141話 食事は至高

≪エミリア視点≫


「今日も疲れました………。」

伐採から帰ってからも、私は沢山のことに驚かされました。
まずはラズリちゃんが、体をノコ状にして……………いや、やっぱり思い出すのは辞めておきましょう。
ただでさえ疲れているのにこれ以上、疲れる様なことは考えたくないです。

そんな驚愕ばかりで疲ればかりの無人島生活ですが、数少ない私の楽しみが今から始まります。

「鍋、準備出来たよ。食べようか。」

そんなところに美月さんが、鍋を持って現れます。
そう、私の楽しみとは食事なのです。
ここでの食事は王城での食事よりも美味しくて、昨日と一昨日は感動してしまいました。

「今日は、ヒスイが山菜を採ってきてくれたから、今日はかなり具沢山だよ。」

「ムギギギュギュ！！」

ラズリちゃんは、食べることが至福なのか、ご飯の時間になると途端に元気になる。
今日は今までと違い、山菜が有るため、鍋も色鮮やかで美味しそうです。
自分が食べる分だけ小皿によそいます。
鶏肉・イノシシ肉・熊肉沢山の種類の肉、キノコや山菜、たくさんありますね。
まずは葉野菜、煮込んだお陰で出汁が染み込んでいて、とてもおいしいです。
鶏肉はプリっプリで、イノシシ肉は薄切り肉は口の中でとろけます。
魔物肉は基本的に高レベル、高位種族になればなるほど美味しくなります。

「あぁ～。美味しいです♪」

そんな美味しい食事を取りながら、お互いについて話し合い友好を深めていきます。
昨日の食事中なんかは、美月さんとリリアが恋人関係にあると言われて、ビックリして吹いてしまいました。
どう見ても、美樹さんは美月さんとことを好いているように見えていたので、驚きました。
まあ、この世界では権力や力を持った人が、第2夫人、第3夫人を持っているなんて当たり前ですし、美月さんはそれに見合った力の持ち主ですし、良いとは思いますが……。
異世界の方はどうなんでしょうか…………？
これは考えない方がいいかもしれませんね。
女の色恋沙汰ほど恐ろしいものはありませんから。
やぶへびをつつくようなことはしないようにしましょう。

そんな事を考えている内に話の話題が私のことになりました。

「そういえば、エミリアさんは勇者に好意を抱いているように見えましたが、どうしてですか？悪意のある人には見えないですが、現実を理解してないくて、そこはかとなく地雷臭がする人に見えたのですが……？」

ブフッッ！
おもわず吹いてしまいそうになりましたが、なんとか踏みとどまります。

「リリア……勇義に対して容赦ないなぁ。まあ、僕から見ても恋愛対象としてオススメできる人間では無いような気がするけど。」

「事実そうではないですか？自分の意見しか信じてなくて、周りが見えてないようにしか見えません。そもそも異世界に呼び出されて、魔王と戦うことが元の世界に帰ることに繋がるとはいえ、自分達の為に敵と戦えと言われ、承諾する時点でおかしいですよ。皆さんのリーダーとしてはどうかと思いますね。」

「あぁ～、まあ、そうかもね。皆を纏める人間がそんな適当な理由で方針を決めたのは微妙だったかもね。」

まあ、簡単に魔王と戦うことに賛同してくれて、正直かなり助かりました。
こっちは、戦ってもらうために、色々な物を用意していたのですが……あんなに簡単に首を縦に振ってくれるとは思ってませんでした。

「ニキスもあの人嫌いです！マスターに酷いことしましたから！！」

うっ！
ニキスちゃんまで………。
私の…………は、初恋の人…ボコボコに言われてます。

皆さんは、私の恋愛話が気になるようで、私が語りだすのを待っているようです。
うぅ～！
恥ずかしいです。
私だってまだ、自分の恋心を整理しきれてないのに………。