異世界を追い出された俺は──元の世界でハーレム作りに勤しみます【凍結】

決事

委員会がはっじまっるよー!

説教に時間を費やしたあの放課後から二日経った。
だが、何の対策も立たないまま体育祭実行委員会が開かれてしまった。
この学校に転入してから貴重な放課後の時間がゼロに等しいのは、けして気のせいなどではない。
おかしいだろ!
彼女とデートしてるわけでも、クラスメイトとカラオケ行って青春してるわけでもなく、女子二人に監視されながら書類仕事&雑用って!
俺はMじゃねー!
心の叫びは意味をなさず、余計虚しくなっただけだった。
仕方なく、吹留のいう問題児かける2に当たりをつける。
当たりをつけるとは言っても、パッと見ですぐ分かったが。
もう、これはなんというか……。
「そろそろ始めるから着席してくれるかなぁ?」
委員会の長を務める三年、階樽真水かいたるまみ
語尾を上げるその口調から誰もが察することの出来る、ぶりっ子の典型。
耳のちょい下で二つに結った髪をしきりに弄っている。
唇には色付きのグリス。
眉も睫毛も毎朝丁寧に整えてきているだろう。
瞬きを二回ずつするのやめてほしい。
パチパチッ。
なに、カメラのシャッター切ってんの?
「ねえ皆。委員長が何か言ってるみたいだよ。聞いてあげようよ」
先生受けの良さそうな二年、晴尉七はるいなな
おい、口角上がってるぞ。
性格の悪さが半径1mも溢れ出てる。
取り巻きのクスクス笑いは途切れることを知らない。
ポニーテール、メガネ、と一見正反対に見える要素がヤケに似合っている。
しかし、スポーツ系少女の髪型と真面目ちゃん女子のアイテムを兼ね備えている割に、中身はぶりっ子委員長となんら代わりはなさそうだ。
「もぉ。始めちゃいますよぉ? これから体育祭実行委員会を始めまぁす」
間延びしたその開始を告げる挨拶に、幾人かがばらばらと頭を浅く下げた。
もー、無理。
帰りたい。
こんなメンバーでハプニング起こらない筈なし。

駄菓子菓子。

吹留と龍生に挟まれて座る俺に逃げるというコマンドは存在しなかったです。

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