貴族に転生したけど追放されたのでスローライフを目指して自前のチートで無双します

guju

幼少期㉘

ヒュゥー

生暖かい風が俺の髪を揺さぶる

「いよいよですね、アルト様」

「だな、ネメス。3人とも1ついいか?」

「「「はっ!!」」」

俺の後ろに控えていた3人は瞬時に俺の前に現れる

「この戦いで俺の名前が広がるのは避けたい。だから今日からアルト以外で呼んでくれ。全て抹殺する気ではいるが、保険だ。今後は呼び方を変えてくれ」

「分かりました「主様あるじさま」と呼ばせていただきます」

「それでいい」

「なら私は「ご主人様ごしゅじんさま」と呼ばせていただくわ」

スーリヤが笑顔で言う。初めての時より幾分か言葉は崩れ、優しさが出てきた。対するネメスは言葉も姿勢も崩さずにピッシリしている。少しは崩してくれて構わないんだが……

「では、我は「あるじ」と呼ばせてもらおう」

皇狼の姿のネメスは大きな顔を俺の胸に疼くめるおでこを撫でてやれると目を細め尻尾をふる

右後ろからは、「あの皇狼様が……」などの驚く精霊達の声が聞こえる。
普段は威厳のあるリーダーなのだと思い知る

反魔王国の拠点……いや、城を目入れフルム魔王国(反魔王国でない方)と反魔王国の国境のようなもの状態の山の頂上で風に吹かれている

なぜ「ようなもの」であるかと言えば、現在で反魔王国は国としての機能と戦力を持つ大きな組織でしかないのだ。国と言われてはいるが実際は反乱軍

つまるところ国ではない。なので国境のようなものでしかないのだ。

閉じていた目を開き、吹き荒れる風が一段と強くなった時俺は目を開き振り返る

「みんな、準備はいいか!」

俺が振り返って声を上げる

「「ウォォォォォォォォ!」」

悪魔、天使、精霊。決して交わることのない最高戦力が今ここに集結し、共に戦う者として声を荒らげる。

「皆、完膚無きまでに叩き潰せ! 突撃!」

俺が開いた転移門に兵たちは突撃する。

この転移門は敵の城の門の前に繋がっていて、属性精霊王が1人火の精霊王が魔法ランクASランク砲撃魔法ー炎龍ーを発動させ門とその周りの外壁諸共消し飛ばす算段だった

「では、火の精霊王サンドラ行ってまいります」

白い長い髭を生やし、背中には大きな龍の翼、頭には角を生やした老人が転移門をくぐる

直後、約5キロ程離れた場所でここまで届くほどの爆発音が鳴り響き、天まで届く大きな煙が立ち上がった

「取り敢えずは成功だな。よし、手筈通り軍を送り込め! 兵共を送りきったら主将クラスの者も突入しろ!」

「「「はっ!」」」

俺の指示に皆が返事を返す

因みに主将クラスとは、属性精霊王、四天王、十二将、5英傑、20士、最上位精霊のことだ

「無属性XSランク魔法ー透遠視とうえんしー」

この魔法は遠くの物を魔力に比例して自由に見るものの遠さを指定して、さらに見たいもの以外の物を透視する魔法だ

「へぇ、皆なかなかやるんだ」

襲撃した俺の軍は手筈通り門をぶち破り、そこから雪崩るように兵が入ってゆく

宣戦布告をしていないので、急な襲撃に反魔王軍は対応しきれていないようだ

城からでてきた敵兵士を精霊達が魔法で砲撃し、やり逃しを天使軍と悪魔軍が狩って行く

後ろからきた敵には属性精霊王たちが魔法で消し炭に変えている

「このままならあの場所を占領するのは時間の問題だろう。俺達も乗り込むぞ」

「「「御意に」」」








その頃反魔王軍では


「く、くそったれが! 敵の戦力はどの程度だ!」

1人の男が椅子から立ちあがって声を荒らげる

周りにいる兵士達は腰を抜かし地面に座り込む

「おいおい、カァルさっきが漏れすぎだ……周りみてみろ」

「あぁ?」

カァルと呼ばれた男は振り向いく

「わ、悪い。ムァー」

あたりを見たその男は、座り込んだ兵士達を見て少しだけ冷静さを取り戻す

「で、そこの。敵の戦力はどうなんだ?」

ムァーは扉の前にいる男に問う

「我々が確認できた敵戦力は……悪魔、天使、精霊の混合軍で、中には属性精霊王や天使の所の四天王など規格外です」

「な、巫山戯るな! そんな軍があってたまるか!」

「だからカァル落ち着け! 恐らく敵は以前の報復者だろう。よし、俺が邪神様から授かった力を持って奴の身内を人質にとる。

だからそれまで時間を稼げ。そしてこのことを速急にボスにお伝えしろ!」

「わかったか! このことをボスに伝えろ!」

「はい!」

兵士は扉を開け、走って去っていった

「それにしても遂にあの力を使える時が来たかぁ」

ムァーは腰の剣を抜き、舌で件の腹を舐めながら狂気に充ちた笑をこぼす

「よし、十傑をいや、九傑になったか? そいつらを出陣させろ!」

「「はっ!」」

腰を抜かしていた兵士は気力と根性で立ちあがり、敬礼をして返事をする

だが、その足と手は、今尚震えている。





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コメント

  • 苓

    ASランクって何?(´・ω・`)?

    1
  • べりあすた

    ムァーは腰の剣を抜き…ってとこ、件になっとるで

    0
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