時代を越えてあの人に。~軍師は後に七人のチート家臣を仲間にします~
次郎と四郎。
「・・・んでさぁ」
俺から始まる冒頭会話。椅子に座らせられ、太ももに肘を置き、その肘の先にある手に頭を乗せて武田の指揮系統等の情報や現在の軍事勢力、城、兵士、様々な図面、軍配や刀など机に置かれている様々な物を見ていた。
「・・・はぁ」
また、何故か周りには武田の揃いに揃った重臣や家臣達が机の周りに用意されている椅子に座っており、織田のこんなにちーっちゃい侍大将が居て良いの!?と言うくらいのレベルで恥ずかしいような悲しいようななんかもう死にたくなってくる気分に襲われていた。まず、長尾家と戦する前にこの罪悪感と違和感を先に退治するべきだと俺は思うんだ。
「しかし、面白うございますなぁ」
晴信の隣に座っている勘助が右頬を右手で叩きながら呟いた。何事かと座っていた全員が、勘助の顔を見る。勘助の事がなんとなく分かってきた俺の経験談とこの誹謗過ぎる知識からすれば、勘助が何か話し出すとすぐその場の空気は乱れ始めると言うこと。
しかしそれを逆手にとる晴信と言ったら、どっちも策士過ぎて圧巻過ぎると言う言葉しか掛ける言葉がない。
「ですが―」
すると突然、右隣に座っていたまだまだ育ち盛りである赤髪の女の子が勘助のターンを打ち切りにするべく動く出そうとしていた。
「ですが、面白がってる一刻の猶予もありません。と言うかこの弱そうな隣の男を連れてきたのは誰ですか」
隣の男を指差すと、隣に居ると考えるだけで吐き気がするとでも言うように嫌そうな顔をして見ている。
ほらほら、武田の家臣同士だからって喧嘩するのはよくな・・・って俺かよ!!
言いやがったなこの!俺だって居たくて此処にいる訳じゃないんだよ!なんで此処に残ったか自分ですら分からないけどさぁ・・・。とにかくそういう目で見るの止めてぇ!?
「四郎」
しかし、状況を覆すように、隣の子の正面に座る一人の女の子は誰かの名前を言い放つ。
四郎、一体誰の名前か。そう思った矢先に返事をしたのはなんと右隣の女の子。
「はいっ」
「その方は織田の客人。貴方がせせらう程身分の低い方ではないわ。それと、ここは戦場よ。貴方ももっと姉上を見習って立派な武士になる。元服の時にそう言っていたでしょう?」
こういう人ってあれですよね。肝が座ってて参謀みたいにバンバン的確な指示を出す人ですよね。彼女も赤毛でもしかすると姉妹。もしかすると、その姉上ってのも・・・。
「ははは、次郎も鬼だね。まぁそんなに言わないでやりなよ。十人十色のこの世界で、一人の意見を全会一致で通すことは無理難題さね。そう言った意見を尊重していき、有言実行を目指すのが一番筋が通ってると思うよ」
晴信は微笑して次郎と四郎の会話を聞いていた。
一度、昌景に対して晴信が言っていた言葉と似ていた気がしたが、もしかしてこういう場で毎回毎回同じこと言ってるの?晴信って。
「まぁ、姉上の言葉は尊重致しますが・・・。それでも、それを通せなくなる時がいつか訪れる。だからこそ、長い間戦乱の世が続き、早百年と年月が経とうとしているのです。姉上、綺麗事だけでは天下は取れぬと思う沙汰です。姉上は姉上。私は私です。いつの日誰かが天下を平定しようとも、それに文句を言える筋はありません。当たって砕けてまた立ち直って····。武田はそうやって生き延びてきたではありませんか。四郎にだって教えねばならぬこと。私はそう思いました」
なら武田は武田。織田は織田。俺に口出しする理由は一つも無かった。しかし、自分が馬鹿にされた所からここまで話が発展してしまうと、なんとも言えない罪悪感に襲われるのだった。何にもしてないのにいつも巻き込まれてる気がするんだけど俺。もしかして、トラブルメーカーだったりするのかな?
自覚していれば強味を持てるなんて、全く意味不明なことを俺は真剣に考えていた。
「次郎・・・あんた、こんな始まりの戦いで死なれちゃ困るよ?」
と、状況が一変したのだろうか。
目にしわを寄せた晴信が、何かを感じ取ったように言い放つ。
家臣も口を出せずにいたが、流石にそれはまずいと判断したのだろうか、この話に止めを入れようと動き出す。
「晴信様、それ以上は」
昌景は立ち上がると、刀を床に突き立てる。
ゴンッ、小さな振動が起きた。
「なんだい昌景、私と次郎が話してるんだけどね?」
「止める義理が無いとでも言いたいのでしょうが、それ以上は禁句です。晴信様、場を慎んでください。ここは戦場。例え一言の失態でも、家臣の士気に関わる問題になりうるのですから」
また、ずっと腕を組んでこの会話を聞いていたと思われる昌豊は、冷静な判断を下そうとじていた。
「・・・次郎。すまなかったね、色々考え込み過ぎてたようだよ。どうかしてた・・・」
「なにを。いつもの姉上ではありませんか。おきになさらずとも。」
武田姉妹の忠告があと一歩で喧嘩へと発展していきそうだった。
勘助も、少し苦笑いをしてこの状況を見ていた。確かに、策を発表しようとしている面前で喧嘩をされればあとの空気が溜まったもんじゃない。八つ当たりされそうな勘助の気持ち、なんとなく分かりますよ。
「・・・ごほん」
少し沈黙の状況が続いていた後に、勘助が咳払いをして場を和ませようと試みた。
俺から始まる冒頭会話。椅子に座らせられ、太ももに肘を置き、その肘の先にある手に頭を乗せて武田の指揮系統等の情報や現在の軍事勢力、城、兵士、様々な図面、軍配や刀など机に置かれている様々な物を見ていた。
「・・・はぁ」
また、何故か周りには武田の揃いに揃った重臣や家臣達が机の周りに用意されている椅子に座っており、織田のこんなにちーっちゃい侍大将が居て良いの!?と言うくらいのレベルで恥ずかしいような悲しいようななんかもう死にたくなってくる気分に襲われていた。まず、長尾家と戦する前にこの罪悪感と違和感を先に退治するべきだと俺は思うんだ。
「しかし、面白うございますなぁ」
晴信の隣に座っている勘助が右頬を右手で叩きながら呟いた。何事かと座っていた全員が、勘助の顔を見る。勘助の事がなんとなく分かってきた俺の経験談とこの誹謗過ぎる知識からすれば、勘助が何か話し出すとすぐその場の空気は乱れ始めると言うこと。
しかしそれを逆手にとる晴信と言ったら、どっちも策士過ぎて圧巻過ぎると言う言葉しか掛ける言葉がない。
「ですが―」
すると突然、右隣に座っていたまだまだ育ち盛りである赤髪の女の子が勘助のターンを打ち切りにするべく動く出そうとしていた。
「ですが、面白がってる一刻の猶予もありません。と言うかこの弱そうな隣の男を連れてきたのは誰ですか」
隣の男を指差すと、隣に居ると考えるだけで吐き気がするとでも言うように嫌そうな顔をして見ている。
ほらほら、武田の家臣同士だからって喧嘩するのはよくな・・・って俺かよ!!
言いやがったなこの!俺だって居たくて此処にいる訳じゃないんだよ!なんで此処に残ったか自分ですら分からないけどさぁ・・・。とにかくそういう目で見るの止めてぇ!?
「四郎」
しかし、状況を覆すように、隣の子の正面に座る一人の女の子は誰かの名前を言い放つ。
四郎、一体誰の名前か。そう思った矢先に返事をしたのはなんと右隣の女の子。
「はいっ」
「その方は織田の客人。貴方がせせらう程身分の低い方ではないわ。それと、ここは戦場よ。貴方ももっと姉上を見習って立派な武士になる。元服の時にそう言っていたでしょう?」
こういう人ってあれですよね。肝が座ってて参謀みたいにバンバン的確な指示を出す人ですよね。彼女も赤毛でもしかすると姉妹。もしかすると、その姉上ってのも・・・。
「ははは、次郎も鬼だね。まぁそんなに言わないでやりなよ。十人十色のこの世界で、一人の意見を全会一致で通すことは無理難題さね。そう言った意見を尊重していき、有言実行を目指すのが一番筋が通ってると思うよ」
晴信は微笑して次郎と四郎の会話を聞いていた。
一度、昌景に対して晴信が言っていた言葉と似ていた気がしたが、もしかしてこういう場で毎回毎回同じこと言ってるの?晴信って。
「まぁ、姉上の言葉は尊重致しますが・・・。それでも、それを通せなくなる時がいつか訪れる。だからこそ、長い間戦乱の世が続き、早百年と年月が経とうとしているのです。姉上、綺麗事だけでは天下は取れぬと思う沙汰です。姉上は姉上。私は私です。いつの日誰かが天下を平定しようとも、それに文句を言える筋はありません。当たって砕けてまた立ち直って····。武田はそうやって生き延びてきたではありませんか。四郎にだって教えねばならぬこと。私はそう思いました」
なら武田は武田。織田は織田。俺に口出しする理由は一つも無かった。しかし、自分が馬鹿にされた所からここまで話が発展してしまうと、なんとも言えない罪悪感に襲われるのだった。何にもしてないのにいつも巻き込まれてる気がするんだけど俺。もしかして、トラブルメーカーだったりするのかな?
自覚していれば強味を持てるなんて、全く意味不明なことを俺は真剣に考えていた。
「次郎・・・あんた、こんな始まりの戦いで死なれちゃ困るよ?」
と、状況が一変したのだろうか。
目にしわを寄せた晴信が、何かを感じ取ったように言い放つ。
家臣も口を出せずにいたが、流石にそれはまずいと判断したのだろうか、この話に止めを入れようと動き出す。
「晴信様、それ以上は」
昌景は立ち上がると、刀を床に突き立てる。
ゴンッ、小さな振動が起きた。
「なんだい昌景、私と次郎が話してるんだけどね?」
「止める義理が無いとでも言いたいのでしょうが、それ以上は禁句です。晴信様、場を慎んでください。ここは戦場。例え一言の失態でも、家臣の士気に関わる問題になりうるのですから」
また、ずっと腕を組んでこの会話を聞いていたと思われる昌豊は、冷静な判断を下そうとじていた。
「・・・次郎。すまなかったね、色々考え込み過ぎてたようだよ。どうかしてた・・・」
「なにを。いつもの姉上ではありませんか。おきになさらずとも。」
武田姉妹の忠告があと一歩で喧嘩へと発展していきそうだった。
勘助も、少し苦笑いをしてこの状況を見ていた。確かに、策を発表しようとしている面前で喧嘩をされればあとの空気が溜まったもんじゃない。八つ当たりされそうな勘助の気持ち、なんとなく分かりますよ。
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