クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

TNKt_k

171話 有らぬ疑惑?


ふぅ。
何にしてもこれで今日から冒険者かぁ。
なんか異世界堪能してるなぁ。

「にしてもなんで魔物素材ってあんなに高く売れるんだ?」

「魔物の素材は装備を作る材料や魔道具の材料、儀式の触媒や薬になったりするのでかなり良い値段で売れますよ。特にある程度強い魔物の素材は貴族などのコレクションとして高く売れますし、冒険者にしてもまだまだ成長途中の冒険者や魔物との相性で武器、防具を変えたりするタイプの冒険者は沢山の武器を買うので素材の需要も多いんです。それこそSランク級の魔物素材なんかは1ミスリルを越えてきますよ?」

1ミスリル=1000ゴールドだから素材1つで10億円か……、笑えてくるな。
Sランク級の魔物の素材なんかは、僕の[アイテムボックス]に何個か入ってるはず………。

「にしても良い町ですね。私は産まれてからレベル上げ以外で王城を出ることが殆どなかったので、海辺の街なんて初めてです。………何と言ったら良いのでしょうか?………美しい街並みですね。」

「そうですね。昔一度来たときは景色に気を配っていませんでしたが、綺麗ですね。」

「私は街そのものが初めてだもの!そもそもこんなにいっぱい人っているのね!……さっきはあの人が居たから黙ってだけど色々気になるわ!教えてちょうだい。」

ヒスイからしてみれば初めて街か。
見たこと無い物ばかりで目を輝かせている。
僕としては景色も良いけど海産物が気になるなぁ。
市場の良い匂いがここまで漂ってくる。
リリアとのデートもこの街でやるのか………。
景色の綺麗な場所位探しておいた方が良いのか?
デートなんてしたことないし分からん。
……まあ、大人の女性であるリリアにも意見を聞きながら散策デートってのがいいのかな?

幾らか歩いていると宿屋街にたどり着いた。

「結構宿屋って沢山あるんですね。リリアはどんな基準で泊まる所を選ぶんですか?」

この中で唯一、宿屋で泊まった経験が豊富なリリアに尋ねる。

「無駄に豪華な宿は趣味ではないので、メインストリートの飯屋も併設されたそこそこの宿屋を探してますかね。………あとは勘です。宿が悪ければまた直ぐに別の宿に変えれば良いだけですよ。そうやっていれば、最終的には穴場の良い宿屋にたどり着きます。」

なるほど……。
宿屋もいっぱいだし、選ぶのに時間をかけるよりはさっさと入って試してみるのも手なわけか。
じゃあ早速目の前の大きな宿屋に入ろうかな?
いざ目の前の宿屋に入ろうとすると後ろから声が掛かる。

「ちょっとそこの両手に花のお兄さん。宿屋をお探し中なら家の店に来たら?安くて飯も美味しいよ。」

両手に花のお兄さん………まあ、僕以外は女の子ばかりだけど………。

「でもなんでわざわざ僕らに声を?」

「ここいらにある店よりよっぽど良いサービスをする自信はあるけど、何分なにぶん裏通りの店は中々初見さんが来てくれないから客が少ないのよ。」

ふーん………。
同い年位の女の子で、悪い娘には見えない…………。
もしかしたら詐欺かも知れないがお金は沢山あるし、多少金を多く取られる位なら問題ない。
この娘がチンピラの仲間を連れてきて恐喝されてお金を寄越せと言われても、強くなった今では、日本の様にチンピラに怯える必要もないし試しに着いていってみるか?
それに裏通りの店ってつうみたいでカッコいいし。

「じゃあ案内頼むよ。」

「よし、任せて。」

メインストリートの脇道を入って奥に行く。

「中々、おもむきがあって裏通りも良いなぁ。」

「そう?やっぱりメインストリートが清潔感あって良いと思うけど…………でも、慣れていない人があんまり裏通りを歩くのはオススメしないわ。この街にだってガラの悪い連中もいるしね。」

まあ、こんな古き良きってのはそこに住んでる人には中々分からないものだよな。

「着いたわ。ここよ。お母さ~んお客さん連れてきたよ。」
 
少なくともカツアゲされるわけではなかったな。 

ドアを開けて中に入ると酒場があり、奥のカウンターにさっきの女の子のお母さんと思わしき人がいる。
 
「どうも。ご飯が美味しいって聞いてきたんだけど………。」

「あらあら!美人さんを沢山連れたお客さんだこと。」
 
「あははは……。」

親子揃って返事しずらいわ。
3股掛けてる悪い男とでも思われてるのか?

「家はご飯には自信あるよ。……………部屋は何部屋とるかい?……おっきなベッドの部屋もあるけど…………。」

「やだお母さん!わざわざ聞くなんて一部屋に決まってるでしょ!通りの道を歩いてる所を見てビビっときたもん。」

親子揃ってニタニタしながらこっちを見てくる。
恥ずかしい。
そもそも、ビビっとってなんだよ。そんな理由での声掛けてきたのか。

「わ、私達はそういった関係ではないです!」

リリア!そんな顔を真っ赤にしながら言っても効果ないよ。
お母さんの方が「まあまあ(ニタニタ)」って言ってるし、女の娘のほうも「凄いハーレムだぁ!(喜)」って言ってる。

「あー、少なくとも私は違うので…………。」

エミリアさんは少し疲れた表情で否定している。  
その疲れた表情がそういった関係では無いことを物語っている。

「………………~~ん!つまんない。」
 
客の前でそういうこと言うな。

「取り敢えず3人用一部屋と1人用一部屋お願いします。リリア達もそれで良いよね。」

「………構いません。」

はぁ~。
取り敢えず宿ゲット。
ようやく落ち着いて休める。


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