クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

TNKt_k

107話 対ジェネラルオーガ戦

「ハァッ!ハァッ!ハァッ!」

戦闘開始してから5分位たった。
最初の方は攻撃をまともに交わすことが出来なかったせいで、再生を使うとMPが無くなるので我慢しながら、逃げ回っていたが、ようやく森の中での効率的な動き方やジェネラルオーガの動きを理解できてきて、攻撃を交わすことが出来るようになってきた。それでも時たま攻撃を喰らうことがあるが、たまにであればMPにも余力があるので再生を使うことが出来る。

だが、一つ問題がある……とまでは言わないが気になることがある。
それは時間だ。
今は[状態異常妄想]で毒の状態異常を掛けているが、このスキルは広く色々な状態異常を掛けられるせいか、ぼく以外にはレベル5までの状態異常しか使うことが出来ない。
もし、仮に[毒攻撃]ってスキルを持っているなら、恐らくレベル10とかそれ以上の強い毒を使えるのだろうが、今の僕には無い物ねだりだ。
ジェネラルオーガの体力を見ている限り、このままのペースで行くと戦闘終了まで一時間近くかかる。
レベル5なので毒のダメージも当然そこそこあるが、相手の[HP自動回復強化]レベル5のせいで、ダメージを与えてもその内かなりの部分を回復してしまっている。

相手を早く倒すことが出来れば、残りの時間をほかのことに使えるようになり、リリアさんを助けれる確率の上昇に繋がる。
ここは相手の動きにも慣れてきたし、積極的に攻勢にでるべきか?
丁度ジェネラルオーガに掛けていた毒が切れたようだ。
さっきまでは反撃が怖かったのでタッチすることで[状態異常妄想]を発動し、予備動作を極力無くしていたが、今度はついでにスキルをぶちこんでやる。
予備動作とスキル発動後の隙が少ない[掌打]なんかが丁度良さそうだ。

後ろを確認すると、しっかりジェネラルオーガが追いかけて来ているようだ。
僕は、そのまま逃げながらジェネラルオーガと僕の間に木の幹が来るようにし、その場で姿勢を低くして[掌打]を打てるように準備する。
ジェネラルオーガは特になにも気にすること無く、木の裏に走り込んできた。
僕はジェネラルオーガの顔が見えた瞬間に[掌打]をぶちこむ。

《[掌打]。》

僕の拳はジェネラルオーガの顎にクリーンヒットした。
そして拳が当たった瞬間に[状態異常妄想]を発動する。
ジェネラルオーガは一瞬だげ体を硬直させたあと、また僕を追いかけだした。

僕は再び逃げ出しながらジェネラルオーガのステータスを確認する。
!!?
どうやら一撃でHPを100も削れたようだ。
このまま続けていけば、かなりの効率アップになりそうだし、しかもさっきはそれなりに余裕があった。次はそれよりも威力の高い[波擊]や[断擊]を使う余裕すら有ったように思えた。

「これならいける。」

そのまま様子を伺いながら、逃げ続ける。
すると、先程と同様に再び毒の効果が消えてなくなる。
そして、これまたさっきと同様に木の幹に体を隠して僕の体を見られないようにする。
そしてジェネラルオーガが再び顔を出した瞬間に攻撃する。

《[波擊]!》

僕の攻撃は再びジェネラルオーガの顎を捉える。
しかし、その後のジェネラルオーガの行動がさっきまでとは異なった。
!?
ジェネラルオーガは僕が攻撃した後に少しだけ生まれた隙を突いて僕の拳を掴んだ。

なぜ!!?
さっきは衝撃で体を硬直させてたのに!?
………………まさか……さっきは、わざと大袈裟に反応して僕が再び同じ攻撃をしてくるように誘ったのか?
ジェネラルオーガのステータスには、[痛覚減少]と[衝撃減少]があった。
そのスキルの効果で殆ど痛みを感じてなかったのかもしれない。
そんな風に今さら考えてももう遅かった。
ジェネラルオーガは反対の自由な拳に力を込めて殴る準備をしている。
ヤバい!と思い全力で暴れるが筋力値の差が有りすぎて、まるで効果がない。

そして次の瞬間、ジェネラルオーガの拳が僕に突き刺さった。

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