも先に熱田神宮の中を見渡す。
「一益がいると言うことは、相良殿は一益に連れてこられたのね。」
「密会ってなんだよ...あぁ、その通り。一益に駆り出された後にここにたどり着いたって訳さ。」
長秀さん、正直言うと密会って何ですか怖いですよ。
長秀は、本殿に上がるとお得意の扇子を取り出して、いつもの状態になっていた。
また、心配性の勝家の話も決着がつき、本殿に入る。
「そして、森と佐々じゃが・・・。」
信長は那古野の援軍を知らない。
何故此処に居るのか戸惑っていた様だ。
「あぁ、那古野からの援軍だよ。一益が頼んだんだ。それで、今こう言う状況になっているって訳。」
「お主!また・・・。信長様に・・・。無礼だぞ!」
勝家は俺に指を指すと大声で言い放った。
まさに、鬼柴田の威圧である。
「勝家。わしが構わぬと言っておるのじゃ。気にする必要は無いぞ。」
信長はキョトンとした顔で勝家に言う。
流石の勝家も、信長に言われるとなると、頭が上がらない。
「はっ・・・。ご無礼を。」
なんだよこれ。デジャヴかな。前もこんなやり取りあった気がするよ。
そのまま彼女は本殿の中に入っていった。
そして俺も、外に居る各将達にこのように声掛けをした。
「織田家家臣の奴に告ぐ。これから軍評を開く。一旦中に入って貰えるか?」
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