勇者になれなかった俺は異世界で
情報
ダブルホワイトが出してくれた情報はこんな感じだ。
まずこの世界の事だ。名前はアデイオと言って、
嘗て人間や人獣、小人など様々な種族が平和に暮らしていた。
だが、とある事件を切っ掛けに次々と生命が亡くなっていき、
死体のままで歩くゾンビになってしまったらしい。
その事件の事は詳しく分からないらしいが、
何やら途轍もなく危険な魔物が施設を脱走した事がきっかけに
世界が滅亡してしまったのだ。
その魔物が脱走してから僅か一ヵ月で世界のあらゆる生命が滅亡。
これは確証はない事なのだが、どうやらその魔物を見ただけで苦しみ悶え
血塊を吐き出して死に居たりその後ゾンビとなって生命ある者を襲うらしい。
見ただけで死んでしまうと言う何とも理不尽な存在に
思わず気分が悪くなってしまった。
一ヵ月の間生き残っている者達は協力して
その魔物に抵抗する方法を考えた結果作り出されたのが
彼らダブルホワイトだ。
彼らの眼には魔物の理不尽な力に耐性があり、
数分はの間見るぐらいなら問題はない。
正式な名前は無く、
生み出された順番と性能によって名前が付けられるらしい。
Aと言うのが攻撃型でBが防御型、Sがサポートで他にもいろいろいる。
攻撃型と言っても攻撃型の中にも色々と種類があるらしい。
ちなみにA-982は攻撃型の攻撃専門らしく防御は紙らしい。
S-230はサポート型の攻撃サポートらしい。
二人とも攻撃専門とはバランスが悪くないかと
問いかけてみるとそこは連携でカバーしているとのこと。
先程戦った鎧野郎の事は情報不足で良く分からないとのこと。
他にも拠点が滅んでいたとかこれから本拠点に行くところだとか、
正直どうでも良い情報を教えてくれた。
この世界の事とダブルホワイトの事を知れたので
結構良い収穫だと思う。
「まとめると、危険な魔物の所為で生命が滅び掛け
それを救うべくお前達が生み出されたと」
「はい、そんな感じです」
だが、救うべき生命は既に全滅と。
『こいつら何のために生きてるんだ?』
そう酷い事言うな。
魔物を倒すと言う目的で生み出された以上
生みの親たちが居なくなろうとも使命を全うしたいんだろうよ。
『我には良く分からないな』
そんな会話をポチとしながら、
ダブルホワイトが情報を教えてくれたのだから、
一応自分たちの情報を教えようと、
軽い自己紹介を始める。
「紹介が遅れたが、俺はソラだ。
そしてこの可愛いモフモフがポチだ」
「僕はS-230番」
「私はA-982番」
「ちなみに、ソラさんは人間ですか?」
ホワイトボーイことS-230番が首を傾げそう尋ねて来た。
うん、そうだよ。と答えたいところだが躊躇ってしまう。
本来は人間だが色々とありすぎてほぼアンデットと化している。
……つまりゾンビと一緒という事だ。
いいえ、ゾンビです!なんて言ったら
面倒な事になるのは目に見えているので、
ここは人間と答えるのが最善だろう。
決して人間が嘘という訳ではないのだから問題はなかろう。
「ああ、そうだ」
「「!!」」
俺がそう答えた瞬間二人の眼がキラキラと輝いた。
なにをときめいているのかと疑問を浮かべていると、
『まずはソラがこの世界の人では無い
という事を知らすべきだろう。
こいつ等は阿保なのか知らないが勘違いしている様だ』
あー、なるほど。
これは俺の配慮が足りなかったな申し訳ない。
人間と言うのはダブルホワイトからすれば
滅びたはずの種族な為、そんなのが目の前に現れたら
こういった反応をするのは当然なのかもしれない。
「ごめん、俺はこの世界の人間ではない」
「……そうですか、そうですよね。
ハハハ、でもこの世界ではないとはどういう事ですか?」
本当に期待させてしまったのだろう、
残念さを隠せずに苦笑いをするホワイトボーイを見て
物凄く申し訳ない気持ちになる。
「ん~なんといえば良いか。
分かってもらえないと思うが、
俺達のとってこの世界は夢の中なんだ」
此処は現実の世界なのは間違いないのだろうが、
俺とポチにとっては夢の世界なのだ。
夢と現実が繋がっていると言うなんとも複雑な状況だ。
「良く分からない、説明できる?S-230番」
「すいません、僕も理解できません」
「ああ、俺も詳しい事は分からん。
分かる事と言えば誰かが俺の事に意図的に
この世界に繋げているという事だ」
こればっかりは本当に誰なのか分からない。
このアデイオとかいう世界は初めて聞く名前だし
この世界と接点は何もないと言い切れる為、
全く見当がつかないのだ。
「なるほど……保証はできませんが、
もしかしたらA-001番かもしれませんね」
「001という事は一番最初に生み出されたやつか」
「はい、本拠点の長をやっている彼が
救世主としてソラさんを呼びつけたのかもしれませんね。
あの強さなら納得できます!」
「たしかに、あの強さは異常」
A-001番と言うのが一体どんな奴なのかは知らないが、
可能性がゼロとは言い切れない為、
会って確かめてみたい。
『行くのか?』
うん、違ったとしてもさ、
暇つぶしぐらいにはなるだろ?
夢が覚めるまで再びあの暇すぎる旅を続けるよりは数倍マシなので
例え違ったとしても良い暇つぶしになるのだ。
「そのA-001番に会ってみたいんだが、俺も付いて行っても問題無いか?」
「ええ、喜んで。ソラさんの様に強い方が一緒にいるだけで心強いです」
「私も構わない」
「よし、なら早速――おっと」
早速本拠点とやらに向かおうと思ったのだが、
徐々にダブルホワイト含め背景などが歪んできた。
恐らくこれは目が覚める前兆だろう。
「すまないが、俺達の夢が覚めてしまう様だ。
次はいつ会えるか分からないが、その時によろしく頼む」
「そうですか……残念です。一応此処に地図を描いて
置いておきますので次はそれを見て本拠点まで来てください
精一杯歓迎します」
「おお、そうか、それは楽しみだな――」
視界が一気に真っ白になり、
気が付けば見慣れた天井が広がっていた。
まずこの世界の事だ。名前はアデイオと言って、
嘗て人間や人獣、小人など様々な種族が平和に暮らしていた。
だが、とある事件を切っ掛けに次々と生命が亡くなっていき、
死体のままで歩くゾンビになってしまったらしい。
その事件の事は詳しく分からないらしいが、
何やら途轍もなく危険な魔物が施設を脱走した事がきっかけに
世界が滅亡してしまったのだ。
その魔物が脱走してから僅か一ヵ月で世界のあらゆる生命が滅亡。
これは確証はない事なのだが、どうやらその魔物を見ただけで苦しみ悶え
血塊を吐き出して死に居たりその後ゾンビとなって生命ある者を襲うらしい。
見ただけで死んでしまうと言う何とも理不尽な存在に
思わず気分が悪くなってしまった。
一ヵ月の間生き残っている者達は協力して
その魔物に抵抗する方法を考えた結果作り出されたのが
彼らダブルホワイトだ。
彼らの眼には魔物の理不尽な力に耐性があり、
数分はの間見るぐらいなら問題はない。
正式な名前は無く、
生み出された順番と性能によって名前が付けられるらしい。
Aと言うのが攻撃型でBが防御型、Sがサポートで他にもいろいろいる。
攻撃型と言っても攻撃型の中にも色々と種類があるらしい。
ちなみにA-982は攻撃型の攻撃専門らしく防御は紙らしい。
S-230はサポート型の攻撃サポートらしい。
二人とも攻撃専門とはバランスが悪くないかと
問いかけてみるとそこは連携でカバーしているとのこと。
先程戦った鎧野郎の事は情報不足で良く分からないとのこと。
他にも拠点が滅んでいたとかこれから本拠点に行くところだとか、
正直どうでも良い情報を教えてくれた。
この世界の事とダブルホワイトの事を知れたので
結構良い収穫だと思う。
「まとめると、危険な魔物の所為で生命が滅び掛け
それを救うべくお前達が生み出されたと」
「はい、そんな感じです」
だが、救うべき生命は既に全滅と。
『こいつら何のために生きてるんだ?』
そう酷い事言うな。
魔物を倒すと言う目的で生み出された以上
生みの親たちが居なくなろうとも使命を全うしたいんだろうよ。
『我には良く分からないな』
そんな会話をポチとしながら、
ダブルホワイトが情報を教えてくれたのだから、
一応自分たちの情報を教えようと、
軽い自己紹介を始める。
「紹介が遅れたが、俺はソラだ。
そしてこの可愛いモフモフがポチだ」
「僕はS-230番」
「私はA-982番」
「ちなみに、ソラさんは人間ですか?」
ホワイトボーイことS-230番が首を傾げそう尋ねて来た。
うん、そうだよ。と答えたいところだが躊躇ってしまう。
本来は人間だが色々とありすぎてほぼアンデットと化している。
……つまりゾンビと一緒という事だ。
いいえ、ゾンビです!なんて言ったら
面倒な事になるのは目に見えているので、
ここは人間と答えるのが最善だろう。
決して人間が嘘という訳ではないのだから問題はなかろう。
「ああ、そうだ」
「「!!」」
俺がそう答えた瞬間二人の眼がキラキラと輝いた。
なにをときめいているのかと疑問を浮かべていると、
『まずはソラがこの世界の人では無い
という事を知らすべきだろう。
こいつ等は阿保なのか知らないが勘違いしている様だ』
あー、なるほど。
これは俺の配慮が足りなかったな申し訳ない。
人間と言うのはダブルホワイトからすれば
滅びたはずの種族な為、そんなのが目の前に現れたら
こういった反応をするのは当然なのかもしれない。
「ごめん、俺はこの世界の人間ではない」
「……そうですか、そうですよね。
ハハハ、でもこの世界ではないとはどういう事ですか?」
本当に期待させてしまったのだろう、
残念さを隠せずに苦笑いをするホワイトボーイを見て
物凄く申し訳ない気持ちになる。
「ん~なんといえば良いか。
分かってもらえないと思うが、
俺達のとってこの世界は夢の中なんだ」
此処は現実の世界なのは間違いないのだろうが、
俺とポチにとっては夢の世界なのだ。
夢と現実が繋がっていると言うなんとも複雑な状況だ。
「良く分からない、説明できる?S-230番」
「すいません、僕も理解できません」
「ああ、俺も詳しい事は分からん。
分かる事と言えば誰かが俺の事に意図的に
この世界に繋げているという事だ」
こればっかりは本当に誰なのか分からない。
このアデイオとかいう世界は初めて聞く名前だし
この世界と接点は何もないと言い切れる為、
全く見当がつかないのだ。
「なるほど……保証はできませんが、
もしかしたらA-001番かもしれませんね」
「001という事は一番最初に生み出されたやつか」
「はい、本拠点の長をやっている彼が
救世主としてソラさんを呼びつけたのかもしれませんね。
あの強さなら納得できます!」
「たしかに、あの強さは異常」
A-001番と言うのが一体どんな奴なのかは知らないが、
可能性がゼロとは言い切れない為、
会って確かめてみたい。
『行くのか?』
うん、違ったとしてもさ、
暇つぶしぐらいにはなるだろ?
夢が覚めるまで再びあの暇すぎる旅を続けるよりは数倍マシなので
例え違ったとしても良い暇つぶしになるのだ。
「そのA-001番に会ってみたいんだが、俺も付いて行っても問題無いか?」
「ええ、喜んで。ソラさんの様に強い方が一緒にいるだけで心強いです」
「私も構わない」
「よし、なら早速――おっと」
早速本拠点とやらに向かおうと思ったのだが、
徐々にダブルホワイト含め背景などが歪んできた。
恐らくこれは目が覚める前兆だろう。
「すまないが、俺達の夢が覚めてしまう様だ。
次はいつ会えるか分からないが、その時によろしく頼む」
「そうですか……残念です。一応此処に地図を描いて
置いておきますので次はそれを見て本拠点まで来てください
精一杯歓迎します」
「おお、そうか、それは楽しみだな――」
視界が一気に真っ白になり、
気が付けば見慣れた天井が広がっていた。
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