継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》

リッキー

ダンジョンに向かっています

 
 現在、じいちゃんの前に座って馬に乗っている。

 乗ってる馬は、じいちゃんの愛馬でめちゃくちゃ速い!
 普通なら、馬車で2日かかる場所に半日で着く予定らしい。

 で、昨日は自分の部屋に戻ってから、創造魔法を使っていろいろ造った。

 まず、貰った装備を改造した。
 これにはセバスチャンに貰ったたくさんの魔力が入った魔石を使った。

<スカイシューズ+>
 空中を走ることが出来る
 装備者の速さ5割上昇
 創造者:レオンス・フォースター

<透明マント+>
 魔力を使用して透明になるだけでなく
 自分の魔力、匂い、気配を遮断する
 これを装備すると当たった全ての攻撃を半減する
 創造者:レオンス・フォースター

 どちらもヤバいな....
 空中を走れる....だけじゃなく速さが5割増しだって.....
 と、透明?....存在を完璧に遮断してしまうらしい....

 この装備があれば絶対に負けないじゃん....
 俺の魔石ってここまで凄いの?

 そして、エレナの改造はこんな感じになった。

<魔剣エレナLv.1>
 持ち主と念話が出来る
 持ち主の大量の魔力を吸収して切れ味と耐久性を強化していく
 レベルが上がると出来る能力が増える
 自己修復能力有り
 Lv.1…持ち主の筋力を5割上昇
 創造者:レオンス・フォースター

 なんと、成長機能がついてしまったがレベル1で筋力1.5倍はヤバいだろ.....

 しかも、創造者が俺になり名前がエレメナからエレナになった。
 もしかしたら、改造したから全く違うものになったということかな?
 だから、創造者も別物になったのかな?

 後は、ダンジョンで役に立ちそうな物を造った。
 これにセバスチャンに貰った魔石を使うのは、もったいないので素材屋で買った1年くらいしか魔力を注いでない魔石(実は既に凄い魔力)を使った。

 造った物はこちら.....

<オートマッピング>
 自分がいる半径10メートルの範囲の道を自動で記録してくれる
 創造者:レオンス・フォースター

<ワナテラス>
 宙に浮きに入ると使用者に光を提供して
 トラップがある場所を赤い光で照らす
 創造者:レオンス・フォースター

<水水筒>
 魔力を込めると水が出てくる水筒
 創造者:レオンス・フォースター

 思いつく限りのダンジョンの危険を排除できる物を造った。
 まあ、これがあればダンジョンでも安心だろ!

 これらは全部、凄いポケットが付いたリュックサックに入れて持っている。

 それと装備をつけると俺のステータスはこうなる......

 レオンス・フォースター Lv.1

 年齢:8
 種族:人族
 職業:創造士

 体力:680/680
 魔力:67400/67400

 力:370×1.5(555)
 速さ:430×1.5(645)
 運:1000
 属性:無、創造
 スキル
 鑑定 創造魔法Lv.4
 無属性魔法Lv.5 魔力操作Lv.5
 無心Lv.2 剣術Lv.6
 魔力感知Lv.2

 称号
 異世界の記憶を持つ者
 魔導師

 やっぱり、1.5倍はデカいな.....
 それと、創造魔法でたくさん造ったのでレベルアップしたみたいだ。

<創造魔法Lv.4>
 魔力を使ってイメージしたものを造ることができる魔法
 レベルが上がるほど造れる幅が広がる
 材料があるともっと造れる幅が上がる
 Lv.4…見たことがあるレベル5までの魔法を造れる(ただし必要な魔力が10倍)

 なぜか、魔法を造れるようになってしまった.....
 こんなことが出来ていいのか?
 創造魔法ヤバいな.....

 そんなことを考えてると、いきなりじいちゃんが森の方向に指さした。
「お、魔物が近づいてきてるぞ」
 魔物? 全く見当たらないぞ.....?

「え、どこ?どうするの?」

「もちろん倒すに決まってるだろ」

「やっぱり? そういえば、初めての魔物だ」
 今まで、俺は本物の魔物を見たことすらない

「そうか、何が来るかな」
 なんで、見えないのに魔物が近づいて来ているのがわかるんだ?

 すると、近くの森からオークが出てきた。
「お、これは今日の昼飯が出てきた」

「オークっておいしいの?」

「ああ、少し硬いがうまいぞ」

「へ~、それは楽しみだね」

「じゃあ、止まって飯の準備にするか」
 そう言って、じいちゃんは何事も無かったように馬から降りた。

「じゃあ、俺は飯を作る道具を出したりするからオークは頼んだ」

「え~、俺に倒せる?」

「瞬殺できるから行ってこい」

「わ、わかったよ」
 本当に瞬殺できるのか?
 オークに向かってみるが、想像以上に大きくて自信が無くなってきたぞ.....

 まあ、じいちゃんが大丈夫って言っているから全力でやればたぶん大丈夫なんだろうけど

 ということで
(エレナ、よろしくね)

(オークごときでビビッてんじゃないわよ!)

(う、うるさいな!だって、大きくて力強そうじゃん)

(そういうところは、まだお子様なんだね)

(まだ、子供なんでね。それじゃあよろしく!)
 そう言って、エレナを抜く

 すると、一気に魔力が剣に持ってかれて行く
 おお、こんなに魔力を貰えたのは久しぶりだ!
 そして、魔力を吸ったエレナは凄い輝きになった。

 それに気がついたオークは、俺が不気味に思ったのか動きが止まった。
 
 しかし、俺が何もしないで構えているだけでいるとすぐに殴り掛かって来た。

 『グモァ~~~!』

 あれ?オークの動きめっちゃ遅くね?
 オークの動きはじいちゃんの動きに比べたら、スローモーションを見ているくらい遅いぞ!
 それに、殴り方が大振り過ぎて避けやすいな.....

 俺は、ひらりと簡単に避けながら殴って来たオークの腕を切った。

 『グモ~~!?』

 オークは驚いて、急いで後退する。
 それに、俺はすぐに追撃し、簡単に首を切り落とした。

「ほら、瞬殺だろ?」

「こんなにオークって弱いの?」
 戦う前にあんなに怖がっていたのが馬鹿みたいじゃん....

「いや、お前が強すぎるだけだ」
 じいちゃんは、早速オークの解体を始めながら淡々とそう言った。

「俺、そんなに強くなったの?」

「ああ、ただレベルが上がったからまた強くなってると思うぞ?」

「え、本当? 見てみる」

 レオンス・フォースター Lv.4

 年齢:8
 種族:人族
 職業:創造士

 体力:1180/1180
 魔力:109×10³/116×10³

 力:640×1.5(960)
 速さ:740×1.5(1110)
 運:1000
 属性:無、創造
 スキル
 鑑定 創造魔法Lv.4
 無属性魔法Lv.5 魔力操作Lv.5
 無心Lv.2 剣術Lv.6
 魔力感知Lv.2

 称号
 異世界の記憶を持つ者
 賢者

「凄い.....もうレベルが4になっちゃった」

「まあ、普通はレベル1が1人で倒せるような魔物じゃないからな」

「へ~、それとレベルが上がると普通はどのくらいステータスが上がるの?」
 ぱっと見た感じ、上がり過ぎな気がするのだが......

「だいたい多くて1割増えるかな」

「へ~、そうなんだ」

 このことを踏まえて、もう一度カードを見てみる。
 なるほど、ミサンガのおかげで1割が2割になったんだろ。

 それでもこれはヤバい、特に魔力の0が多くて省略されてる.....
 しかも、賢者になってしまってるぞ!

<賢者>
 魔力が100000を超えると貰える
 魔法に必要な魔力が50%減

 せっかく、魔力が増えたのに魔法に必要な魔力が凄い減ってしまった。
 炎とか普通の属性だったら、もの凄い大規模な魔法が使えてしまいそう.....

「どうだ、ステータスめっちゃ上がったろ」

「うん、上がった」

「だろ、レベルを上げる前に鍛えておくと成長が速いんだよ」

「な、なるほどね.....」
 ということは、俺は鍛え過ぎたな.....

「それとこれがオークの魔石だ」
 普段から見ている魔石と同じ大きさの物を渡された。

「へ~ こんな感じで魔石って取れるんだ~」

「そうだ。勉強になったか? じゃあ、飯にするぞ!」

 その後、オークを塩で焼いておいしく食べました。
 味としては、じいちゃんが言ってた様に硬かったが普通に美味しかった。

 それから食べ終わった後、2時間くらい馬に乗り、やっと目的の街に着いた。

「あれ?ダンジョンらしき物が見当たらないんだけど?」
 見る限り、冒険者が多い気がするが至って普通の街だ。

「ああ、それはここのダンジョンは地下にあるから、街の中心の入り口以外はわからないようになっているんだよ」

「そうなんだ~ 地下にあるダンジョンか~」

「ただ、凄く大規模なダンジョンだぞ? この街に住む奴は、だいたい冒険者と冒険者を相手に商売してる奴だ」

「冒険者の街なんだね」

「そうだ。 ここの冒険者ギルドはこの国では帝都の本部の次に大きいぞ」

「ギルド!?」

「ギルドに興味があるのか? ただ、レオは子供だからまだ登録出来ないぞ」

「じいちゃんは登録してるの?」

「してたけど。帝国に亡命した時に脱退した」

「なんで!?」

「亡命した時に、俺は帝国の管轄になったからやめるしかなくなったんだよ」

「そんなことがあったんだね」

「今となっては懐かしいな」

「これからすぐにダンジョンに入るの?」

「もう夕方になるし、お試しで1階だけ探索したら宿に泊まろう」

「うん、わかった」

 ちなみに馬は街の外に置いてきてしまった。
 何でも、賢く強いため放置してても生きていけるそうだ。

 それから、街の中心のダンジョン入り口に着いた。

「思っていたより入口が大きいね」

「入り口が大きい分、この中も凄く大きいがな」

「このダンジョンって、地下何階まであるの?」

「それが、まだ誰も攻略してないからわかってないんだ」

「それじゃあ、最高でどのくらいまで進むことが出来た人がいるの?」

「確か....40前後だったかな?」

「うわ~凄く深いね」

「ちなみにこの記録はダミアンだ」

「そうなんだ....おじさんはやっぱり凄いね」

「ああ、10年くらい前に王がダンジョンを減らすのに力を入れたときの任務だったからな」

「何で減らすの?」
 この街の雰囲気からして、ダンジョンが無くなったら経済的に大変なことになってしまいそうだけど?

「それは、偶にだが、ダンジョン中で魔物が異常発生することあるんだ。それが起こると大量の魔物がダンジョンから飛び出してきて大災害になるんだよ」

「確かに、それは大変だね」

「だから潰そうとしたんだが、結局、踏破出来たダンジョンは塔のダンジョンだけになってしまったんだがな」

「塔のダンジョンは何階だったの?」

「40階だったって言ってたぞ?」

「40階か....流石、おじさんだね」

「お、俺も負けてないからな?」

「何が?」
 どうした急に?

「俺は50階もある魔王のダンジョンを踏破したぞ!」

「それは凄いね。魔王のダンジョンで50ならこのダンジョンも50くらいかな?」

「どうだろうな。ダンジョンは、古ければ古いほど大きいからな」

「これは、どのくらい古いの?」

「さあな。とりあえず入るぞ」

 ダンジョンに入って行くと早速俺はワナテラスを出した。
 ワナテラスのおかげで、薄暗いダンジョンの中が程良い光で視界が良好になった。

「この光は便利だな」

「でしょ。昨日造ってみた」

「もう、だいぶ創造魔法を使いこなせるようになったんだな」

「うん、魔法も造れるようになったし」

「ま、魔法? どういうことだ?」

「うん~ あ、ゴブリンが来たから早速見せるね」

 一体のゴブリンが走って近づいて来るが、さっきのオークに比べたら全く迫力が無いな.....

「炎魔法行け」
 炎魔法を創造して、ゴブリンに向けて撃った。
 あれ? 思ったよりすんなりと出来たぞ?

 そして、俺の炎魔法は綺麗に当たり、ゴブリンを一瞬で黒焦げになってしてしまった。

「おいおい、本当に出来るのかよ.....魔法で魔法を造るって反則だろ」

「出来るんだからしょうがないじゃん!」

「そう...だな」

 そんな話しをしてるとゴブリンの死体が光になって消えた。
 そして、ナイフが出てきた。

「あ、ドロップだ」

「お、知ってるのか?」

「う、うん。ま、前に本で読んだ~」

「そうか、ダンジョンで死んだ魔物はなぜかこうなる」

「なんでこうなるんだろうね?」

「人を集めるのが目的で、ダンジョンマスターがやってるらしいぞ」

「餌か」

「まあ、そんなところだろう。ちなみに、ボスとか奥の方の魔物だと、普通のドロップとレアドロップがあるぞ」

「なにそれ!? レアドロップ欲しいな~」

「運が良ければ貰えるよ」

「それは楽しみだね」
 俺は運に関して、自信しかない

「ああ、それじゃあ今日はこの辺にして宿に泊まるぞ」

「はーい」

「それと、明日からは本気で挑んで踏破するからな?」

「それは流石に無理でしょ~」
 だって、おじさんが出来なかったんだよ?

「そんなことはない。 明日から踏破するまでダンジョンから絶対に出ないからな!」

「え~? でも、食料はどうするの?」

「空間収納で半年分は持っているから心配は無い」

「うわ~本気じゃん!」

「だから、今日はちゃんと寝ておけ」

「は~い」
 マジか.....
 二人だけでダンジョンを踏破できるのか?

 明日からが楽しみの反面、少し怖くなってきたぞ......

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