クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

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77話 10層ボス討伐

氷の礫は飛んでいく途中で剣に弾かれて、地面に激突して粉塵を巻き上げる。

「大丈夫ですか、美樹さん?」

「あ、ありがとう勇義君。」

勇義が復活すると同時に美樹ちゃんを守ったことにクラスメイト達が興奮する。

「うおぉ~、流石!勇義。」

良かった~。美樹が死んだかと思った。
そう思うと同時に怒った勇義の声が聞こえてくる。

「それはそうと美月君、さっきのはなんだ!」

「どうゆうことだ?」

「君が攻撃を避けるなんて腑抜けたことをしてたから美樹さんを危険に晒したんじゃないか!
君がしっかり攻撃を受け流していればこんなことにはならなかっただろう。」

なっ!
僕のようなアタッカーが、もし攻撃を上手く受け流す力があるなら、もうタンクの必要性がなくなるだろう。

「それは無理だ。僕はどちらかと言えば攻撃特化だし、ゴーレムのような物理で殴って来るタイプを受け流したり出来るようなステータス構成じゃない。」

「ふっ。所詮、人を守る力のない君は、美樹さんを守れるような器じゃないと言うことさ。」

ここまで言われて黙ってはいられないが、今はボスとの戦闘の最中だ戦いに集中しよう。

「さぁ、皆戦いに集中しよう。さっきは吹っ飛ばされたけど、無属性魔法の[ブースト]で身体強化すれば大丈夫そうだからそれで対応しよう。近接戦闘組で[ブースト]が使えない人はいないし問題ない筈だ。」

くっそ!僕が[マナ操作]を覚えるのに時間が掛かって訓練に出れてなかったから[ブースト]が使えないことくらい知ってるだろうに!
そもそも僕は今は前衛でのやってるけど後衛の訓練に参加してたから、教えてもらってないし、遠回しにディスってきてるのか!?
そうこうしてる内にアイスゴーレムが再び攻撃を仕掛けてくる。

「グゴォ」

ゴーレムの目標は勇義のようだ。
ゴーレムは打撃系のスキルを発動して、殴ろうとしている。
相対する勇義は、弾くためのスキルを発動している。

「[ブースト]!そして、[スラッシュ]!」

ゴーレムの拳と勇義の剣、二つの力がぶつかり合う。
結果、勇義は弾かれて3m程押し飛ばされたものの体勢は崩れていない。
それに対してゴーレムは拳を押し返されたて直ぐに次の攻撃に移れないような状態だ。
一対一の戦いなら直ぐに体勢を立て直したゴーレムによって勇義は倒されてしまうだろうが、今は違う。
こっちには他にもタンクが居るし、隙を突き攻撃するアタッカーとマジックがいる。

「みんな、魔法を発動して。」

「魔法隊の攻撃が終わったタイミングを狙って攻撃しろ!」

最初の声は、魔法隊の指揮をしている先生の声で、次が暫定的に遊撃隊の隊長をやってる光井君の声だ。
美樹ちゃんを含む魔法隊の攻撃により、アイスゴーレムのHPが一気に減っていく。
そして、次は僕達遊撃隊の攻撃だ。
アイスゴーレムは魔法攻撃によるノックバックをしていて反撃してきそうな様子はない。
僕達はスキルを使ったりしながらアイスゴーレムをタコ殴りしていく。

しかし、ゴーレムもノックバックから立ち直り再度攻撃をしようとして来る。

「攻撃が、来るぞ。遊撃隊は後退しろ!」

光井君のその言葉を聞き、遊撃隊は後退するがまだ集団としての動きが熟練されてないから、動きがバラバラだ。

「今」

そこへ勇義がカバーに入ろうとするが、それを止める声がある。

「勇義!ずっと一人でタンクをやって疲れてんだろ。」

「俺らもタンクなんだからここは任せろ!」

「なぁ~に、三人でやればなんとかなるさ。」

そう言って、代わりにカバーしに行ったのは前衛隊の三人だ。
三人は勇義と違い盾持ち剣士なので、三人は盾を横に並べてアイスゴーレムの攻撃を受ける。
アイスゴーレムの拳は三人をまともに動かすことも出来ずに止まり、三人の力で押し返される

「三人なら余裕でいける!このまま押しきるぞ!」

タンクは、敵の攻撃を受けるからなかなか恐怖心があって、みんな自分達より格上との戦いに参加出来ずにいたが今の三人の活躍により、みんなも積極的に戦いに参加しだした。
そして、前衛隊が受ける→魔法隊が攻撃→遊撃隊が攻撃の動きがパターン化してきて、安定してアイスゴーレムと戦えるようになってきた。
そして、5分後。

「グゴォォォ~~。」 

アイスゴーレムはアイテムドロップをして消滅した。

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