世界最強が転生時にさらに強くなったそうです

白狼

決断に苦しみました

 俺は、オリビアの家で一泊することになり、今は、食事を作ってもらっている。
 その間は、暇なのでオリビアや、カルロスさんといろいろな話をしていた。
「そういえば、オリビア、お母さんは、いないのか?」
「お母さんなら、今日は、公務で出かけているの。本当は、お母さんにもシン君のことを紹介したかったのにな。」
「まぁ、次にまた会った時に、紹介すればいいだろう。」
「そうだね。」
 俺たちが、そんな話をしていると、リンさんが来た。
「皆様、食事の準備が出来ました。」
「おお、そうか、今から行くよ。」
「行きましょ、シン君!リンたちが作ったご飯は、とても美味しいのよ!」
「そうなのか、楽しみだな!」
 俺は、オリビアに案内されて、食堂へと来た。そして、テーブルの上には、たくさんの食事が用意されていた。
「すごい、美味しそうだな!」
「うふふ、さぁ、早く食べましょ!」
 俺たちは、席について、「いただきます。」と言って、食事を始めた。
「うん!これ、めっちゃ美味い!」
 この食事は、どれも美味しい!いつも、食べている食事と変わらないくらい美味しいのだ!
「ははは、いい食べっぷりだな!ほら!もっと食え!」
 そう言って、カルロスさんは、もっと食事を出てきた。
 でも、まだ全然いけるので、大歓迎だ!
 それから、数十分経ち、食事を終えると、カルロスさんが大事な話があるというので、今は、カルロスさんの部屋にいる。
「それで、大事な話ってのは、なんですか?」
「ああ、そうだな、前置きは、めんどくさいし、率直に言うぞ。」
 そう言って、カルロスさんは、真面目な顔をした。
「シン!オリビアの婿になっては、くれないか?」
「む、婿ですか!?」
 なんと、カルロスさんは、オリビアの婿になってほしいと言ってきた。
「ど、どうしてですか?オリビア見たいな綺麗な子なら、他にもっといいところがあるのではないですか?」
「確かに、あいつは、とても綺麗だ。だが、そこが問題なのだ!」
 そう言ってカルロスさんは、前のめりになった。
「おっと、すまん。あいつは、とても綺麗だ。だ。そのせいで昔、誘拐されたことがあるのだ。」
「誘拐ですか…。」
「ああ、そのせいで、あいつは、周りの人間が怖く見えているようだ。だから、それを治そうと、今日も一人で喫茶店に行ったのだが、まさか、その喫茶店で強盗があるとはな。」
 そう言って、カルロスさんは、すごい悲しい顔をしている。
「だから、頼む!オリビアは、お前には、心を許しているらしく、今日は、とても楽しそうだった。あんな顔、もう何年も見ていなかったな。」
 う~ん、どうしよう?もし、ここで断ったら、オリビアは、どうなるのかな?このまま、ずっと一人なのか?さすがにそれは、可哀想すぎる。
 でも、シルフィたちになんの相談もなしでOKなんかしたら、確実に俺の命は、ない。
 しかたない、正直に話して断ろう!
「カルロスさん、俺には、もう、二人の婚約者がいるのです。ですので、残念ながらその話、受け入れることは、出来ません。」
「そうか、ゴメンな、変な話を聞かして。」
 カルロスさんは、すごい落ち込んでしまった。
 あ~!くそ!俺には、どうすることも出来ないのか!?
 オリビアは、伯爵家の一人娘だ。必ず、誰かと結婚をしなくては、いけないだろう。最悪の場合、隣の国で政略結婚なんかされるかもしれない。隣の国は、この国みたいな、政略結婚禁止の法は、ないからな。
 だが、そうなると、絶対にオリビアは、幸せになれないだろう。もしかすると、ドルファスのような、クズ野郎の慰め者になるかもしれない。
 嫌だ!そんなのは、絶対に嫌だ!
 俺は今日、オリビアと過ごしてすごい楽しかった。あいつの笑顔が、すごい印象に残っている。
 こう考えてしまうってことは、俺は、オリビアを好きになってしまったんだな。
 うん!決めた!やっぱり、オリビアを貰おう!シルフィたちには、ちゃんと話せば分かってもらえるだろう!
「カルロスさん!やっぱり、その話、お受けします!俺に、オリビアをください!」
 俺は、そう言って、頭を下げた。
「本当か!?本当にいいのだな!?もう、あとには、引けないぞ!」
「分かっております!覚悟の上です!」
「分かった!すぐにオリビアに伝えてくる!」
 そう言って、カルロスさんは、部屋を出ていき、戻ってくるとオリビアも一緒だった。
「シン君、お父様、どうしたのですか?大事な話があるって?」
 オリビアは、何も聞かされずにここに来たらしい。
「シン、最後に確認する、OKってことでいいよな?」
「はい!もちろんです!」
「??」
 オリビアは、話の流れが分かっていないらしく、頭の上に?のマークを浮かべていた。
「オリビア、俺の嫁になってくれ!」
 俺は、単刀直入に、そう告げた。
「へ?」
 オリビアは、まだ、何を言われたのか理解していなかった。だが、理解してくると、オリビアの目には、涙が溜まっていた。
「ほ、本当ですか?私、シン君のお嫁さんになれるのですか?」
「ああ、でも、俺には、もう、二人の婚約者がいるから、それを承知の上でOKをしてくれるのならな。」
「もちろん、OKです!私を、シン君のお嫁さんにしてください!!」
 そう言って、オリビアは、俺の胸に抱きついてきた。俺は、優しく、抱きしめてやった。
「良かったな、オリビア。」
「はい!」
「オリビア、この話は、カルロスさんから持ちかけてくれたんだ。」
「そうなのですか!?お父様、ありがとうございます!!」
 カルロスさんは、娘の感謝に、照れていた。
 それから、少し落ち着いて、カルロスさんが俺に話を振った。
「そういえば、シン、お前の婚約者って誰なんだ?」
「一人は、獣人族の子供です。」
「獣人族の子供?獣人族を婚約者にするなんて、シンは、すごいな!」
「そうですか?でも、とても可愛いのですよ。」
「そうなのか、1度会いたいな。それで、もう一人の婚約者とやらは?」
「もう一人は、王族の第3王女、シルフィです。」
「・・・ん、第3王女、シルフィって、あのシルフィ様か!?」
「はいそうですよ。」
「たしか、この前、誕生日パーティで、婚約者を発表したと聞いたが、まさか、それがシンだったなんてな。」
 カルロスさんは、すごい苦笑いをしていた。
「わ、私、王族の婚約者の人と結婚するのですか。」
 オリビアに関しては、もう、目を回していた。
「やっぱり、嫌だったか?」
「い、いえ!そんなことありません!お姫様相手だと少し緊張しますが、大丈夫です!」
「そうか、ありがとう!俺も、なるべく頑張るからな。」
「ん?何を頑張るのですか?」
「シルフィの説得を。」
「お姫様の説得?」
「ああ、シルフィって結構、嫉妬深くてよ、今さっき言った、獣人族の子供の件でも、結構大変だったよ。」
「そうなのですか、私、大丈夫なんですかね?」
 オリビアは、シルフィに受け入れてもらえるか、とても心配のようだ。
「大丈夫だ!俺が何とかしてみせる!!」
 俺がそう言うと、オリビアは、顔をパァーっと明るくさせた。
「はい!信じています!」
 そして、また、俺に抱きついてきた。
「よし!そろそろ、時間も遅いし、寝るか!」
 そう言って、カルロスさんは、俺に鍵を一つ渡してくれた。
「これ、なんですか?」
「それは、お前の部屋の鍵だ。鍵をかけた方が危険も減るだろ?」
「そうですね、ありがとうございます。」
 カルロスさんって本当にいい人だな。
「その鍵をメイドか、執事に見せれば、案内してくれる。」
「分かりました。それでは、お邪魔します。」
「ああ、よく寝れよ。」
 そう言って、俺とオリビアは、部屋を出ていった。
「それでは、シン君、また、明日。おやすみなさい。」
「ああ、おやすみ。」
 そう言って、俺とオリビアも別れた。
 そして、俺は、そこにいたメイドさんに鍵を見せると、部屋まで案内してくれた。
 部屋に入ると、とても綺麗な部屋だった。
 よし!もう寝ようか。
 明日は、戻る前に、本を読んでスキルを使ってみたいし。

コメント

  • ノベルバユーザー375831

    この主人公クズ過ぎる…

    1
  • ノベルバユーザー339989

    主人公がクズなんですがw

    1
  • ノベルバユーザー308600

    貴族の一人娘の婿になるならシンさんがその貴族の後継者になるのわわかるのですが、そうでないならそこの貴族の家系は終わってしまうのでわないのでしょうか…
    シンさんとの子供に貴族を継がせるのならわかるのですが…

    0
  • ア〇シズ教の元締めの女神

    主人公やっぱりクズじゃないか…!

    1
  • ノベルバユーザー252836

    アホかʬʬʬʬʬʬʬʬʬʬと思った。雷で死んで頭弱くなったのかプレイボーイになってしまっまのか……

    1
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