クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

TNKt_k

127話 妖精の願い

「ねぇ!聞いてるの!!」

うーん。怒り心頭って感じだな………………。

「貴方と別れて3日目、貴方達を待ちながら焦ってはいけないと自分の心を落ち着かせて、10日目、ここに来ようとしてる貴方達を見てようやくか!と思っていたら引き返すし!魔物が強すぎて来れないのかと思って毎日魔物狩りをやってたのにそれ以降来る気配はないですし。おまけに昨日ふらっとこっちを見たと思ったら「あっ!」って!なによ「あっ」って!!頭どうなってのよ!」

「お、おう。ごめん遅くなったよ 。」

というか、まるでずっと見ていたような言い方だな。
そもそも、初めて声を聞いたときも周囲にこの娘が居たようには見えなかったけど………………。

「さっきから僕らの様子見てたかの様な言い方だけど、どこかでも見てたのか?」

そうやって僕の疑問を伝えると、さっきまでと打って変わったように得意気になって答える。

「フフ~ン!私はこの島の中心である世界樹の妖精なの!この島の全ては世界樹の影響の範囲内にあるの!だから私はこの島のほぼ全ての場所に移動したり、視線を飛ばしたり、音を拾ったり出来るのよ。だから私はここに居ながら貴方達の様子を常に確認出来ていたわけなのよ。」

どうだ!すごいでしょ!とでも言わんばかりに胸を張っている。
妖精や世界樹の影響とかよく分からない単語も混じっていてよく分からないところもあるな。
ただ、世界樹というやつはただ単にデカイ木という訳ではなく、何か特別な力を持った木ということなんだろう。

「なるほどそれは凄いな。この島において君に隠し事をする手段はないと言うわけか。」

「そう!私はとっても凄いの!」

逆に気になってくるのはこの娘からの依頼だな。
この娘の言うとおりとても凄い力を持った存在で特にこの島においてはかなりの力を有した存在な筈、そんな彼女からのお願いとは?

「それで前に言ってた僕に頼みたいことって言うのは?力も貸して貰ったし、約束も遅くなったし、なるべく願いは聞きたいけど………………。」

「あっ!その事ね。お願いってのはそんな難しいものじゃないから気にしないでいいよ。お願いって言うのは、貴方達がこの島に居る間、私を一緒に過ごさせてほしいのよ。」

「一緒って言うのは?」

「ただ単に共に過ごしたいって言うだけ。いいでしょ?」

うーん。
これはこっちにとってもかなり有難い提案かもしれない……。
確かに、この妖精はかなりのステータスを持ち、怪しい称号を持っていて警戒すべきだが、相手はこの島の全てを見ることができる存在、自分の目の届かない所に置いて相手の情報を捨てるよりは目の見える範囲内に置いておき相手の行動、牽いては奇襲に対応できるようにしておくべきだろう。
それにこの妖精の情報も大切だが、この島の位置など僕らが元のガイドミル王国に戻るために必要な情報も持っている可能性がある。
それに、友好的に接してきている今、わざわざ敵対するような行動をすべきではない。

「………分かった。それじゃ取り敢えず一緒に海岸線まで行こうか?」

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