人違いで異世界に召喚されたが、その後美少女ハーレム状態になった件

あまたつ

第35話 現れたのは3人目の神だった件

「……はぁ〜」

 俺は安堵感から、とても大きなため息をついた。
 自然と笑みがこぼれる。肩の荷がすっと落ちたように感じた。

 たくさんの木々に囲まれたこのトールフォレストで、俺はゆっくりと腰を下ろす。

 ちらりと、リーナの方に視線を向けた。

「…………」

 リーナが、酷く落ち込んだように顔を暗くさせ、俯きながら立っていた。

 ……まあ、あんなこと言われちゃしょうがないかな。

 アリサを倒した後に現れたあの少女の言葉が、フラッシュバックするように頭の中で再生される。


『………………お前たちを殺す』


 たしかに少女はそう言っていた。それも、ひどく俺たちを恨んでいるのか、その声から少女の憎悪のようなものが感じ取れた。

 結局、少女はそれから俺たちに何も危害を加えず、少女の背後にあったゲートの奥へと姿を消した。

 ……はぁ。一体何が何だか……。俺たちが何をしたってんだよ。

 俺は力なく、体を地面に預けるようにして仰向けに寝転がった。
 目をつむり、頭をフル回転させる。

 そもそも、俺の能力ってなんなのか。
 ルイが言ってた、この世界のルールって?
 あの少女と、俺たちの関係性は一体なんだ?

 ……くそっ!考えるだけで頭が痛い!

 ……つーか、あいつらなら知ってるよな?多分。

 俺はもう一度リーナに視線を向けた。

「…………なんで……リリーが……?」

 ふと、リーナがそう呟いた。

「リリーって誰だ?」

 即座に俺はリーナに聞いた。それも、少しキレ気味で。
 なんでかって?……なんか、嫌な予感がしてな。

 俺に聞かれたリーナは、顔を俯かせたまま、俺に言った。

 なんというか、案の定だな。
 嫌な予感が的中した。

「あの子…………私たちと同じ、この世界に送り込まれた、神なのよ」

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