クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

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119話 閑話 エミリア #2

私は国王に逆らってから地下牢に連れていかれたあと、もう一度外に出されて王の間に連れていかれました。
王の間に着く手前で何故か猿轡をされました。
物凄く嫌でしたが、抵抗することは無駄だと分かっているので諦めておとなしくしています。
少し待っていると中から合図が有ったのか兵士が私を連れて歩き出します。
中にはいると、そこには美月様とそして、監視役兼メイドの…………確か名前はリリアだったでしょうか?まあ、その二人が王の前に立たされていました。
そして話は進み国王から美月様に告げられたのは、リリアが虚偽の報告を上部に上げていて美月様の事を内緒にしていたことでした。
しかし、美月様はその事を知らなかったようで、少しの間ビックリした様子を見せてました。

話は進み、美月様は私が拘束されていることについて国王に尋ねています。
どうやら私の事を気に掛けてくださっているようですね。
ありがたいとは思いますが、それどころではないのでは………?
逆に美月様の言葉に対して国王は激しく反論しました。

「勇者の力を使い魔族どもを始末し、周辺諸国を属国にすることによって我が国は更なる繁栄を遂げるのだ。」

その反論に一言、言ってやろうと思ったのですが、猿轡されており声が出なかったので諦めておとなしくします。

はぁ~。それにしても周辺国を属国に…ですか~。
大きく出ましたね。国力にそこまで大きな差の無い聖教国はともかく、皇国にまでちょっかい掛ける気でしょうか?
私はこの国から外に出してもらえなかったので実際どのくらいの国力差が有るか分かりませんが、話の限りなら10倍では効かないくらいの国力差が有るみたいですが国王はどうするつもりなんでしょうか?
はぁ~。溜め息が止まりませんね。何故王女だった私がこんなに心労しないとならないのでしょうか?

皇国にちょっかい掛けるなら、何か手立てが有るなら良いのですが、国王は何も考えて無さそうなので………不安です。
はぁこの国の行く末が不安になります。

話を聞き続けていると、どうやら国王は美月様に自分の下に付けと言っています。
対価にわたしとリリアの命を助けてくれるそうです。
ヤッホーイ…………………………。あまりの面白い対価に思わず棒読みで乗ってしまいました。
この国を裏を探り出し始めてから心労のせいか、私の性格が歪んでしまった気が………………。

それにしても、さっきまで死ねと言っていたのにどうゆう風の吹き回しでしょうか?
まあ、恐らく国王の読みでは、美月様が何らかの方法を用いてリリアに虚偽の報告をさせていると思っていたのでしょう。
それがリリア独断で行っていたものだと知り、勇者である勇義様と互角に戦った美月様の力が惜しかったのでしょうか?
リリアが、勝手に虚偽の報告を行っていたなら、まだこの国に対する反乱の因子にはならないと判断したのですかね。

とはいえ、美月様がそれを理由に国王の下に付いたとしても私達三人は決して良い人生を歩めそうにはありませんが……………。
美月様はその言葉を聞き投降しようとしていましたが、リリアが美月様を引っ張り王の間から飛び足していきました。

残された国王は直ぐ様二人を追うように伝えています。
私はどうやら再び地下牢に連れていかれるようです。
ですが、どうやら処刑だけは回避出来た模様。とはいえ、良くて一生地下労働、悪くて実験動物ってところでしょうか?

まあ、どっちに転がっても私の人生はろくなものには成らなかったと思いますし、二人が逃げ切ってくれるのを応援しましょうかね。
あと気になることは、勇者様方がこの国に無理矢理働かさせられるような事がなければ良いのですが………………。
しかし、そんな事を自由の無い私が考えた所で無意味ですよね。
勇義様の顔が思い浮かびます。
無事でいられたら良いのですがね………………。



あれから二週間経ちました。

「はぁ~、冷たいです。」

足元は冷たい石畳、目の前には冷たい鉄格子、辺りは3メートル四方の狭い空間、部屋にはボロボロの毛布一枚のみ。
鉄格子には鍵が掛かっていて自らの意思ではここを出ることすらできない。
ここに二週間も住んでいるのですがこの寒さになれることは出来ていません。
さっきは部屋なんて呼び方をしたが、実際はただの牢屋です。

「国の行く末を考えて行動しようとした結果が地下牢………皮肉なものですね。」

哀愁を漂わせながら一人言を呟くとその声に返事が返ってくる。

「ねぇねぇ元王女様、そんなどうでも良いこと話さないでなんか面白い話してよ。」

返事をしてきたのは私がここに来た次の日にお隣の独房のに入ってきた人です。

「何を話すというのですか…………面白いことなんてありませんよ。そちらはどうなんですか?」

「無いから、聞いてるんじゃん。はぁ~使えないなぁ。」 

そうやって不貞腐れてる彼女は、つい二週間前までこの国の魔導師団長だった少女です。
どうやら美月様とリリアを捕縛する際にかなり足を引っ張って逃がしてしまったらしく、今は地下牢のルームメイトに成り下がっている。
セリアさんの話によると、美月様とリリアは逃げ切れたらしいです。
ふぅ、これで一安心?ですかね?

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