異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育成しています ~
できる男は仕事と遊びを両立させる
翌日の朝。
俺は予定していた海に行く前に冒険者ギルドに立ち寄ることにした。
何故って?
ただ単に海に行ってもそれは遊びに行くのと変わらないからな。
どうせ海に行くのであればそれに関連するクエストも受注しておくのが効率的だろう。
ふふふん。
できる男っていうのは、往々にして仕事と遊びを両立させるものなのである。
ああ。そうそう。
前回の冒険で竜王女クルルを打倒したことによって、俺のレベルは飛躍的に上昇していた。
カゼハヤ・ソータ
職業 魔物使い
レベル 588(↑12)
生命力 270(↑8)
筋力値 99(↑2)
魔力値 214(↑6)
精神力 3053(↑60)
加護
絶対支配
スキル
カプセルボール 鑑定眼 魔物配合 コンタクト 精神操作 スキルレンタル
使役
アフロディーテ
キャロライナ・バートン
シエル・オーテルロッド
ユウコ
ロスト・トリザルティ
ワーウルフ
アダマイトゴーレム
ケダマロ
ワイバーン
ゴブリンナイト ×15
ライトマッシュ ×6
キツネビ ×4
マッドマッシュ
流石は魔王軍の師団長を務めていただけのことはある。
クルルから得られた経験値は、俺のレベルを一気に引き上げていた。
ここ最近はレベルアップが御無沙汰だったから、嬉しい収穫である。
今日の遠征ではどんな魔物に出会えるだろうか?
経済的にも、ステータス的にも余裕が出てきたわけだから、これからは思う存分に仕事を楽しんでくことにしよう。
~~~~~~~~~~~~
クロエ・グライス
種族 :ケットシー
年齢 :18
「えっと。海洋モンスターの討伐クエストですね。少々お待ちください」
ギルドに着くと、いつものように受付嬢のクロエちゃんが応対してくれた。
受付嬢のクロエちゃんは、小柄な体躯とセミロングの黒髪を持ったハイレベルな美少女である。
頭の上からピョコンと生えた猫耳が眩しすぎる!
「あ。少し危険度は高いですけど、こんなクエストがありましたよ!」
☆緊急クエスト
●巨大イカの討伐
必要R :G
成功条件:サラス海岸に出現したクラーケンを1体討伐
成功報酬:1500万コル
繰り返し:不可
クロエちゃんはファイルの中から1枚の依頼書を取り出してくれた。
必要ランクはG。
前回のコカトリス討伐クエストと同一のものである。
どうやら緊急クエストっていうのは、冒険者であれば誰でも参加できる設定になっているらしい。
「……1500万コルですか。その、クラーケンっていうモンスターは、そんなに強いんですか?」
これまでに俺が達成したクエストの中で最も高額なものは300万コルであった。
等級Bランクのコカトリスですら300万だったことを考えると、クラーケンっていうのは、下手するとSランク級の強敵という可能性もある。
「たしかにクラーケンは強敵です。けれども、戦闘能力自体はソータさんが以前に倒したコカトリスと同程度のものだと思います」
「……えーっと。それってどういうことですか?」
同程度の戦闘能力なのに5倍の報酬金額が設定されているのか。
これは何か裏がありそうだな。
「サラス海岸のクラーケンを討伐に向かった冒険者は、毎回のように台風に遭ってしまい、悲惨なことになっています。
聞くところによると、まるで何者かが天候の操作をしているとしか考えられないタイミングだったそうです。
そういうことが多く続いた結果、誰もクエストを受けてくれなくなったので報酬金額が上がってきたという感じです」
「……なるほど」
考えようによっては、このクラーケン討伐のクエストは非常に美味しいのかもしれない。
だってそうだろう?
俺はこの世界に来てから、色々な魔法を見てきたが、天候の操作なんて芸当は、キャロライナの魔法ですら不可能である。
俺の予想が正しければ噂が1人歩きした結果、勝手に周りが怖がっているだけなのだろうな。
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