クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

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95話 勝機?

!?
決まった!これで魔法が直撃する!
と思っていると、僕の放った[ファイヤーボール]の側面に水の魔法がぶつけられた。
[ファイヤーボール]は消えて無くなることは無かったもののかなり勢いを失ってしまっている。
セリアは勢いを失った[ファイヤーボール]を難なくとかわしている。
急いで、水魔法が飛んできた方向を見るが誰も居ない。
背を低くしてなるべく周りの様子を探るがおかしい様子は見られない。

「危ないです!後ろを!美月様!」

すると急に遠くからリリアさんの声が聴こえる。
反射的に護身用の短剣を背後に回しながら、振り向く。

ギャン!

「ちっ!余計なことを。」

どうやら、適当に回した僕の短剣は、後ろから忍び寄っていたこのメイド長の一撃を防ぐことが出来たようだ。
反動で短剣を何処か遠くに弾き飛ばされてしまったが、命有るだけましだろう。

「セリア様!まさかアリド国王様のご命令の最中に遊んでいたんではないでしょうね?
今さっきの攻撃を私が防がねば、貴方はアリド国王様の命令を全う出来なかったのですよ?」

「うっ…………。ちょっと城を傷付けないように技を選んでただけだよ………。」

「それは構いませんが、あまりにもミスが有るようならアリド国王様に報告させていただきますよ。」

「分かったから!私が悪かったから!今すぐ本気出します!これでいいでしょ!!」

こっちは命賭けの戦いに糞ほど緊張してたのにアイツ遊んでたのかよ………。
 
「じゃあこう言うことだから、悪いけど直ぐに終わらさせてもらうよ。」

セリアの回りには先程とは比べ物にならない位、大きい氷柱が浮いている。
あれでは先程の[ファイヤーボール]を撃っても、魔法を当てられて相殺されるだけだろう。

「遅れてすみません美月様!良くここまで耐えてくださいました!それに先程の攻撃を防げるなんて…。」

声の方を見ると戦闘を終えたのかリリアさんが、こっちまで駆けつけてくれていた。

「あれはただのラッキーですよ。それよりさっきの警告ありがとうございました。お陰で、なんとかなりましたよ。」

「それにしてもこれでまた2対2に逆戻りですか………。」

どうやら、リリアさんの方はあの騎士団長を既に倒したらしい……リリアさんスゲーな。

「あの二人はどちらも前衛寄りのスキル構成では無いはずです!私達二人で速攻をかければ、なんとか直ぐ倒せるかもしれません。」

リリアさんの言葉が終わった瞬間、再び氷柱が飛んできた。
さっきまでと違い避けるのがギリギリで、少しづつ擦り傷が増えていく。
セリアに近付き攻撃しようにも、時折飛んでくるメイド長の短剣のせいで中々近付けないでいる。

「きりがないので、私が!」

リリアさんは岩のナックル?のようなものものが付いた手で地面にを殴りつけた。

ドガン!!

地面の石畳が碎けちり砂煙が巻き散っている。
これが狙いか!

「なっ!見えないじゃないの!」

セリアはめちゃくちゃに氷柱を飛ばして来て、僕からしたら逆に危ないから砂煙の後ろからでて、氷柱を見てかわした。
リリアさんは何らかの方法で位置を探知しているのか、それとも勘なのか、一目散に前に走っていっていった。
その直後、「ギャリン」という金属音が聞こえた

砂煙が晴れるとそこには、セリアの背をむけてナイフを構えているメイド長と、その向かいにリリアさんが居る。
どうやらリリアさんのセリアを狙った攻撃は、メイド長にガードされてしまったらしい。

「そう簡単にはやらさせてもらえせんか。」

「まあ、此方はセリア様を落とされてしまうと負けですからね。全力で守らせてもらいますよ。」

僕の足手まとい感が凄いな…………。
そう考えてる間に再びセリアは氷柱を作り出して連射してくる。

「くっ!」

リリアさんも焦ったのか、何らかの魔法を使って空中を蹴るように後ろに待避した。

「[スラッシュ]。」

「ッ!?」

!?
リリアさんが待避した所には騎士団長がいて、リリアさんは放たれた剣技に反応することは出来たものの、かわすことが出来ず背中に大きな切り傷を付けられてしまってた。

「うっ、やられました…………。」

リリアさんの背中からは夥しい量の血が滲み出ていて、僕は場違いながらここが命が掛かった戦いで有ることを本当の意味で実感していた。

「ごめんね~メイドの姉ちゃん。1対1なら怖くて手は出せないけど、3対2となると話は変わってくるのさ。」

「手間を惜しんで殺さず放置したのは、私の判断ミスでしたか…………。」

リリアさんは立った状態で、片手により背中を押さえながら、なんとか話をしているような様子だ。


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