クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

77話 お説教

 俺たちは今、とても微妙な空気で朝食をとっている。
「………」
「………」
「〜〜 」
 白井とユイは、押し黙ってずっと食事をしていてシェレールは、鼻歌を歌いながら食事をしている。
 他のみんなは、こんな空気なので話すことすら出来なかった。もちろん俺もだ。
 何故今、こんな空気になっているかと言うとそれは、数時間前に遡る。

 数時間前。
 俺たちは、何事もなく無事に一日を過ごすことが出来た。
「す〜す〜」
 俺の横には、俺の肩に頭を乗せてぐっすりと眠っているシェレールがいる。
「ったく、俺の手伝いに来たのに寝るなんてな。」
 俺は、シェレールの頭に手を乗せる。
「ま、いつも頑張ってくれてるもんな。」
 俺は、その手をゆっくりと動かしシェレールの頭を軽く撫でた。
「ふぁ〜、竜斗おはよう〜。」
 とその時、ユイが自動車から欠伸をしながら出てきた。
「ああ、おはよう、ユイ。」
「ええ、大変だったで……しょ……?」
「ん?どうしたんだ?」
 ユイは、俺の姿を見てから固まってしまった。
「ど、ど、どうして!どうして、シェレールが竜斗の隣で寝てんのよ!?」
「あ、あ〜、シェレールは、俺の野営を手伝いに来てくれたんだけど途中で寝ちまってな。」
「シェ、シェレール?りゅ、竜斗が、シェレールのことをよ、呼び捨てしてる!?」
「ん?まぁ、ちょっとあってな。」
「…………」
 何故か、ユイがその場で黙ってしまった。
 そしてこちらへゆっくりと近づいてきてシェレールの方に手を置いた。
 そして俺からシェレールを離し、シェレールの肩を揺すりながらこう言った。
「シェレール!!起きなさい!!早く起きなさい!!今すぐ起きなさい!!」
「……ふぇ?ん〜、おはよう〜、ユイさ〜ん。」
「ようやく起きたわね!さぁ!今すぐ事なの状況を説明してもらうわよ!!」
「ん〜、この状況?」
 シェレールは、まだ寝ぼけているのか何が起こっているのか分かっていないらしい。
 そんなシェレールの顔にユイが水魔法で水をかけた。
「わぷっ!」
「おはよう、シェレール。」
「うん、おはよう、ユイさん。」
「それで、なんであなたが竜斗の隣で寝ていたのかしら?教えてくれる?」
「………〜〜っ!!」
 シェレールは、昨日のことを思い出したのか顔を一気に真っ赤にさせた。
「何よ!その反応は!?」
「にゃ、にゃんでもない。」
「噛んでるわよ!」
「はうっ!」
 とその時、また自動車から誰かがでてきた。
「ふぁ〜、みんな〜何を騒いでるの〜?」
 その人物は、白井だった。
「どうしたの?みんな?」
 白井は、この状況が何か分からず困惑の表情をしている。
「白井、今ね、竜斗とシェレールがくっ付いて寝ていたのよ。」
「っ!!」
 白井は、ユイのその言葉を聞いて眠たそうな顔から一瞬にして目を見開いた。
「ど、どいう…こと?ねぇ、柊君、説明して?」
「あ、あの、白井さん?ちょっと顔が怖いですよ。」
 どうして、白井もシェレールも笑顔がこんなに怖い時があるんだ!?
「そして、シェレールさん。ひとつ聞いていい?」
「な、なんでしょうか?」
「その髪飾り、いつ、誰に貰ったの?」
 白井がそう言うとユイも気になっていたのかユイも詰め寄って説明を要求した。
「こ、これは、竜斗から貰ったもの……です。……ふふっ」
 シェレールは、髪飾りに触れ貰ったことを再確認したのか笑って喜んでいた。
「い、今、シェレールさん、竜斗……って言った?」
「りゅ、竜斗から貰った……ですって?」
 二人とも何か絶望した表情をしていた。
「りゅ、竜斗、わ、私たちには?」
「わ、悪い!あの髪飾りは、ガルード王国の宝物庫から貰ったやつで一つしかなかったんだ!本当に悪い!」
「そうなんだ………」
 二人とも、それから一言も喋ることは無かった。

 ということで今の状況に至っている。
 ど、どうしよう、この空気。
「………ん?そういえばリルは?」
 俺は、周りを見渡したがまだリルがいないことに気がつく。
「あ、リルちゃんは、まだ寝ていたので……起こした方が良かったですか?」
「ん〜、朝食も冷めてしまうからな。俺、ちょっと行ってくるよ。」
 という言い訳をしてこの場から離れる。
 俺は、車内に入りリルが寝ている所へ行く。
「お〜い、リル〜。そろそろ起きろよ〜。」
 リルは、まだぐっすりの寝ている状態だ。
「お〜い、リル〜」
 俺は、ほっぺを突っつきながら起こす。
「ん〜、まだ眠たいです〜。」
「ったく、ほら、早く起きろって。」
「ん〜ん〜」
 リルは、顔をぶんぶん振り毛布にくるまってしまった。
 こりゃまだ起きないかな?
 と思った時にリルが毛布から半分顔を出した。
「柊お兄ちゃん、一緒に寝たいです。」
「っ!!」
 リルのうるうるとした瞳でそう言った。
「し、仕方ないなぁ〜。」
 俺は、リルの隣に横になった。
「お兄ちゃん〜」
 リルは、横になった俺の胸に顔を埋めてすりすりとしてきた。
「ははは〜、リルは、まだまだ甘えん坊だな〜」
「ぎゅ〜」
 リルは、俺の背中に手を回しさらにぎゅっとしてきた。
「ひ、柊君、何してるの?」
「っ!し、白井?」
「私もいるわよ。」
「ユイまで!?」
「ど、どうして?」
「柊君が遅かったから様子を見に来たんだよ。」
「いや、こ、これは、え、えっと〜」
「竜斗、そこに正座!リルは、早く起きて朝食を食べなさい!」
「「はい(です)!」」
 俺は、その場で正座をしてリルは、起き上がりすたすたと外へ出て行った。
 そしてそれから数十分間お説教が続いた。
 その後二人は、前のように元に戻ってくれた。

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コメント

  • ユチチユチチ

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  • ヒカッチ

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  • ノベルバユーザー298925

    今すぐ(事なの)状況を説明してもらうわよ!! (この)かな?

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  • カツ丼

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  • ノベルバユーザー141869

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