異世界戦国記
第四十五話・放り投げて叩き付ける。
和睦から少し前。清州城の信友の寝室は荒れに荒れていた。床には切り裂かれた紙が散乱し物が散らかり障子は破れ床は刀傷が出来ていた。
そんな部屋の真ん中で部屋の主、織田信友は目を見開きブツブツと何かを呟きながら紙をもってくしゃくしゃにして破いていた。
「なぜだ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ…ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ッッッ!!!!!!!!」
最後の方には叫びだし鞘から抜きっぱなしの刀を持つと振り回し時々襖や柱にぶつかり音を立てる。
暫く振り回していると大粒の汗を搔きながら床に倒れこみまたブツブツと何かを呟き始めた。
信友は萱津の戦いで負けてからずっとこの調子であった。彼の目に映るのは自身が率いる軍勢よりも多い織田弾正忠家の軍勢、そしてその軍勢に押され逃げ出す自軍の姿であった。彼は何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度もその情景を目に写しそして耐え切れなくなり発狂する。
信友は完全に壊れてしまっていた。その為彼は一日中部屋に籠り時折発狂して周りに当たり散らしていた。そうすることでしか現実から逃れらないため。
「なぜ俺は負けた?負け続けた?あいつと何が違う?あいつが違うのか?あの男も傑物であったではないか…。そう言う家系なのか?俺は一生奴らには勝てないのか?分からない。何が違う?何が、何が、何が…」
信友は自問自答を繰り返しやがて一つの結論を立てた。
「…そもそも俺は今何をしている?勝てなかったからと諦めておらぬか?負けてから俺は部屋で何をしていた?…そうか、そう言う事か!フハハハハハ!!!!分かったぞ!奴と俺の違いが!その、決定的な違いが!」
信友はそう叫びだす。そこへすっと障子を開けて誰かが入って来たが信友は気づかず叫び続ける。
「そもそも俺とあいつが違うのは当たり前だ。俺は謀略の限りを尽くしてきた!あいつは正々堂々とそれを打ち破ってきた!あいつの父親もそうだ!俺とあいつらはやり方が違う!つまりそういうことだ!」
部屋に入って来たものは静かに信友の後ろに立つが信友は気づかなかった。
「ならば俺は俺の道を行くまで!こうやって諦めていたのでは勝てる戦も勝てない!早速家臣を呼び出して対応ぉっ!!!!!」
信友の言葉は最後まで続かなかった。信友の背後に立った者は腰の刀を抜き信友の首を奇麗に切り落としたのである。信友は自身が殺されたことに気付かず光を見出していたように笑っていた。そんな信友の顔を見た男は一言呟いた。
「…今更遅すぎる」
男はそれだ言うと血しぶきを上げながら前に倒れていく信友の体をしり目に部屋を後にした。
その後義統が坂井大善と織田三位を伴い清州城を速やかに掌握し織田三位を使者として和睦と言う名の開城を伝えに行くのであった。
なお、信友の遺体はそれまでの行いから付近に誰も寄り付かなかったことで戦後接収に来る弾正忠家の兵士に見つけられるまでそのまま放置されるのであった。
そんな部屋の真ん中で部屋の主、織田信友は目を見開きブツブツと何かを呟きながら紙をもってくしゃくしゃにして破いていた。
「なぜだ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ…ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ッッッ!!!!!!!!」
最後の方には叫びだし鞘から抜きっぱなしの刀を持つと振り回し時々襖や柱にぶつかり音を立てる。
暫く振り回していると大粒の汗を搔きながら床に倒れこみまたブツブツと何かを呟き始めた。
信友は萱津の戦いで負けてからずっとこの調子であった。彼の目に映るのは自身が率いる軍勢よりも多い織田弾正忠家の軍勢、そしてその軍勢に押され逃げ出す自軍の姿であった。彼は何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度もその情景を目に写しそして耐え切れなくなり発狂する。
信友は完全に壊れてしまっていた。その為彼は一日中部屋に籠り時折発狂して周りに当たり散らしていた。そうすることでしか現実から逃れらないため。
「なぜ俺は負けた?負け続けた?あいつと何が違う?あいつが違うのか?あの男も傑物であったではないか…。そう言う家系なのか?俺は一生奴らには勝てないのか?分からない。何が違う?何が、何が、何が…」
信友は自問自答を繰り返しやがて一つの結論を立てた。
「…そもそも俺は今何をしている?勝てなかったからと諦めておらぬか?負けてから俺は部屋で何をしていた?…そうか、そう言う事か!フハハハハハ!!!!分かったぞ!奴と俺の違いが!その、決定的な違いが!」
信友はそう叫びだす。そこへすっと障子を開けて誰かが入って来たが信友は気づかず叫び続ける。
「そもそも俺とあいつが違うのは当たり前だ。俺は謀略の限りを尽くしてきた!あいつは正々堂々とそれを打ち破ってきた!あいつの父親もそうだ!俺とあいつらはやり方が違う!つまりそういうことだ!」
部屋に入って来たものは静かに信友の後ろに立つが信友は気づかなかった。
「ならば俺は俺の道を行くまで!こうやって諦めていたのでは勝てる戦も勝てない!早速家臣を呼び出して対応ぉっ!!!!!」
信友の言葉は最後まで続かなかった。信友の背後に立った者は腰の刀を抜き信友の首を奇麗に切り落としたのである。信友は自身が殺されたことに気付かず光を見出していたように笑っていた。そんな信友の顔を見た男は一言呟いた。
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その後義統が坂井大善と織田三位を伴い清州城を速やかに掌握し織田三位を使者として和睦と言う名の開城を伝えに行くのであった。
なお、信友の遺体はそれまでの行いから付近に誰も寄り付かなかったことで戦後接収に来る弾正忠家の兵士に見つけられるまでそのまま放置されるのであった。
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